居酒屋論議的読書感想ブログ

リアルタイムで読んだ本の感想を、居酒屋で飲みながら話す時のごとく綴るブログである。
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【感想・小説】静かな炎天

2016-12-13 13:20:04 | 読書感想・小説

ハードボイルド。
憧れますね。男だったら。
なよなよ軟弱野郎の僕からしたら、寡黙で、葉巻を吸い、ウイスキーのオンザロックを舐め、ゴロツキどもとぶつかり合い、女にモテるなんて。素敵ですわぁ。
これぞハードボイルド。うーん。かっくいい!

言うなればそう、ソフトボイルドの僕は、そんな彼等の物語を見て、「こんな風に生まれたかったもんだぜ」とため息一つ。

しかし、今回のハードボイルドは、そんな彼等とは少し違いました。


二冊目の本はこっちら!





若竹七海さんの「静かな炎天」
文春文庫
¥690 税抜きでございます



あれ? なんかこの表紙見たことあるばい?
そんな方もいらっしゃると思います。
そう。
こちら、アメトーークで、お笑い芸人のカズレーザーさんが紹介していた短編集です。
カズさん好きのぼくはほいほいと買ってしまいました。

しかし買って正解でしたこの本。
(同番組で紹介されてた『あひる』も買ったのですが、面白さがよく分からなかったのです。合う合わないはありますよね)



まず主人公は女探偵の葉村晶さん。40代で、ミステリ専門の本屋のアルバイトを兼業しています(この店の中の会話だけでも、ミステリ好きにはたまらないのでは無いでしょうか?)

なにが面白いかと言えば、葉村さん目線で語られる物語のその軽快さ。
その内容は、普通だと重苦しくなってしまう様なものなのに、そうはならないのです。
キャラクター同士の会話は、まるで漫才をしているかの様。

また主人公は、依頼人などには深く入り込みすぎず、感情的にならず、一歩下がった、つまり、読者と同じ様な目線で物事を話し、聞く。


その距離感が、リアルで面白い。正義感に満ち溢れ、悪は絶対に屈する! などと、肩に力の入った主人公ではなく、例えばある男の安否を調べてくれと依頼があり、すると、調べていくうちにとある犯罪グループで内部分裂が起き、一方が一人を集団でボコボコにし、崖の上から落として殺害。

さらに、その遺族には、その男が行っていた犯罪の映像を見せ、これを世間にバラされたくなかったら金をよこせと脅していたと。

その中の集団でボコボコにした方の中の代表格が、捜索依頼の対象者だったのですが、その話を調査の結果知った時の葉村さんの最初の感想はというと。



「うわー」



この一言!
そりゃそうだ! 僕も読んでてこう思いました!
つまり、葉村さんは僕等普通の人間と同じ考え方をし、ちょっと正義感があり、ちょっとおせっかいな普通の四〇代の女性なのでした。四十肩にもなるし体重も気にしている。ハードボイルドとはなんぞや。

それだけに、この主人公に僕は惹かれ、スイスイと読み終えてしまいました。
無駄に格好つけてないところが、作品の説得力に繋がっていたのだと思います。
この作品はシリーズ物だそうなので、他の作品も読んでみたいです。

カズさん良い本推してくれました。今後も注意しておこうと思います。

しかし、これ本当にハードボイルド物なのでしょうか?
別に主人公は男性にモテて寝たりするわけでも(周りは男ばかりですが)酒を飲みまくるわけでも、戦いまくるわけでも葉巻を吸うわけでもありません。
詳しい人にいつか聞いてみたいですなぁ。
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