竹中大工道具館(新館)へ

2015-08-23 00:00:05 | 美術館・博物館・工芸品
昨年の6月8日に「竹中大工道具館(転居前)」という記事を書いて紹介したのだが、竹中工務店ゆかりの神戸の県庁近くにあった旧館を建てなおして、新神戸駅のそばに新館でオープンするということだったのだが、ついつい時間が過ぎてしまい、つい最近、足を踏み入れることになった。

まず、新神戸の駅前だが、道が複雑ですぐ目の前に行くのが難しい。自動車専用みたいな道や、駐車場の中が歩けなかったりしそうで、安全第一で大回りした結果、大汗をかいてしまった。が、建物の中は冷房が効いていて大変涼しい。というのも、展示階は地下になっている。

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この辺で、なんとなく感じたのだが、竹中工務店といえば、例の2500億円事件で、とりあえずボツになった新国立の受注会社だった。そして審査委員長は安藤忠雄氏。一方、この建物は地下博物館だが、そういえばベネッセ直島にある地中美術館は安藤氏の作品だ。しかし、まさか社内に無数に設計士を抱える大建設会社の建物を外に外注するわけはないだろうと思うし、安藤氏の名前はどこにも出ていない(といっても別の竹中の施設の設計は行っているようだ)。

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しかし、建物の底の部分から上を見ると、天井空間の一部に空が見えるというのは地中美術館と同じではないだろうかと感じてしまう。

こういう、なんとなく不思議な感じは、実際には不思議ではなく、合理的な理由が隠されていることが多いのだが、深く考えてはいけないような感じも漂うところである。

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展示については、旧館は狭かったことで様々な展示品がランダムだったように感じるが、今回は見やすかった。とくに欄間のようなこった形状については、秘伝の教科書があって大工はそれをみて研究するということは初めて知った。だから、同じようなものができるのだろうと、今頃わかった。

なんとなく思うのだが、旧館は大部分を大工の手で作ったのだろうが、新館では大工の出番がなかったのだろう。

そしてここには、外国人観光客はいなかった。ガイドブック未掲載か。