とらばいゆ、B級女流棋士の運命は・・

2007-12-22 00:00:09 | しょうぎ
ec9b0d49.jpg自宅にビデオとDVDと二方式が混在しても使い勝手が悪いので、とりあえず、以前、ケーブルテレビで配信された映画をビデオに録画していた在庫を少しずつ観て、片付けている。

『とらばいゆ』というのは、トラバーユみたいなもので、女性OLの転職物語かな・・と思って再生を始めると、いきなり将棋連盟の対局室のシーンが現れる。銀沙の間とか高雄の間とかあって、一部屋一日1万数千円で借りて将棋大会を開いたことがある。ロケ隊もきっちりと代金を払ったのだろうか。そして、対局しているのは全員女性棋士。女流名人戦B級リーグ戦。同時対局の中には、姉妹棋士である本城麻美と本城里奈がいる。今期不調の姉の麻美は、また負けてしまい、徐々にC級リーグへの降級が近づいてきた。一方、妹の里奈はA級への昇級が近づいている。

ところで、なぜ、こんなビデオがあるかというと、主演が瀬戸朝香さん(現在31)であること。2001年の作なので、公開当時は24才。僅かにファン。ところが、この映画では、負けの込んだ、後のない女流棋士という役柄上、常に表情は険しい。そして大手商社マンの夫と、夫婦喧嘩が絶えない。結婚して、家事を押し付けられたから負けが込んできたという、本当のような、八つ当たりのような理由で、特に対局の前後には、家事を放棄。結婚後、勝率が下がった、という数字的根拠まで登場する。喧嘩の中で、「女流プロは稼ぎが少なく、トップ棋士以外はアルバイトでしのいでいる」というようなセリフが飛び出し、昨今の女流棋士分裂騒動の遠因が感じられる。

そして、高給商社マンと結婚したために、将棋に対する情熱が落ちた、というような、正しいような正しくないような分析のもとに、C級へ陥落したら離婚する、と言い出すわけだ。そして、陥落のかかった最終局は妹との対局という設定である。

一方、妹の方は、シーズン毎に彼氏を取り替える多情さで、現在、売れないミュージシャンと同棲中。こちらは、最初から「家事はまったくできない」とウソをついて、彼氏にすべての家事を押し付け、将棋は好調でA級が近い。ところが、元カレとの二股交際がばれそうになり破局寸前。こちらは市川実日子さん(29)が演じる。

どちらのカップルも崩壊に向かい、そして姉妹対局の日が近づく。

ところが、新たな外部ファクターが発生する。大手商社マンが左遷となり、ジャカルタ事務所長として赴任することになる。部下ゼロ人(ちょっと極端だ)。そして、成田発の飛行機は姉妹対決の日の夕方発である。対局が遅くなると見送りにはいけない。

そして、ここで、商社マンは奇策に出る。妹に会って、片八百長を頼むわけだ。負けてくれないと、離婚されるので、なんとか・・対価は払えないけど(とは言わないが)。こんな裏取引ばかりしてきたからインドネシアに飛ばされたのだろう。もちろん断られる。ばれたらクビだもんね。

そして、最終局は長手数になり、秒読みが続き、結末がつくのは午後6時に近づいた頃。もちろん成田のことなど頭にないわけだ。

ところが、対局で疲れきった麻美が帰宅すると、まもなく成田から舞い戻ってきた商社マンが現れる。対局の結果が心配で・・ということ。そして、夜、商社マンは実はアマチュア初段であることを隠していたことがバレ、女流B級棋士と対局することになる。そして平手では無理だったか、と言われてしまうわけだ。


そして、全体としてはハッピーエンドで終わるのだが、そのきっかけが、夫の左遷と降級を免れた最後の1勝というのが、冷静に考えれば、やや寒いところである。


ところで、これを書くのにキャストを調べていると、実在の女流棋士姉妹、中倉姉妹が出演していたようだ。ちょっと見逃してしまった。さらに出演者リストの中に瀬川昌司(追記参照:昌司は誤記載。正しくは出演は瀬川晶司さん。つまり現棋士ということ)という名前があった。現在、プロ棋士に滑り込んだ瀬川四段と同姓同名だ。というか、本人が出演していたのだろうか。思い出すと、妹の元カレの奨励会員に、メガネをかけるとよく似ているようにも思えるが、どうだったのだろうか。別途、映画界で瀬川昌司という人名を探すと、映画監督に同姓同名がいることがわかったが、映画監督が、役者として他の監督の作に出演することなんかあるだろうか?ちょっと考えにくい。やはり棋士の方が出演したのだろう。

さらに、この映画の主演の瀬戸朝香さんだが、左利きだ。実際、棋士には左利きが多いのだが、駒を指す手つきは様になっている。が、彼女に限らず、どの出演者とも対局シーンで気になったのは、指した後、駒をトントンと直すこと。加藤一二三先生と同じだ。

そして、瀬戸朝香さんだが、実生活では、新婚3ヶ月だ。しかし、『とらばいゆ』で夫婦喧嘩のセリフは大量にインプットされているわけだ。「結婚してから出演作が激減してしまった」と本当のような、八つ当たりのような理由を並べ、早めに別れてしまえばいいのだろう。


ec9b0d49.jpgさて。12月8日出題分の解答。

▲7八銀 △5八玉 ▲4七角 △4八玉 ▲3九角 △3七玉 ▲2九角 △3六玉 ▲3七飛 △同玉 ▲9七飛 △3六玉 ▲3七香まで13手詰

初手▲7八銀に対し、△同玉は▲6九角 △8八玉 ▲5五角と長距離砲が飛び出す。三手目▲4九角と下から打って、△4八玉 ▲3七角 △3九玉に▲2七角で詰んだと思った瞬間に△9九香成と飛車を取られる。正解は▲4七角と上から押えて、一旦△3六玉と逃走寸前状態に追ってから飛車を捨て目障りな香を取り、下から串刺しにする。

最後のダイナミックスさが主眼である。


今週の問題だが、年末で皆様超多忙のことと推定し、実戦型&30秒将棋でも詰むように易しい問題。

わざわざ盤や駒や、あるいはパソコンとか持ち出さなくても解けるはず。

いつものように、最終手と手数と酷評いただけば、正誤判断。

初出後、受方変化2手長手余り発見、微修正(今度は微非限定発生)

追記:本文中、出演者、瀬川昌二と記してしまったのですが、瀬川晶司の誤りです。つまり、現四段が出演していたわけです。映画の中で登場する元カレの役だったわけですね。

ec9b0d49.jpg


















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インドネシア ジャカルタ 市川実日子 女流名人戦 ケーブルテレビ
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2 コメント

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Unknown (せがわ)
2008-01-11 18:08:18
瀬川四段は瀬川「晶司」さんであって、「昌司」さんではないですが、その映画に出演されていたのも「晶司」さんでした?
晶司さんなら珍しい名前なのでほぼ間違いないのではないかと思いますが……
Unknown (葉一郎)
2008-01-28 10:37:57
せがわさん
再確認したところ、晶司さんでした。追記で修正しました。
つまり現棋士ということですね。

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