実戦型詰将棋について

2010-02-27 00:00:26 | しょうぎ
本来は、元女流強豪棋士が棋界に復帰しようとしたものの、“とおせんぼ”を食らって、棋界有力者が静かに怒りの杯を傾けているという噂の真偽とか、今後の展開予想とか書けばいいのかもしれないが、よく知らないのでやめておく。

jissen5詰将棋の本。

パワーアップ詰将棋5手詰(高橋道雄著)。

あまり短手数の詰将棋は作っていないので、最近よく取り組みはじめた。別に、近い将来に詰将棋本を出版する準備じゃない。

短手数はよく同一作とか類似作になるので、あまりやりたくないし、短手数で独創作を作るのは、かなり難しい。まあ参考までにということ。

本のテーマは、

「実戦!」臨場感たっぷりの構成で、大会前のトレーニングや詰みの訓練に最適。オール5手詰め202問。

ということらしい。

が、202題の半分は朝の通勤で解いて、残り半分は夕方の帰宅中に電車の中で解けてしまった。実際には、ほとんど見ただけで考えることがなかった。

というのも、たぶん、それが実戦形ということなのだろうか。

個人的に思っているのだが、「実戦型詰将棋」というのをいくら解いても、将棋は強くならないような気がする。将棋の基本が読みだとすると、実戦型でない詰将棋の方が、先入観なしで読まなければならないので、身に付くような気がする。

逆に言えば、実戦形で詰みがある場合、その場面に到達するかなり前から、「その形に詰みあり」ということを数秒の思考で見ておかなければならないのだろうから、そもそも実戦5手詰めに苦労するような人は、“初段にはなれない”、と断言できるのかもしれない。


さて、2月13日出題作の解答。



少し解説がややこしくなるので、途中図ごとに区切りをつけてみる。

まず、初型から、
▲3三馬 △同香 ▲2一金 △同玉(途中図1)。

初見で持駒不足が感じられ、馬を3三に捨てて、6一の金を拾う筋とまでは見える。そして、▲3三馬に対して2二への合駒を読むわけだが、銀以外の合いなら、▲2一金 △同玉 ▲6一飛成まで。2手目が△2二銀合ならば、、▲2一金 △同玉 ▲6一飛成 △3一合 ▲同角成 △同銀に▲1一馬と突っ込んで詰む。

ここで、なんとなく、▲2一金 △同玉 ▲6一飛成という筋が頭に残ることになる。

3手目に▲2一金を打たないで▲6一飛成は、△2一金打で詰まない。しかし、早くも持駒がなくなる。そして、問題の5手目になる。



▲6一飛不成! △2二玉 ▲3一角成 △2三玉 ▲4一馬(途中図2)。

突然の「不成」。実は、この段階では、なぜ「不成」なのか明らかにならない。理由は後述となる。簡単に言うと、一度成った駒は、「不成」に戻れないから。この構想は、遠く江戸時代に遡るわけだ。そして、このまま行くと、持駒不足となるので、ここで▲4一馬と小技を繰り出す。

△3二歩 ▲同馬 △同玉 ▲6二飛不成(途中図3)。

合駒請求。歩合以外は早詰。ここに歩が打てるように作者(私)は初型の3二に歩ではなく香を配置している。馬と一枚の歩を交換したあと、狙いの一手である▲6二飛不成が実現する。

もし、飛車が成ったら・・



玉型に妙手がある。△5二歩(失敗図1)。いわゆる捨合い。この手でどうしても打ち歩詰めに追い込まれる。仮に生飛車のままなら、この△5二歩も▲同飛不成という応手で解決する。

だから、この玉方の△5二歩が見えないと、5手目に遡って▲6一飛成で23手詰になるはず。もちろん不正解である。

あとは、どんどん進む。

△4三玉 ▲5三歩成 △同玉 ▲6三歩成 △4三玉 ▲5二飛成 △3四玉 ▲3五歩 △2三玉(途中図4)。

途中の△4三玉でいきなり▲2三玉と逃げると、本筋と同様のコースを辿り、変化1図のように早詰めになる。



玉を右に追い出し、最後の収束に入る。

▲1四金 △同玉 ▲1二竜 △1三合 ▲2六桂まで27手詰。

動く将棋盤は、こちら



sankozu今週の問題は、本日のお題のような実戦形にしてみた。

まず、参考図として、有名な形。



言うまでもなく、

▲2二桂成 △同玉 ▲1三角 △2一玉 ▲1二銀 △同玉 ▲3一角成までの7手詰め。実戦形の一つのパターンである。

作者(私)が作ると、そこに主張が入るのだが、いくらなんでも一題じゃ軽すぎると思うので、二題並べてみた。



わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (蛇塚の坂本)
2010-02-28 17:54:16
第1問○○●まで○手詰み
逆モーション上と見せかけて・・・
第2問○○●までの○手詰み
詰上がりが、旗の絵に似ているがきのせいかな
Unknown (おおた葉一郎)
2010-03-01 06:31:10
坂本様
正解です。
第一問は、4手目の変化の見極めですね。
第二問ですが、何かに似ているような気がしてましたが・・気のせいでしょう。

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