腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

無限回廊-序曲-

2017年06月20日 | PS3ゲーム感想文
【ハード】PS3
【メーカー】SIE
【発売日】2008/3/19
【定価】1851円
【購入価格】0円(DL版 無料入手)
【プレー時間】10時間くらい

6年前……だったかなぁ。PSNで大規模な情報漏洩事件が発生、世界中で何百だか何千万人分だかの個人情報が流出した、らしい。
アノニマスの仕業だったかなぁ。ごめんよう分からん。俺個人の被害は(多分)なかったし。分からんから怒りようもない感じ。
いや、長期間PSNを使えないという損害はあったな。でももう忘れた。消費者なんてそんなもんよ。チョロいよね、ホント。
しかしハッキングをやる奴がいるのは分かるが、大企業が攻撃を通してしまうのが分からん。そんなに簡単なものなの? 腕前の差?
そしてそんなことやったら絶対に証拠ログが残りまくりだと思うんだが、逮捕されないの? ヒットマン雇われてもおかしくないよ。
うーむ。まぁいい知らん、分からんものは分からん。んで結果として客に大迷惑をかけたソニーは、「ケジメ」を取らされた。
と言うと大袈裟だな。詫び石ならぬ詫びゲーを配らされたのだ。当時現役だったPS3とPSPで、2本ずつ。確か選択性だったはず。
俺は大して怒っちゃいなかったが、ゲームくれるとなれば当然貰う。貰えるものは何でも貰う。タダゲーは至高の価値を持つ。
PSPでは「勇者のくせになまいきだor2」と「パタポン2」を貰った。この2本は既にプレーし、タダゲー万歳感を堪能した。
……しかし、PS3での2本は未だ手を付けていない。それはずっと気にかかってたんだが……気付けば6年。ったく、やれやれだ。
先日、極めてきまぐれにうち一本を起動した。起動=開始である。そして開始=プレーする、である。始めた以上、やるしかない。
てわけで、「無限回廊-序曲-」である。デジタルデータは何も変わらず、ずっと俺を待ってくれていた。……ごめんな……。

今作は、PSP版も存在する。PSP版は「無限回廊」で、PS3版は「無限回廊-序曲-」であるようだ。……何か変なことするなぁ。 
んで俺はPSP版の体験版をやったことがある。何となく落として何となくプレーした。従って、基本ルールは概ね把握していた。
今作のジャンルは「騙し絵パズル」とでも言おうか。公式には「錯視パズル」と命名されている。恐らく他に例がないジャンルだ。
騙し絵……有名なのは上り階段4つと通路4つを繋げた絵だろうか。物理的には絶対にあり得ないのに、見た目に不自然さがない。
人間の目というか認識のあやふやさを絵で表した、面白い芸術だと思う。古くからある概念ってのがまたいいよな。
今作は、それをゲームに生かしている。ゲームの舞台は「回廊」だ。何もない真白い空間に、黒線で回廊ステージが描かれている。
その回廊を自動で歩く人形がいるのだが、パッと見では各所が通行不可能で完全に詰んでいる。が、ステージは3次元空間なのだ。
そこでステージを「回す」と? ……「平面」での見え方も当然変わる。するとステージも今までと全く変わった姿になるのだ。
例えば、ひとマス分の道が途切れているとする。そのままでは人形はそこを歩けず引き返してしまうが、そこでステージを回す。
そしてその途切れを、上手く「隠して」しまうのだ。つまり平面的には道が繋がっている(途切れの存在が見えない)ようにする。
そうすれば、今作ではそれが現実となる。人形は途切れを無視して歩いて行く。平面の見え方が真実となるゲームとでも呼ぼうか。
説明が難しいが、やれば一発で分かる。非常に斬新だが、複雑なゲームでは全く無い。万人向けだとも思う。面白さも十分ある。
……けど過去の俺は、体験版の時点でプレーを終えていた。PS3版が手に入ったなら速攻やってもいいのに何故だ? 思い出せん……。

