20INCHERS

RIDING LIFE

ぷぉちょむきんぜっと

2024-03-16 19:13:05 | Weblog




引き続き熊本回想記です。
そこら中で会う人会う人が、再会に次ぐ再会の踏襲なのですが・・またもや久方ぶりにお会いしたのは、少年時代からずっと羨望の眼差しで見ていた山さん。
初めてお会いできたのは、僕が20歳の時初めてエントリーした海外戦であるサンディエゴのBS会場でした。













その時よく見ていたDIG-IT ZINEでの姿格好そのまんま、フルブラックのMoralesにOGバー、当時の「時の人」Edgar Plasenciaを彷彿とさせる出で立ちだったのをよく憶えています。
ロングルーティーンを繋ぎ倒したシメのダブルディケード、その時の模様は、VHS「SICK」に小田君とのパートで収録されています。




また、例により遠き在りし日のファンライドコンテストネタですが、たまたまその日他のイベントとかぶり多くのライダー達はそちらに行っていたため、心なしか例年よりエントリー数が少ないことがあったんです。
鬼の居ぬ間に・・とでも言いましょうか、幸運にも僕がその時優勝したことがありました。




お褒めの言葉をいただくも、僕はへりくだりいつもの強豪達が不在だったから・・と答えたところ、山さんからは「面子がどうこうよりも、大会で優勝することはすごいことだ」と、恐れ多くもありがたいメッセージをいただいたこと、今でもはっきり覚えています。




あれから25年、そんな遠い記憶もどこか虚しく、
この日熊本での誇らしきリザルトを、弱い自分へ烙印を押す意味で貼り付けておきます。




















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火の国ローカル

2024-03-14 00:02:03 | Weblog











前回に引き続き、熊本珍道中第二弾へ参りましょう。




かれこれ長いこと何度も訪れている九州ですが、何故でしょう?不思議と僕の肌に合うというか、すごく居心地が良いんです。
けれども、熊本県を旅するのは実に今回が初めてでした。




僕が知らなかっただけで、福岡や佐賀で会うライダー達の中には、実は熊本出身の方もちらほらおり、熊本にも古くからBMXのシーンは在った、ということを恥ずかしながら後になって知りました。
大会の会場に入るなり、真っ先に顔を合わせたのはなんと一美君、いきなり25年?くらい?ぶりの再会とは・・




一美君も熊本ローカル、お膝元とくればここにいるのも不思議はありません。
初代ARESチームライダー、最後に会ったのは久留米の2スケートで行われたファンライドコンテストだったような記憶が・・




黄色に青の袖?だったか?の88のチームジャージを誇らしげに纏い、ロコモーティブの印象が強く残っていました。
その数年後に、就職で埼玉に行くかも?的なある日の電話での会話を最後に、めっきり音沙汰なくなったまま今日に至っていたのです。




行政書士という格式高い肩書きを持つ傍ら、BMXはつい最近になって復帰したとのことですが、ライダー魂を忘れることはなかったのでしょう、長いブランクを感じさせない、しっかりとした礎を感じさせるライディングでした。
ラードヤードの戻りで右足をトップチューブに乗せる、マシンのセッティングにしてもチドリをクロスさせて装着する、これが「ベテラン」の称号たる由縁です。




いつかまた一緒に乗りましょう。




熊本で再会しましたシリーズ、次回も続く?予定?です。







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哀れみの唄

2024-03-12 22:42:10 | Weblog











3/9,10(土・日)
CHIMERA A-SIDE 熊本城




結論から言うなれば、まだまだ険しい道のりは長く続くでしょう。
先に行われた江ノ島FISEにて思いの外予想を上回る手応えだったのを皮切りに、気持ちも仕上がりもペースアップしてきたため、この勢いに乗っかってもっと上がって行こう!そんな昇り調子の(と、思っていた)矢先、まんまと見事に振り出しに戻されてしまいました。




筆舌に尽くしがたい空虚感、トリックとしての出来高としては1%未満でした。
乗った先に何もないのは構わないんです。気持ちが少しでも上がれば、それがこの上ない収穫であり、財産でもあるんです。




