ガンプラ秘密工場(仮)

ガンプラ他、プラモデルを限られた環境下(ノンシンナー)で楽しもうというブログ
 

HGUCパワードGM系キットの上腕について…

2011年07月23日 | オッサンの秘伝公開&実験コーナー
 早売りの模型雑誌の記事にて、HGUCでジェスタとジムⅡが発売されることが判明しました♪ 今年はものすごい勢いでジム系キットが充実してきていますねぇ! この勢いでジム・スナイパーとかジム・スナイパーⅡとかジムキャノンも…と思ってしまいます(笑)。
 ジムとは関係ないですが、MGガンダムサンドロックEW版にも期待しています。あと、「ガンダムAGE」版ジムというべきジェノアスのHGキットも出来が良さそうで…。

 さて今回は、前の記事のラストで予告した「HGUCパワード・ジム系キットの上腕を短縮してひじ関節付近の間延び感を解消する方法」です。HGUCのジム系キットをミキシングビルドしてガンダムver.Kaを作ろうと目論んでいた時、パーツ選定のため「月刊モデルグラフィックス」誌2010年11月号のジム特集を読んでいました。その特集の各作例で行なわれている改造を試してみたところ、簡単で非常に効果的ということが分かりました。
 ただ誌面の都合のためか、記事では省略されている部分があり、書いてあることだけをそのまま行なってもうまく行かないことも分かりました。ここでは「モデルグラフィックス」誌の記事を参考にして筆者が行なった方法を紹介いたします。HGUCのパワード・ジム、ジム・ストライカー、ジム改共通で使える方法です。

 今回実験台になってもらったのは、製作記事が中断しているHGUCジム改です。
 
 写真の、黄色い矢印で示した部分が問題の箇所です。設定画と見比べると、ひじ関節の丸いパーツ(通称「マルイチ」)と上腕の位置関係が異なることが分かると思います。もうちょっと上腕にマルイチが入り込んだ状態にしたいものです。
 カトキ版ガンダムやジムのキットでは、設定画のイメージを再現するために前腕を延長するというのが定番工作になっています。しかしキットの腕全体の長さは短いわけではないため、単に前腕を延長するだけでは、腕が長い「ゴリラ体型」に陥ってしまいがちです。前腕を延長する場合は、上腕やひじ関節で長さを詰めるのが良いと思います。

 この方法は完成した後でも行えます。全塗装している場合でも、リタッチするための塗料さえ残っていれば後から行なうことも可能なはずです。

 まずは写真の状態まで腕を分解します。

 
 写真左:上腕のパーツを逆さにして見た状態です。
 写真右:ひじ関節付近のパーツの外側のライン(黄色い線)と、C面取りされたエッジのライン(赤い線)との交点(水色の点)を結んだ線(白い線)で、パーツをカットします。
 
 写真左:加工前の状態です。
 写真右:前述のラインでパーツを切断した状態です(写真の手前側のみ)。切断にはニッパーを使用しました。ちょっと切りすぎたかも…まあ、いいや。

 
 写真左:切断したところを、マルイチが入り込むように丸くえぐります。とりあえず、デザインナイフで軽く削ります。
 写真右:反対側も同様にパーツを切断し、ナイフで丸く削ります。形が不ぞろいになっても、ヤスリで整形する時に強引にそろえることができますので、気にせず削ります。  
 
 上腕の切断面を丸くえぐる加工には、写真のような断面が半円形の棒ヤスリが便利です。持っていない場合は、筆の柄などの適当な太さの棒に耐水サンドペーパーを両面テープで貼って巻き付けて使えば良いです。


 こちら側と反対側、両方の形状がそろうように気を付けながらヤスリで削ります。削った後は耐水ペーパーで切削面を整えます。

 次に、雑誌の記事には載っていませんでしたが重要な部分です。
 
 黄色い矢印で示した部分が少しだけ出っ張っているため、上腕のパーツが深く入り込みません。この出っ張りを削ります。

 
 赤い矢印と黄色い矢印の2方向からデザインナイフで切れ目を入れ、出っ張りを削ります。黄色い矢印から始めたほうが、失敗が少ないと思います。


 出っ張りを削った状態。切断面は爪でこすっただけですが、気になる場合はペーパー掛けすると良いと思います。

 次もまた雑誌記事には出ていませんでしたが、重要な部分です。
 
 出っ張りを削っただけでは、まだひじ関節に上腕装甲が深く入り込みません。上腕パーツ内側の、ひじ関節と干渉する部分を斜めに削ります。
 写真では分かりにくいので、図で…(汗)

 図は上腕装甲パーツの横からみた断面です。上腕両側面の内壁に沿って、赤い線まで斜めにナイフで切れ目を入れます。その切れ目に向けてナイフを斜めに入れて、ひじ関節と干渉する部分を削ります。どう削ったかは図と写真をよく見てください。