……それは、今回プレーを開始してすぐ思い出した。あーそうだ、こういうゲームだった。内容ではない。操作性だ。
このゲーム、操作性が非常に悪い。ある程度意図してそうしているのかもしれんが、「思い通りに動かせない」こと甚だしい。
ゲームの目的は、歩く人形を、ステージに幾つかあるエコー(チェックポイント)に導くことだ。全てに到達すればクリアーとなる。
人形は自動で歩く(停止と加速の指示はボタンで出せる)ので、プレーヤーがやるのは専らステージ操作である。
しかしその操作性が悪い。まずステージの「回る」速度が遅い。これが全ての基本なのに遅いから、非常にイライラする。
デフォルトで遅くても、R押しながらだと速くなるとか、幾らでも手はあるだろう。なんでこんな仕様にしてるのか理解できん。
そしてもう一つ、「合わせ」がやり難いのも困った。説明が難しいが……途切れている通路と通路を視点移動で合わせることである。
平面の見え方が全てな今作では、立体の通路を視点変更で上手く繋げれば、そのまま道として通行可能になる。重要テクニックだ。
しかしそれには道と道がちゃんと繋がらないと、具体的には上手く重ね、区切りの「線」が消えるようにしないといけない。
線が消えればゲーム的に「繋がってる」と認識され、通行可能になる。そうでなければ厳然と分断判定され、人形は引き返す。
その道の結合、線消しに非常に微妙な操作を要求されるのだ。アナログスティックをちょんちょんと。別に不可能ではないけど。
今作は基本パズルゲームであり、道の結合等を発想・発見するのが肝だ。結合自体に苦戦するのはどう考えてもおかしい。
一応そうした操作を補助するボタンもあるんだが、これが機能したりしなかったりでよう分からん。ここ一番では使えない。
色々試行錯誤するパズルなのに、その動作がいちいち快適ではない。故にゲームにハマれない。うーむ……。

そんなわけで、体験版での悪感情をを思い出した。が、今回は体験版じゃなく「本プレー」だ。投げるわけにはいかない。
まぁ一つ一つ順番にやっていくべや。チュートリアルを終え、本格的に開始だー! ……で、またよう分からなくなる。
タイトル画面にメニューが並んでいる。

・box  ・cloud  ・try it ・infinite  ・etc. 

……で、和訳なし。あん? どれがどういうモード?
実際選んでみても、どれも普通にステージが始まる。違いが分からん。これ、SIEジャパン制作の日本ゲームのはずなんだけどなぁ。
ゲーム中のナレーションが外人なのは別にいいが、メニューまでこれってどういうことよ。非常に不親切だし、不快だった。
今作は九州大学の学者さんが中心になって作られたらしいが、そのせいかどこか「意識高い系」の匂いがする。「系」だ。
極めてシンプルな画作りや弦楽器一択のBGMはそれでいいが、必要な説明くらいちゃんとしろってんだ。ったく。
取り敢えずboxを選ぶと、更に「user」「matrix」「factory」と出た。……? 洋ゲー作りたいならあっちで作れや……。
どうもuserは公募ステージ、factoryはコンストラクションモードのようだ。多分。……うーん、これは、いいか。
今作に限らんが、俺はユーザー作成モードには興味がない。あくまで製作者の用意した「挑戦状」を受けて立ちたいのだ。
んで今作でのそれは、matrixモードのようだ。A~Gのランク別に8面ずつ、つまり7×8で全56面が用意されていた。
トロフィーもこのモードだけが対象のようだ。ちなみに今作は配信当初はトロフィーがなく、後にDLCとして追加されたらしい。
古い安価枠だからプラチナはないが、まぁやるしかなかろう。ゲームルールは把握した。あとはゲームに負けなきゃいい。
個別に56面をクリアーするのと、A~Gを1コースとして8面一気にやるモードあり、それぞれクリアーする必要がある。つまり最低2回。
把握した。後はやっていくのみ。……パズル、だよな。また目から汗が迸る後半が待っているんだろうなぁ……。

