早売りの模型雑誌の記事にて、HGUCでジェスタとジムⅡが発売されることが判明しました♪ 今年はものすごい勢いでジム系キットが充実してきていますねぇ! この勢いでジム・スナイパーとかジム・スナイパーⅡとかジムキャノンも…と思ってしまいます(笑)。
ジムとは関係ないですが、MGガンダムサンドロックEW版にも期待しています。あと、「ガンダムAGE」版ジムというべきジェノアスのHGキットも出来が良さそうで…。
さて今回は、前の記事のラストで予告した「HGUCパワード・ジム系キットの上腕を短縮してひじ関節付近の間延び感を解消する方法」です。HGUCのジム系キットをミキシングビルドしてガンダムver.Kaを作ろうと目論んでいた時、パーツ選定のため「月刊モデルグラフィックス」誌2010年11月号のジム特集を読んでいました。その特集の各作例で行なわれている改造を試してみたところ、簡単で非常に効果的ということが分かりました。
ただ誌面の都合のためか、記事では省略されている部分があり、書いてあることだけをそのまま行なってもうまく行かないことも分かりました。ここでは「モデルグラフィックス」誌の記事を参考にして筆者が行なった方法を紹介いたします。HGUCのパワード・ジム、ジム・ストライカー、ジム改共通で使える方法です。
今回実験台になってもらったのは、製作記事が中断しているHGUCジム改です。
写真の、黄色い矢印で示した部分が問題の箇所です。設定画と見比べると、ひじ関節の丸いパーツ(通称「マルイチ」)と上腕の位置関係が異なることが分かると思います。もうちょっと上腕にマルイチが入り込んだ状態にしたいものです。
カトキ版ガンダムやジムのキットでは、設定画のイメージを再現するために前腕を延長するというのが定番工作になっています。しかしキットの腕全体の長さは短いわけではないため、単に前腕を延長するだけでは、腕が長い「ゴリラ体型」に陥ってしまいがちです。前腕を延長する場合は、上腕やひじ関節で長さを詰めるのが良いと思います。
この方法は完成した後でも行えます。全塗装している場合でも、リタッチするための塗料さえ残っていれば後から行なうことも可能なはずです。
まずは写真の状態まで腕を分解します。
写真左:上腕のパーツを逆さにして見た状態です。
写真右:ひじ関節付近のパーツの外側のライン(黄色い線)と、C面取りされたエッジのライン(赤い線)との交点(水色の点)を結んだ線(白い線)で、パーツをカットします。
写真左:加工前の状態です。
写真右:前述のラインでパーツを切断した状態です(写真の手前側のみ)。切断にはニッパーを使用しました。ちょっと切りすぎたかも…まあ、いいや。
写真左:切断したところを、マルイチが入り込むように丸くえぐります。とりあえず、デザインナイフで軽く削ります。
写真右:反対側も同様にパーツを切断し、ナイフで丸く削ります。形が不ぞろいになっても、ヤスリで整形する時に強引にそろえることができますので、気にせず削ります。
上腕の切断面を丸くえぐる加工には、写真のような断面が半円形の棒ヤスリが便利です。持っていない場合は、筆の柄などの適当な太さの棒に耐水サンドペーパーを両面テープで貼って巻き付けて使えば良いです。
こちら側と反対側、両方の形状がそろうように気を付けながらヤスリで削ります。削った後は耐水ペーパーで切削面を整えます。
次に、雑誌の記事には載っていませんでしたが重要な部分です。
黄色い矢印で示した部分が少しだけ出っ張っているため、上腕のパーツが深く入り込みません。この出っ張りを削ります。
赤い矢印と黄色い矢印の2方向からデザインナイフで切れ目を入れ、出っ張りを削ります。黄色い矢印から始めたほうが、失敗が少ないと思います。
出っ張りを削った状態。切断面は爪でこすっただけですが、気になる場合はペーパー掛けすると良いと思います。
次もまた雑誌記事には出ていませんでしたが、重要な部分です。
出っ張りを削っただけでは、まだひじ関節に上腕装甲が深く入り込みません。上腕パーツ内側の、ひじ関節と干渉する部分を斜めに削ります。
写真では分かりにくいので、図で…(汗)