 上腕パーツを削る作業が終わったら、ひじ関節部分にかぶせます。深く入り込むようになった分、ひじ関節の軸受け部分が上腕からはみ出します。


 はみ出した部分をニッパーで切り取ります。ある程度切り取ったら、上腕パーツを外してから、ヤスリで切断面を整えます。

 上腕パーツから軸受けがはみ出さなくなればOKです。

 
 軸受けを短縮した分、今度は肩関節ブロック側の軸の長さが余ります。ニッパーやヤスリで1㎜強、軸を短くしました。


 肩関節ブロックに腕を取り付けて、作業完了です。慣れれば腕1本あたり10分程度でできる作業です。
   
 
 肩アーマーに「03」のマーキングが貼ってある方が加工後の腕です。上腕とひじのマルイチの位置関係が設定画に近くなり、ひじ関節の上下長さも少しだけ短くなりました。またマルイチの位置が高くなったので、本体に取り付けた場合、全体の印象も引き締まります。筆者はひじ関節の位置が高いほうが好みです。スタークジェガンの上腕を短縮したこともありましたねぇ…。


 ひじ関節と上腕の位置関係をタイトにしたことで、可動範囲はやや狭くなりました(写真右側)。でも、ほとんどのポーズには対応できるはずです。人間のひじの可動範囲もこれぐらいですからねぇ。


 久々の登板となったHGUCジム改。設定画と見比べると前腕が短いですが、上腕が短くなったことにより、キットよりは相対的に前腕が長く見えると思い…やっぱりそうは見えないか(汗)。

 やや蛇足ですが…
 
 股関節も以前の状態から変えています。実在の戦車のサスペンション構造を参考に、ギリギリまで股関節軸の位置を下げました。ついでに軸位置を約1㎜外側、1.5~2㎜前側に移動しています。パワード・ジム系キットの身長はやや低めですので、2㎜程度なら脚の延長を行なっても大丈夫です。これもHGUCのパワード・ジム、ジム・ストライカー、ジム改共通で使える方法です。こちらも機会があれば、製作記事にする予定です。

HGUCユニコーン版ドライセン(最終回)

2011年07月15日 | Z・ZZ・センチネル・逆シャア・UC
 今回でHGUCドライセンの製作記事は最終回となります。今回は武器の組み立て(?)の続きです。

 前回ロングビームトマホークの柄を延長したのですが、柄が長くなった分だけビーム刃が小さく見えてしまうという結果になりました。ビーム刃のパーツを大型化するのは非常に難しいので(というか、無理:汗)、大きめのビーム刃を自作することにしました。

 ビーム刃だけに、やっぱり透明素材で作りたいと思いました。そこで買ってきたのが…

 表紙がクリアーイエローの塩ビシートで出来たA4サイズのクリアーファイルです。ダイエーで買いました。確か90円ぐらいだったと思います。表紙の一部を切り取って使いますが、中身のファイルには資料入れとして活躍してもらう予定です。


 もう一つ用意した材料は、リキテックスの「ジェルメディウム」です。アクリル絵の具で絵を描く際、絵の表面に凹凸を作ったりツヤを出したりという特殊効果を生み出すためのものです。画材店で入手可能です。筆者が購入したものはドライセンとのサイズ比較でも分かるとおり、かなりたっぷり入ったものです。値段もかなり…(汗)。


 まず、キットのビーム刃パーツよりも大きめに、ファイルの表紙を切り出します。

 キットのパーツを定規にして柄の部分との接続部をファイル表紙に写し取り、それを基準にしてビーム刃のサイズや形状を検討しながら油性ペンで描き込みます。ビーム刃の長さは、設定画では柄の3分の1ぐらいありますので、それを目標にしました。

 
 写真左:ビームの形や大きさが決まったら、カッターナイフでファイル表紙を切り抜きます。油性ペンの線は、消毒用アルコールやアクリル塗料の溶剤で拭き取ります。
 写真右:自作ビーム刃をトマホークの柄に取り付けた状態です。

 
 キットのパーツを参考に、ビームの輪郭に切れ目を入れてみました。


 このままでは平板な印象ですので、ジェルメディウムで表面に凹凸をつけます。まずトマホークの柄にジェルメディウムが付かないように、マスキングテープで覆います。


 ジェルメディウムは木工用ボンドに似た、白いペースト状です。ボトルから適量を筆で取り、ビーム刃の片面に塗り広げます。この作業は模型作りというより、ケーキ屋さんがホイップクリームをスポンジケーキに塗り広げるような感じです。筆よりもバターナイフのような道具を使ったほうが良かったかもしれません。
 ある程度塗り広げたら、柄の部分からビームの粒子が放出されているのをイメージして、爪楊枝でスジを入れていきました。

 
 反対側の面も同様に、ジェルメディウムを塗りました。この後、ギラ・ズールにトマホークを持ってもらってジェルメディウムを乾燥させました(6月25日の記事参照)。

 *ジェルメディウムについては「エプロンの人 模型制作日記」の過去記事で、アクリル絵の具を混ぜ込んだ表現についての実験が行なわれています。ぜひ参考にしてみてください♪