ふむ。最初こそ、操作性の悪さもあり「これ斬新だけどつまんねーな……あーあ」と思ったが、やってるうちに徐々に乗ってきた。
ステージをグリグリ回し、「あ、これだ!」という平面に気付いた時は、結構な快感がある。今作ならではの面白さだ。
本当に不思議なゲームシステムである。「行けるわけないだろ」な所へ、視点を変えるだけであっさり行けてしまうのだから。
そうして「不可能を可能に」し、次々ステージを突破していく。今作は「神ゲー」である。……プレーヤーの立場が神ってことな。
先に書いたが人形は自動で移動する。平面上で何もない場所に落ちると消えてしまうが、その場合拠点から再開となる。
人形の死(?)にペナルティはなく、何度落ちても問題なし。ただステージには時間制限があり、越えるとそこでゲームオーバー。
解き方さえ分かれば1分程度で終わる面も多いが、そこはそれ、それなりに悩む。そしたら5分や6分はかかる。なかなか大変だ。
それでもどん詰まりになることはなく、割と順調に進められたんだが……進めるにつれ、ゲーム性が段々嫌な方向に変わっていった。

今作は騙し絵パズル、立体を操作し都合のいい平面を作ることが肝であり面白さ……なのだが、最も大事なのは「ジャンプ」である。
今作に仕掛けは殆どないが、2つだけ、「穴」と「ジャンプ台」が存在する。それぞれ道に配置してあり、人形が触れると動作する。
このうち「穴」の方は分かり易い。触れると人形は垂直落下するが、今作の法則により、下に平面上の地面があればそこに着地する。
穴は「真っ直ぐ」なのだ。しかしジャンプ台は違う。人形が触れると、放物線を描いてジャンプ(というか吹っ飛ぶ)するのだ。
放物線である。曲線を描いて人形は飛ぶ。……この軌道を今作のルールで予想するのがかなり難しいことは、想像出来るだろうか。
騙し絵システムや穴は、直線的だから把握しやすい。けどジャンプはそうはいかない。これを適切に扱うのは相当な慣れが必要だ。
そして今作は、中盤からジャンプ要素が増える。ステージ難度の中心がジャンプ操作になり、騙し絵要素は隅に追いやられる。
難しく苦戦するのは、ジャンプ台の扱いばかり。狙った位置への着地に必要なのはアナログな操作であり、思考や閃きではない。
ジャンプ台にも騙し絵要素はあるが、その在り方は今作の本質から外れている気がしてならない。なのにそれがゲームの中心になる。
「これは違うんじゃないか」という違和感が最後まで抜けなかった。徐々に難しくするには、こうするしかなかったんかな……。

あと、今作はパズルなのに、「決まった解き方」がない。非常にアドリブ性が高く、プレーヤー毎に解法は違うと思われる。
これはまぁ、自由度が高くて良いとも言えるが……「思考寄りパズルゲーム」としてはどうか。これでいいのか。
俺は全面クリアしたが、どうにも「製作者との知恵比べを堪能した」という気になれず、「ええんかなこれで」という違和感があった。
製作者が「見つけてみろ」と隠した視点や繋げ方を試行錯誤の末に発見し、悦に入る……そんなゲームを期待していたんだけどな。
ジャンプ台がゲームの中心になってからは、よりその傾向が強くなる。扱い方次第でとんでもない位置に行けたりもするからだ。
解き方が色々ある今作では、「まぐれ」もまた多発する。たまたま道が繋がったり、思いがけない場所に着地したり。
人形がジャンプした後に視点をテキトーに回せば、どこに着地するかは誰にも分からない。それで好結果が出ればラッキー、とか。
そんな攻略法も無くなはい。まぐれが絶対ダメと言う気は更々ないが、パズルゲームとしてはやはり違うのではないかと思う。
意外と「キッチリしてない」ゲームだった。俺としては、もうちょっとこう、クリアーでドヤ顔をしたかったなぁ、と……。