まあ、僕にはこの立ち位置がお似合いなのでしょう。
哀れな奴だと笑い飛ばしてもらえればと思います。




ただそれは、裏を返せば「だからまた挑戦に行く」目標がはっきり見えた瞬間でもあります。
これからもずっと大会に出ていられる、そうプラスに考えました。




どん底なら、迷わず上がって行くことだけを考えていられます。
そして、一度上がってみれば、その瞬間は気持ちも上がり優越感に浸れることも身をもってよく理解しています。




一方で、人は、守るものを作ることにより、弱さが生まれることを僕はよく知っています。
ミスを恐れ、中途半端な立ち位置を維持するために難しいトリックに挑戦しない、何年間も大会で出すトリックが変わらない、何となく予選を通れるくらいのポジションで自分を安心させている、過去の僕の姿はまさしくそれでした。




守り通すのにも限界は必ず来ます。
そんな微妙な居場所に何があるのでしょう?




無理やり意地で守り通した先に、そんなに上向きの未来はありません。
大会に出ることや、結果を出すことがたどり着くゴールではなく、あくまでも「上手くなるために」大会を利用させてもらえれば。    




今はそんな気持ちで臨んでいます。




旅に出る愉しさは、大会はもちろんですが、実際現場に足を運ぶことでしか得られない、掛け替えないひと時があります。
ご当地の美味しい食、旧友との再会、今回も然り流星のように過ぎ去るあっという間の記憶、しっかりと胸に刻み込みました。




足早に立ち去る僕の背後に、みるみるうちに離れていく熊本。
飛行機の窓から眺めた遥か遠くに沈む夕陽は、それはそれは切なく瞳に映るものでした。




次回は再会した懐かしい顔ぶれとのエピソードをご紹介したいと思います。
誠二君写真ありがとうございました。


















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収穫と破滅は紙一重

2024-02-25 17:05:59 | Weblog










2/24(土)
UCI BMX FREESTYLE WORLD CUP ENOSHIMA JAPAN




僕のここ最近の大会熱は自分でもどうしたのかと思うくらい不思議です。
ただ、良いのか悪いのか納得行くライディングの披露とは程遠いため 笑、出だすと「次こそは!」「前回よりはマシになるはず」と次への意欲へ繋がるのは間違いないです。




しかも、仕上がりのペースは確実に大会に出る方がスピードは早く、大会に出ながら作り上げて行くといったスタンスをキープしています。
また、これがここ数年で罹ってしまった病気なのか、一度大会で披露(メーク)した既出ネタをもう一度出す気はありません。




止まるのが怖い、トリックが変わらない、変えられないことが何よりも一番怖いんです。
早く大会でメークさせて次に移りたい、そんな気持ちでテーマを絞って迷わずそれに本番で挑む、それが僕なりの今一番楽しい大会での乗り方です。




去年あたりから他人からの評価や順位といった呪縛から解放され、それがすごく良い方向へ自分を導いてくれています。
一番旬なものに挑むのが当然一番楽しくもあり、出走後の爽快感は今回特に格別でした。





それを後押しするかのように、先輩からのお褒めの言葉もいただけ、尚更持ちネタに自信が湧いてきましたが、安心している暇はなく今からさらにペースを上げて行かなくては、と改めて自分に言い聞かせることも忘れずに。
ちなみに結果、順位としては33人中32位、何の価値もない他人からの評価としてはまあまあでしょう。




一瞬で終わって消える「メーク」という3文字。
残せるものと言えば動画だけ、それを追い続ける道。どう転んでも何の生産性もないのであれば、僕は刺激の多い道を走りたい、そう考えています。