図は上腕装甲パーツの横からみた断面です。上腕両側面の内壁に沿って、赤い線まで斜めにナイフで切れ目を入れます。その切れ目に向けてナイフを斜めに入れて、ひじ関節と干渉する部分を削ります。どう削ったかは図と写真をよく見てください。
上腕パーツを削る作業が終わったら、ひじ関節部分にかぶせます。深く入り込むようになった分、ひじ関節の軸受け部分が上腕からはみ出します。
はみ出した部分をニッパーで切り取ります。ある程度切り取ったら、上腕パーツを外してから、ヤスリで切断面を整えます。
上腕パーツから軸受けがはみ出さなくなればOKです。
軸受けを短縮した分、今度は肩関節ブロック側の軸の長さが余ります。ニッパーやヤスリで1㎜強、軸を短くしました。
肩関節ブロックに腕を取り付けて、作業完了です。慣れれば腕1本あたり10分程度でできる作業です。
肩アーマーに「03」のマーキングが貼ってある方が加工後の腕です。上腕とひじのマルイチの位置関係が設定画に近くなり、ひじ関節の上下長さも少しだけ短くなりました。またマルイチの位置が高くなったので、本体に取り付けた場合、全体の印象も引き締まります。筆者はひじ関節の位置が高いほうが好みです。スタークジェガンの上腕を短縮したこともありましたねぇ…。
ひじ関節と上腕の位置関係をタイトにしたことで、可動範囲はやや狭くなりました(写真右側)。でも、ほとんどのポーズには対応できるはずです。人間のひじの可動範囲もこれぐらいですからねぇ。
久々の登板となったHGUCジム改。設定画と見比べると前腕が短いですが、上腕が短くなったことにより、キットよりは相対的に前腕が長く見えると思い…やっぱりそうは見えないか(汗)。
やや蛇足ですが…
股関節も以前の状態から変えています。実在の戦車のサスペンション構造を参考に、ギリギリまで股関節軸の位置を下げました。ついでに軸位置を約1㎜外側、1.5~2㎜前側に移動しています。パワード・ジム系キットの身長はやや低めですので、2㎜程度なら脚の延長を行なっても大丈夫です。これもHGUCのパワード・ジム、ジム・ストライカー、ジム改共通で使える方法です。こちらも機会があれば、製作記事にする予定です。
ジムとは関係ないですが、MGガンダムサンドロックEW版にも期待しています。あと、「ガンダムAGE」版ジムというべきジェノアスのHGキットも出来が良さそうで…。
さて今回は、前の記事のラストで予告した「HGUCパワード・ジム系キットの上腕を短縮してひじ関節付近の間延び感を解消する方法」です。HGUCのジム系キットをミキシングビルドしてガンダムver.Kaを作ろうと目論んでいた時、パーツ選定のため「月刊モデルグラフィックス」誌2010年11月号のジム特集を読んでいました。その特集の各作例で行なわれている改造を試してみたところ、簡単で非常に効果的ということが分かりました。
ただ誌面の都合のためか、記事では省略されている部分があり、書いてあることだけをそのまま行なってもうまく行かないことも分かりました。ここでは「モデルグラフィックス」誌の記事を参考にして筆者が行なった方法を紹介いたします。HGUCのパワード・ジム、ジム・ストライカー、ジム改共通で使える方法です。
今回実験台になってもらったのは、製作記事が中断しているHGUCジム改です。
写真の、黄色い矢印で示した部分が問題の箇所です。設定画と見比べると、ひじ関節の丸いパーツ(通称「マルイチ」)と上腕の位置関係が異なることが分かると思います。もうちょっと上腕にマルイチが入り込んだ状態にしたいものです。
カトキ版ガンダムやジムのキットでは、設定画のイメージを再現するために前腕を延長するというのが定番工作になっています。しかしキットの腕全体の長さは短いわけではないため、単に前腕を延長するだけでは、腕が長い「ゴリラ体型」に陥ってしまいがちです。前腕を延長する場合は、上腕やひじ関節で長さを詰めるのが良いと思います。
この方法は完成した後でも行えます。全塗装している場合でも、リタッチするための塗料さえ残っていれば後から行なうことも可能なはずです。