解き方が一つではないこともあり、今作は意外と難度が低い。少なくとも、思い出すだけで脂汗が出る難関パズルゲー程ではない。
ジャンプ台の感覚を掴むまではやや難儀するが、それが出来れば、後は結構サクサク進んだ。詰まりもするが、どん詰まりはない。
先に進めばステージが当然複雑化するが、今作の場合線が増えて見難くなるので、やってて目が疲れてしまった。
拡大縮小くらい用意してくれればいいのに。だが複雑化もそう極端ではなく、ちょっと難しいジャンプを要求される程度だった。
そもそも今作では「難しいステージ」は作れないんだと思う。視点を回すだけで状況が激変し、製作者の想定を越えてしまうから。
全てを想定したステージを作るとなると、延々完成しないだろう。今作は「不思議ゲーム」であって、パズルじゃないのかもしれん。
そんなわけで、手応えは微妙ながら、全56面を個別・コースともにクリアー。目的達成、俺の勝ち! ……多分。
ちなみに、最終のGコースよりその一つ前のFコースの方が難しかった。まぁそれもプレーヤー毎に感じ方が違うだろうけどな。
回し方次第でほんま難度が激変するゲームだからな。なんちゅーか「3D才能」がある人なら、非常に簡単なゲームだと思う。
3D空間を適切に把握する能力……欲しいよなぁ。どんだけゲームに役立つか。いや今作にはさほど必要ないけど。はー……。

グラフィックは、とにかく線画。完全白黒で、他の色はメニュー画面でも一切出てないのではなかろうか。味があっていいと思う。
音楽は、先述したが、弦楽器中心。種類は知らん。クラシカルで高尚な雰囲気がゲームに滲み出ていていい感じだ。
グラフィックも音楽も、雰囲気に合っていて、かつプレーを邪魔しない、理想的な仕上がりになっていると思う。
今作に世界設定は何もないが、ある意味完璧に出来ているとも言える。小規模なゲームならではの、隅々まで行き届いた気配りだな。
シンプルイズベスト……が常に正しいとは思わんが、シンプルでいい作品になら当て嵌まるだろう。今作はそんな感じだ。
そんな長い時間ではないが、不思議な世界に十分浸れたと思う。無限回廊の出口を俺は抜けられたのであった。多分……。


ふぅ。6年前の心残り(2/3嘘)をやり遂げられた。よかったよかった。……たまにはトラブル無きクリアーもいいだろ。フン。
今作の最終トロフィーは、レア度1.1%だった。結構なものだが、これは難しいと言うより、そこまでやる人が少なかったんだろう。
正直やっててグイグイ引き込まれるようなゲームではないからな。寧ろ操作性の悪さに辟易し、投げ出す可能性の方が高い。
取り敢えずクリアーできて良かった。……公募問題が残っているが、それはそれ、で。多分もっと難しいだろうしな……。
今作は後に「時限回廊」という続編が出たらしい。つってもシステムは全然違っている。騙し絵パズルは今回限りだと思われる。
まぁそれでいい。今作は一発ネタだ。一発ネタと言うと聞こえが良くないが、悪い意味じゃない。斬新で面白いネタだったよ。
比類なき「新しいアイデア」がこれからも生まれてくることを願って終わり。斬新なゲームはそれだけで正義だからな。はい。

……ちなみに。「無限回廊」でググると、凶悪殺人事件の紹介ページが上部でヒットすると思う。無論、今作とは無関係だ。
で、実は俺、あのサイト大好きなんよね。俺は年に1回か2回、無性に凶悪殺人記事を読みたくなる時期があるんだよ。……ひぇー。
我ながら本当に悪趣味だと思うんだけど、間違いなく「面白い」からなぁ。ううう。人に言えるもんじゃないなこれは。
今はそのモードに入ってないから無限回廊を読み返す気はないが、今作をプレーして、そろそろかなとか思ってしまった。
うう。「無限回廊」て字面、怖いよなぁ。エンドレスループ。終わりなき繰り返し。出口? その先にはまた広がってるんだよ。
……何か気が沈んできた、やめやめ。無限なんてない、世界は有限さよ。……そう、有限の中で繰り返し、さ。死ぬまで、ね。
ひぃいいい。はぁ。









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