刹那の晴れ間に、湘南の漣(さざなみ)もTWINKLEに輝いて見えた日。
大会の後、祭の後、楽しかったと思える素朴な気持ち、それが何よりの収穫です。





















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ライディング・サポートデスク

2024-01-21 23:35:52 | Weblog










自然になど逆らえないのは百も承知ですが、それにしてもよく空気や湿度に日々練習内容が左右されます。
ブレーキが利いてほしい場合、利いてほしくない場合、それぞれが共存、混在するのが難しく、でも、それこそがスキルの要求される部分でしょう。




年末あたりからこの時期特有の乾燥具合で、ブレーキの利いてほしいタイミングにおいて、ポイントがことごとく滑りスイッチの瞬間を逃すことが増えていきました。
そこで頭を切り換え、そんな情況を逆手にとりブレーキが利かない方が俄然調子が上がるものに絞ってみたところ・・




それが正解?だったのか、真冬にこんなに調子のいいライディングが毎日毎日続けられるとは・・
仕事が終わり夜だろうが気温が5℃以下だろうが完全に覚醒モード、ここ10年ほどそんな冬はなかったと思います。




というのも、何かにつけていつも定期的にできなくなる、往年のとあるトリックがあります。
初メークは25歳の時、あれから20年以上続けていながらにして、未だに初歩的な躓くポイントを行ったり来たり。




練習し始めた時期を振り返るなり、本当に悔しくなります。
それが1/4に、克服する方法を理論的にではなく、ある暗示をかけることにより、いきなり抜け出せたのです。




何度も調子を取り戻した、と思ってもそのペースは最長でも1週間程度だったのが、その1/4から現在進行形で今もなおいいイメージが維持できています。
最長記録はいつまで続くでしょうか?




そして、金曜日の晩に明らかにブレーキ音が変わりました。
一両日中に雨が降るサインです。




珍しく土日にわたる長雨。
空気はがらっと変わり、それに伴いブレーキがビタ利きを要するトリックの練習に切り換えました。




2日間山籠りし、徹底的に動画を撮りつつライディングの内容を検証しながら乗りました。
長引いた雨も漸く上がった日曜日の夕方、前回から大会に出しているトリックの通算5回目のメーク。




メークとは程遠い、ただなんとか無理やり戻っただけ、とは違う、今までで一番無駄のない動きで自分的には初の最もクリーンなメークです。
嬉々と動画を見直してみれば・・




核心の部分は収まっていますが、最後の最後でギリフレームアウト。
2日間の疲れがどっと溢れ、その場に倒れ込み天を見上げました。




初メークが2023/1/26なので、約1年間。
1年間やり込みながらメークが未だに5回だけ、相変わらずです。




ただ、即座に次の改善点が見えました。
スカッフ1回のところ、2回入ったらほぼ確実にフレームアウト、そこを修正していくというはっきりした課題が見え、同時にここからがスタートラインなのだ、ということにも気づきました。




追い録り機能を導入すればいい話かも知れませんが、どの道絶対的メーク率を上げないことには明日はありません。
週末も終わりを迎える頃、後れ馳せながら顔を覗かせた斜陽は、これまでの健闘を讃えてくれているかのように映りました。













P.S.
ライディングサポートデスク=誤
ライティングサポートデスク=正
練習の傍ら、いつも文字を訂正したくなっている自分に気づきます 笑




最後になりましたが、本年もよろしくお願い致します。













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人生観

2023-12-31 22:56:07 | Weblog












僕よりもずっと前から乗っており、今もなお乗り続け、僕の倍以上の練習をこなしている先輩にはリスペクトの念以外ありません。
僕がライディングをしていない時間、ライダー達と飲み食いしている時間、きっと今頃先輩は練習しているに違いない、いつもそう自分自身に言い聞かせています。




12/29の松戸、12/30の山梨と2日間を通じライディングの傍らいろんなお話を聞かせていただき、
その中のとあるタイミングで、ここ10年くらいの間で最も響く一言がありました。




今月の中頃、今年初めて休んだ




週7で乗っているというのは予てより重々存じ上げており、先輩がここまで果敢に日々乗っている事実を前に、僕ごとき弱輩がまだまだ一線を退くなんて烏滸がましいと常々考えていましたが、改めて凄まじい衝撃が僕の脳に迸りました。