まずは写真の状態まで腕を分解します。
写真左:上腕のパーツを逆さにして見た状態です。
写真右:ひじ関節付近のパーツの外側のライン(黄色い線)と、C面取りされたエッジのライン(赤い線)との交点(水色の点)を結んだ線(白い線)で、パーツをカットします。
写真左:加工前の状態です。
写真右:前述のラインでパーツを切断した状態です(写真の手前側のみ)。切断にはニッパーを使用しました。ちょっと切りすぎたかも…まあ、いいや。
写真左:切断したところを、マルイチが入り込むように丸くえぐります。とりあえず、デザインナイフで軽く削ります。
写真右:反対側も同様にパーツを切断し、ナイフで丸く削ります。形が不ぞろいになっても、ヤスリで整形する時に強引にそろえることができますので、気にせず削ります。
上腕の切断面を丸くえぐる加工には、写真のような断面が半円形の棒ヤスリが便利です。持っていない場合は、筆の柄などの適当な太さの棒に耐水サンドペーパーを両面テープで貼って巻き付けて使えば良いです。
こちら側と反対側、両方の形状がそろうように気を付けながらヤスリで削ります。削った後は耐水ペーパーで切削面を整えます。
次に、雑誌の記事には載っていませんでしたが重要な部分です。
黄色い矢印で示した部分が少しだけ出っ張っているため、上腕のパーツが深く入り込みません。この出っ張りを削ります。
赤い矢印と黄色い矢印の2方向からデザインナイフで切れ目を入れ、出っ張りを削ります。黄色い矢印から始めたほうが、失敗が少ないと思います。
出っ張りを削った状態。切断面は爪でこすっただけですが、気になる場合はペーパー掛けすると良いと思います。
次もまた雑誌記事には出ていませんでしたが、重要な部分です。
出っ張りを削っただけでは、まだひじ関節に上腕装甲が深く入り込みません。上腕パーツ内側の、ひじ関節と干渉する部分を斜めに削ります。
写真では分かりにくいので、図で…(汗)
図は上腕装甲パーツの横からみた断面です。上腕両側面の内壁に沿って、赤い線まで斜めにナイフで切れ目を入れます。その切れ目に向けてナイフを斜めに入れて、ひじ関節と干渉する部分を削ります。どう削ったかは図と写真をよく見てください。
上腕パーツを削る作業が終わったら、ひじ関節部分にかぶせます。深く入り込むようになった分、ひじ関節の軸受け部分が上腕からはみ出します。
はみ出した部分をニッパーで切り取ります。ある程度切り取ったら、上腕パーツを外してから、ヤスリで切断面を整えます。
上腕パーツから軸受けがはみ出さなくなればOKです。
軸受けを短縮した分、今度は肩関節ブロック側の軸の長さが余ります。ニッパーやヤスリで1㎜強、軸を短くしました。
肩関節ブロックに腕を取り付けて、作業完了です。慣れれば腕1本あたり10分程度でできる作業です。
肩アーマーに「03」のマーキングが貼ってある方が加工後の腕です。上腕とひじのマルイチの位置関係が設定画に近くなり、ひじ関節の上下長さも少しだけ短くなりました。またマルイチの位置が高くなったので、本体に取り付けた場合、全体の印象も引き締まります。筆者はひじ関節の位置が高いほうが好みです。スタークジェガンの上腕を短縮したこともありましたねぇ…。
ひじ関節と上腕の位置関係をタイトにしたことで、可動範囲はやや狭くなりました(写真右側)。でも、ほとんどのポーズには対応できるはずです。人間のひじの可動範囲もこれぐらいですからねぇ。
久々の登板となったHGUCジム改。設定画と見比べると前腕が短いですが、上腕が短くなったことにより、キットよりは相対的に前腕が長く見えると思い…やっぱりそうは見えないか(汗)。
やや蛇足ですが…
股関節も以前の状態から変えています。実在の戦車のサスペンション構造を参考に、ギリギリまで股関節軸の位置を下げました。ついでに軸位置を約1㎜外側、1.5~2㎜前側に移動しています。パワード・ジム系キットの身長はやや低めですので、2㎜程度なら脚の延長を行なっても大丈夫です。これもHGUCのパワード・ジム、ジム・ストライカー、ジム改共通で使える方法です。こちらも機会があれば、製作記事にする予定です。