夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

改装完了作品 中村左洲 & 蟷螂 小絲源太郎筆

2018-02-16 00:01:00 | 日本画
表具の天地に痛みがあり、さらに軸先が取れてなくなってるので、下記の写真の掛け軸について修理の相談をしたところ、表具師から全部改装しようという提案があり、最近出来上がってまいりました。

鯛釣図 中村左洲筆 その2
絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙 共箱 
全体サイズ:縦2035*横540 画サイズ:縦1170*横420

 

元の波の文様があった表具の裂ではないので、少し迫力が落ちたのは致し方ないかもしれません。



漁師をしながら絵を描いたという点から本ブログで紹介する画題のような作品が中村左洲の真骨頂だと思います。



代表的な図柄の「鯛図」と見比べるとさらに面白みがあります。

游鯛図 中村左洲筆
絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙 昭和19年共箱 
全体サイズ:縦1883*横540 画サイズ:縦1282*横423



なかなかの画力のある画家ながら、現代では忘れ去られている画家の一人でしょう。



出来の良い作品の少ない画家でもありますので、蒐集には苦労する画家でもあります。山水画などの作品は凡作が多く、あまり魅力は感じられません。



こういう画家の絵をちょっと飾ってみたいと思いませんか? 最近恵比寿様を祀って、鯛を奉納した日にはこの作品を飾ります。息子には「しばらく鯛を食べれるよ。」と・・。

*最近、中村左洲の「伊勢海老図」の作品を入手しました。「海老で鯛を釣る」ということが三幅にて完成! 後日投稿する予定です。

さて先日のなんでも鑑定団に「小絲源太郎」の作品が出品されていまいした。贋作との判定でしたが、「小絲源太郎? 当方にもなにかあったはず・・・?」とブログを検索してみてもなにも出てきません。しかし色紙の作品がたしかあったはずとさらに探したら出てきました

最近、流行のNHK放映の「カマキリ先生」・・、小生と家内と息子で最近、はまっています。「知らない」という方は流行に遅れていますね

蟷螂 小絲源太郎筆
紙本着色 色紙サイズ
画サイズ:縦270*横240



裏面に「小絲源太郎先生 昭和二十四年八月 石塚清子氏」とあります。そうすると著名になる前の60歳頃の作品と推察されます。石塚某氏についての詳細は不明です。色紙作品ながら明快で強い画風の特徴のある作品です。

*昭和24年 この年、長野へ杏花写生、また諏訪湖周辺の散策し写生していますが、その時の作品?
(長野県千曲市の森地区は日本一のあんずの里。ただ花が咲くのは春でしょうから、八月ではない。)

 

いつどこで入手したのかはすでに当方の記憶にはありません。

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小絲源太郎:明治20年(1887)下谷区上野元黒門町20番地(現台東区上野池之端)の老舗料理屋「揚出し」に生まれた。本名小糸源太郎。

17歳のとき藤島武二の作品に魅せられて、画家になることを志した。東京美術学校(現東京芸術大学)金工科在学中の43年に第4回文展初入選。明治44年金工科を卒業後西洋画科に入学、以来帝展・日展と出品し、昭和初頭頃の作品は、中国院体画風の細密描写による静物画を主とした。

昭和29年(1954)日本芸術院賞受賞、同34年に芸術院会員、同40年に文化勲章を受章するなど、53年2月に90歳で没するまで、常に日本洋画壇の第一線で活躍した。

*なお1965年(昭和40年)、文化勲章受章(同日文化功労者)を得た同年に第16回NHK紅白歌合戦で審査員の一人を務めたことがあります

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最近人気のカマキリ先生・・、小生も好きな番組です。



最近は息子と「カマキリ!」とか「タガメ!」と叫びながら遊んでいます。



骨董は思い出とともに遺るのが理想的ですね。そういう思い出を作る努力をしないと骨董は没後に皆、処分される

本ブログでは蟷螂を画題にした作品は下記の作品がもう一点がありました。

蟷螂 郷倉千靭筆
紙本淡彩軸装軸先木製 郷倉和子鑑定箱入
全体サイズ:横487*縦1655 画サイズ:横234*縦263



飾ると「カマキリ!」と息子ははしゃいで走り廻っています。



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