僕の毎日と言えば・・ライディングはもとより、暮らしから仕事から駆け抜けるだけの日々。
寝たと思ってもすぐに目は覚め、大会に出ていなかった時期も関係なく何故か常に何かに追いかけられている感覚は変わらず、勝手に追い詰めているのはおそらく自分自身なのでしょうが。




とある好きな詩に、




逃れられない闇の中で
今日も眠ったふりをする





というフレーズがありますが、それはまさに僕の毎日を見透かされているかのように響きます。
そんな暮らしの中にも僕は週に1日はオフ日を意図的に作っているのですが、それ以外にも何かにつけて「守り」に入りたがる癖があります。




かたや先輩は連日連夜にわたる仕事に練習に大会にスクール。
ライダーとの宴も全力で楽しみ、夜明けと共にその足で仕事の現場に向かい、そのまま夜中まで仕事。




僕に足りないのはここなんだ




先の赤レンガ倉庫の時にも、先輩と話すなり身に沁みましたが、今回も然り、心が洗われるようでした。
全く同じ生活のペースは真似できないかも知れませんが、これからも走り続けるのみ、止まれないのが宿命なのは百も承知です。




忙しくもあり、その中に愉しさもあり、駆け抜ける生き方、憧れます。




持って生まれたこの命、燃やせこの世で思い切り。
明日の朝からライディングとの向き合い方、改めます。











P.S.
今年も一年大変お世話になりました。
来年もよろしくお願い致します。



それでは読者の皆さま、ライダー諸兄、良いお年を・・





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ハイリスク・ノーリターン

2023-12-25 23:20:28 | Weblog





これぞトリックの極意でしょうか、改めて再確認する運びとなりました。













12/23(土)
FLATARK@甲子園球場




先の東海バイブスにて一頻りこだわっていたトリック達を、不本意ながらもとりあえず最低限許せるところまで見せることができました。
そうなれば、大会で見せたいものは未発表のものしか残っておりません。




メークしたことが無いものは大会には出しません。
一方、大会のために妥協したライディングをした途端に乗ることが全く楽しくなくなります。




今年に入ってメークできたもの、毎日一番練習に時間を費やしているもの、それに真っ向挑むのが僕に残された大会へのモチベーションでした。
大会は、まずそこに照準を合わせた練習が、後になりすごくプラスになること、乗るか反るかの大博打に賭けるさすらいのギャンブラー的なロマンがあること、普段の環境では絶対に得られない大会ミラクルが舞い降りること、そんな魅力があります。




今回やると決めたのは、1/26に初メーク、9/1に2ndメーク、9/3に3度目のメーク、10/15に通算4回目のメークをしているトリックがあるんですが、5回目となる次のメークを大会本番で披露する気で日々足掻いていました。
とは言え、メーク率上げの練習と云いますが、メーク率とはメークできる人が初めて言える言葉です。




毎日乗っていようが、1回目のメークから2回目のメークまで8ヶ月、その間に身体も精神もおかしくなりました。
メーク率ゼロ、ルーティーンゼロ。大会にエントリーすること自体甚だ笑い話でしょう。




今にも消えてしまいそうな、気持ちの中にある灯火。
それでも微かな希望として、0.1%未満のメーク率が大会に挑むことで0.2%くらいにはなるはずだ、と日々言い聞かせていました。




そして、それら全て、運からも見離されるのもまた大会です。
ものの見事に無風の2分間は過ぎ去りました。




これで良かったんだと思います。
どんな結末になろうが、それをやるために東京から来たのです。僕は自分で決めた目標から逃げませんでした。




BMXを好きでいるため、大会を好きでいるため、後悔しないためにはこうするしかありませんでした。
大会で決まらなかっただけ、逆に決まってもただただ決まっただけ、トリックとは、特にフラットは本当にあまのじゃくなものです。




そもそも好きでやるものに見返りなんてものはなくて当然です。
それが続ければ続けるほど、そのリスクも大きく損失も重く自分自身にのし掛かってくるもの、数え切れない大切なものを失ってでも、それでも好き過ぎてやめられないのが、BMXの危険性です。