 ジェルメディウムは乾燥すると、ツヤツヤの透明になります。ただ、灼熱の重金属粒子の集合体であるビーム刃にツヤがあるのはおかしいと思うので…

 
 表面に水性ツヤ消しニスを塗って、ツヤをなくしました。ジェルメディウムは乾燥してもやや表面がベタつくのですが、ニスを塗ったらベタつきがなくなるので一石二鳥です。


 完成したロングビームトマホークです。ドライセン自体がかなり大型の機体ですので、トマホークもこれぐらいのサイズがあればバランスが良くなると思います。

 次はジャイアントバズです。
 
 砲口の内側は仕切り板があるだけですので、市販のノズルパーツに穴を開けたものを貼ってディテールアップしました。


 このジャイアントバズ、ドライセンに対してやや小さく感じますが、それでもHGUCの他のドム系モビルスーツのバズーカより長いです。



 ヒート剣の刃は「ガンダム ラメパールマーカーセット2」のオレンジ色で塗りました。もう少し黄色っぽいオレンジ色なら、劇中の雰囲気に近くなったのですが…。 


 やっぱりドム系モビルスーツには実体弾バズーカやヒート剣が似合いますねぇ♪


 後ろ姿。結局、各ノズル内部は赤塗装しました。使用したのはアサヒペンの「カラーパレット水性マーカー」の「ルビーレッド」です。ペン先が太いので、筆にマーカーのインクを含ませて塗装しました。


 というわけで完成したドライセン、キット自体はシールで再現されたモノアイで損をしていますが、価格のわりにサイズが大きいのでお買い得感があります。頭部さえなんとか攻略すれば格好良いドライセンが手に入りますので、気になる方はぜひ!

 *ヤマトさんからのご質問「HGUCドム・トローペン(サンドブラウン)とHGUCドム/リックドムの平手は同じですか?」:HGUCドム/リックドムの平手は、トローペンのものとは異なります。指が大きく開いていて、活き活きとした表情になっています。好みにより、使い分けると良いと思います。ホビージャパン誌の作例では、ドムの平手が使われていましたねぇ。

 次からはHGUCジムⅢ…の前に、HGUCパワードジム系列キットの上腕についての記事をお送りします。パワードジム・ジムストライカー・ジム改共通(ジムキャノンⅡにも使えるかも?)の改修法ですよ~。

今なら作れる…かも?

2011年07月11日 | 長期連載予定・Ver.Ka計画
 筆者はHGUCジムⅢの試作品の写真が模型雑誌で公開されてからずっと、キットが発売されるのを待ち望んでいました。なぜなら、その試作品は「機動戦士ガンダムUC」に登場するジムⅢのデザインをベースに立体化されたものだったからです。
 「ユニコーン」版のジムⅢは「MG RX-78-2ガンダムver.Ka」開発時にカトキハジメ氏によって描かれた設定画と共通点が多いです。そのため、「ガンダムver.Ka」をHGUCキットのミキシングビルドで製作する場合に有効なパーツがあるのではないかと考えていました。特に、脚部はかなりの部分が使えるのではないか、と…。

 というわけで、HGUCのジム系各キットのパーツを組み合わせたもの(頭部はHGUCアレックス)に、HGUCジムⅢの脚を取り付けてみました。  

 い、イケるんじゃないか!? 
 *写真の仮組みガンダムは、ジムカスタム胸部の肩関節軸を上方向に動かしやすくしたり、パワードジムの上腕を短縮したり、ジム改の腰部フレームのボールジョイントを削ってジムⅢの太もも付け根のポリキャップを取り付けられるようにしたりと、少しだけ加工を施してあります。
 実はこれまで、脚はジム改にするかジムカスタムにするかで悩んでいましたが、どちらも「帯に短したすきに長し」という印象でした。ジムⅢの場合、「ガンダム00第2シーズン」のキットから導入された新型ポリキャップが関節部に使われているのもうれしいポイントだと思います。
 

 脚の長いカトキガンダムを立体化した場合、オーバースケールになりがちなのも気にしてはいたのですが… 

 写真では定規に対して大きく写っていますが、実際には「カトキ立ち」の状態で頭頂部カメラまで126mmです。トサカは低くする予定ですので、ギリギリ他の1/144スケールキットと比べても違和感の無い大きさに収まりそうです。

 「1/144スケールのガンダムver.Ka」は、当ブログを始めて以来、いつかはやりたかったネタの一つです。ジム系キットの充実により、仮組みの状態でもかなりのところまで形になるようになった今こそ、このネタを始めるチャンスかなぁと思っています。かなりの時間が掛かりそうですし、全塗装しなければならないという関門もあるのですが…。

 あと、ジムⅢの脚はスネの後ろ半分を改造する必要があったり、スネのパーツをキットもう一つ分用意しなければならなかったりという問題があります。
 HGUCジムⅡが発売されるまで、この企画は待った方が良いのかも…(苦笑)。