渾身の努力をし必死になんとかして手に入れる。
そして、その時それ以外全ての持ち物を失っている。




ハイリスク・ノーリターン




いいえ、国内屈指の理解者との最高のトークというかけがえのないリターンが、甲子園にはありました。
わかる人にだけ、わかればそれで良いんです。




お会いしましたみなさん、ありがとうございました。
Merry Christmas



















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ミスター・フリースタイラー

2023-11-29 23:04:06 | Weblog











11/25(土)
UMIKAZE JAM 2023




まずはお世話になった皆様へのお礼から言わせてください。
ライダーの皆様、運営スタッフの皆様、協賛企業様、協賛ショップ様各位、お陰様で大盛況となり忘れられない1日となりました。




この場を借りて深く御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。




続きまして、いつも通りライダー目線のレポートに移ります。
開催1か月を切ったあたりから、続々と参加表明の連絡をいただき、僕がお知らせをすると自ずとこうなるのか?笑 全国に点在する選りすぐりの個性派の名前が挙がり始めました。




オフィシャルには出ない、要は裏の?陰の?実力者の名前に日々テンションは上がる一方、滅多にローカルからは出ないライダーが遠路はるばる足を運んでくれるというトランス感で、夜も眠れずに日毎に寝不足は積み重なるばかりでした 笑




ただそれもまあ、諸般の事情によるドタキャンも一定数あるだろうと、落ち着いて情況を俯瞰しているうち、気がつけば早くももう開催前日となっていました。
仕事中にも地方勢からの到着メッセージは相次ぎ、ささやかなアテンドしかできませんでしたが、わざわざ遠くから来てくれたライダーをピックアップしたり、僕の中でのUMIKAZE JAMはその時もう既に始まっていたのです。




いざ当日、約5年ぶり?くらいのうみかぜ公園に着けば、連絡をくれたライダーがほぼほぼ全員予定通り来てくれているという奇跡が・・それプラス予想だにしなかった面々の登場。




宮田くん
西本くん
菅井くん
etc・・
この面子、同時に見れるのはこれが最初で最後かも知れません。




BMXフリースタイルってこういうものだぜ!




僕の言わんとすることを、言わずもがなライディングで表現するライダー達。
そうです、理屈なんていりません。ライディングにはライディングで応えるのが心意気。




簡単にできるベストトリックなんてものはありません。
何万回に1度でもできれば御の字、あまつさえ一生に一度きりのものになるかも知れません。




それに日々時間を注ぎ込む労力、同時に沸き起こる葛藤。
全てを捨ててそれに打ち込まなくては決して手に入れることはできない、そして、全てを捨ててそれに費やす価値があるのかどうか?




打ち込み始めた以上、もう後戻りはできません。
ただ、厄介なのは・・




大会があるからこのトリックも練習しておこう、時々そんな感情が湧いてくるのです。
志がぶれてなまじ中途半端にメークできるものに戻って気持ちを落ち着かせよう(持ち技のメーク確認)、なんて妥協した練習内容に移った途端に諸とも跡形もなく粉々に崩れ落ちます。




もともとそこにあった物までも失う、空虚感、絶望感。
そんな意味のない練習、いや、ただの確認作業?に手さえ付けなければ、こんなに自己嫌悪にも陥らずに済んだのに・・




いつも愚かな自分自身が恨めしくなります。
日々の目まぐるしい一喜一憂を経て、それでもやる価値を見極め全力で挑みにライダー達がこれだけ集まってくれている今、まさにこのひと時。


















やって参りました、15時、ベストトリック合戦です。
この場を前にしたら、僕もみんなと一緒に挑戦がしたい!
真剣勝負において手を抜くのは、この上ない非礼に値する行為だと考えています。




僕もこの場でまだ見ぬベストトリックを初メーク!と洒落込みたかったですが、そんなに甘くはありません。
それでも約10年前から練習を始めて、これでも今かなり上がって来ている方なのです。




そしてこの場を制したのは・・
うみかぜJAM第一回?ベストトリックジャム優勝の、




吉村“べっこ”知晃くん。




以前から僕がベストトリックジャムを開催しているのも、まさしく「こういう」ライダーのためと言っても過言ではありません。
普通の大会なら持ち時間は多くて3分、その時間内に披露するのももちろんドラマだと思います。




でも、見ている側ももっと見たい!と思う気持ちもあり、乗る側も求めるは「メーク」のみ。
見せたいものだけにテーマを絞り納得行くまで何度もトライできる、そんな環境が絶対に必要だと僕はずっと前から考えていました。




規模の大きい大会や、舞台の華やかな大会が犇めく傍ら、僕はこんなスタイルのJAMをこれからも続けて行きたいと思っています。
改めて、ありがとうございました。






















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海を越えた記憶

2023-11-15 23:50:32 | Weblog











11/11,12 OVER50’s JAM
@HARIMA BASE




去年に引き続き今年もお誘いいただきました。
まだ50歳未満ですが・・そうです、この面子を前にすれば僕などまだまだ若輩者なのです。




一年前の思い出は今でもはっきりと思い出すことができます。
あれだけ有意義な時間が過ごせたことを思えば、行くためにスケジュールはなんとしてでも調整する、もはや「行く」以外に選択の余地はありませんでした。













到着するなり楽しみにしていた顔ぶれは如何に?
ものの見事に関東勢は皆無。
そんなアウェイ感があればあるほど燃えてくるのは何故でしょう?




乗り出すなり・・本当にメンタルとは正直なものです。
いつもはひとりであんなにもがいている上に、不甲斐ない気持ちに暮れる帰り道。




以下、日々夜な夜な乗りに行ってはぼこぼこに打ちのめされ、流れる夜景を見ながら脳裏を渦巻く葛藤です。




「こつ」とは何故日替りでどんどん逃げて行くのでしょうか。
できなくなってきた時には一度初心に帰り、入りを低速からやり直すと再び安定する、それを信じ繰り返していても次第に違和感を覚え、果てはそのやり方でも一度は完全に入れなくなるまでに陥ります。




そんな時、やや速度を上げて入ってみると安定し、再び欲しい動き、感覚を取り戻せるようになるのです。
そこでいつも思い出すのは、もともとはこのくらいの速度で入ってなかった?という自問自答からの「迷子」へ。




今度こそ!掴んだ(と思った)感覚も長く持って3日間、4日目あたりから再びいつもの暗礁に乗り上げては見失って行く、故にいつまで経っても自信を持って「これが僕のスタイルだ」という確証が持てないでいるのが常です。




それが、ハリマの臨場感に後押しされ、ひとりでは約半年間見失っていたものが、何度も何度も戻って来ているではありませんか!
あわよくば、今日戻れるかも!そんなまだ見ぬ期待に溢れた回が何度も訪れ、周りのライダーからの嬉しい反応も相俟って「オレ、今、上がってる!」そのトランス感も久しぶりでした。




また、こういった集まりには大概撮影班に回るライダーがいるもので、カメラを向けられれば俄然調子は上がる一方、そして特筆すべきは。
海外勢のひとりが、僕のところにやってきて、




I Remember!



なんと、その昔2004年に行われたマレーシアでのASIAN X-GAMEにて、現地マレーシアで僕のことを見ていた、という嬉しいコメントをいただいたのです。
次から次へともうお腹いっぱい、そこにとどめを刺すかの如く宴会?親睦会?座談会?が待ち構えています。




宴会は19時からスタートです。
その乾杯の音頭には絶対に顔はださなくては!そんな嬉しい気持ちの鬩ぎ合いで、ライディング終了したのは宴会スタート1分前。




合宿1日目のライディング時間は約6時間。
ぎりぎり滑り込んだ座敷に着けば、そこからは楽しい宴の始まりです。




乗る者同士しかいない空間。
なかなか過激なトークにも花が咲き、到底公開できる内容ではありませんが、明け方にまで及ぶライダーラプソディー、それもこれもみんな、この場でしか得ることのできないプライスレスなひと時。




仮眠程度の浅い眠りに就いた?かと思いきや、取り憑かれたように7時には起床、8時からライディングスタート。
そうです、僕はみっちり乗り倒すために今回ハリマまで来たのです。



















帰り間際の直前まで4時間、2日間で合計10時間乗りました。
そんな夢の時間も、刻一刻と終わりは近づいてきており、お会いしたみなさんにお礼を告げ、切なさ、淋しさを振りきるように帰路へ就きました。




バックミラーに映る景色は、みるみるうち遠く離れ見えなくなります。
あれは幻?いいえ、今日の航海も心にしっかりと刻み込んであります。




2日間お世話になり、ありがとうございました。
来年の開催も楽しみにしています。


















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目覚めの良い金曜日

2023-11-05 00:28:24 | Weblog




ブレーキレバーはやはりベストセラーであるtech77をずっと前から信頼しています。
僕のマシンの特徴としてバーの幅が狭いことに定評がありますが、これは紛れもなくカウボーイ戦闘仕様です。















その昔、こんなポジションが平均レベルだった時代もありましたが、今となっては僕の周りにこのスタイルは皆無、ひとり取り残されている状態です。
ただ、こだわりとはそういうものではないでしょうか?




この幅が狭いポジションが生む影響として、グリップが著しく短いため77純正ののレバーではグリップに対してやや長く感じるのです。
そこで、それこそ10年ほど前からでしょうか、レバー本体のみを、いくらか短めな往年の男気に移植しています。

















ブラケットとレバー本体の接地面を擦り合わせどうにか機能と最低限のタッチは補填していますが、やはり所詮他メーカー同士の無理な組み合わせには変わりはありません。
やがてブラケットとレバー本体を介する樹脂製のワッシャーが擦りきれ消失、これは純正の組み合わせでも経験ある方も多いと思われます。




樹脂製のワッシャーには内径に立ち上がりが施され、それが支点となるボルトとレバー本体の孔径とのスペーサーになっているため、それが失くなってしまった以上当然レバー本体を動かす支点もずれ、挙げ句の果てにはブラケット本体もひどく開いてしまい、ブレーキを握るたび不規則な遊びでレバーは四方八方にずれまくりのやりたい放題でした。




ブレーキのタッチが気持ち悪いとどうしても乗る気が起きない、そんなライダー人情お分かりでしょうか。
そこで、金曜日は朝からレバーを全てばらし、洗浄からスタート。



まずは開いてしまったブラケットにワッシャーをかますところから始めましたが、77純正では樹脂製のワッシャーです。
製作サイドの考えもあるのでしょうが、今回僕は耐久性を考えステンレスのワッシャーを入れてみました。




続いて、支点となるボルトとレバー本体の孔径の遊び埋めには、アルミ缶を細切れにしボルトに巻き付けてスペーサー機能に。
アルミのパイプ等も考えましたが、レバー本体の孔加工が使用頻度による経年劣化で楕円になってしまっているため、パイプではうまく馴染みません。





朝からじっくりと贅沢なひと時。
これにていよいよ上下方向、軸方向、すべての遊び埋めが完了、気になるタッチは如何に?





なんと!これぞ関東タッチが見事に甦りました。
文句なしのカチッカチ。




その日1日ライディングしましたが、ステンレスワッシャー、アルミ缶細切れスペーサーでも何も問題なし。
寧ろ、快適なタッチを取り戻しモチベーションアップにもつながりました。




古きを温ねて新しきを知る、と言いますが、この樹脂製ワッシャーから、もっとこうした方がいいのではないか?といった様々なヒントが浮かんで来ました。




新品のパーツをただ付けるだけなら簡単です。
乗り続けているうち○○がへたってくるため、○○をこう加工してみる、○○なセッティングが必要、その辺りの要求をするのが僕らライダーの本音です。





















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