OSQZSS

オープンソース準天頂衛星(QZSS)受信機

みちびき利用実証事業

2013-07-27 18:48:51 | みちびき
なんだこれ…

世界最先端GPS利用 種子島デジタルスタンプラリー

日本の最先端技術の大規模実証実験に参加するモニターを300名募集
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消費電力の比較

2013-07-17 07:34:00 | FPGA
USB機器の電圧と電流を計測するデバイスを見かけて衝動買い.
以前から気になっていたGPS受信機開発基板の消費電力を
調べてみました.

センチュリー:[CT-USB-PW] USB Power Master



まずはPiksi受信機



Spartan-6のLX9ということもあって,160mAと思っていた以上に
消費電力が少ないです.しかも,14チャンネルも入っている.
よくこんなに詰め込めたな.



Namuru-Nanoはどうでしょうか.



DE0-Nanoには,Cyclone IVのEP4CE22と,やや大きめのFPGAが
搭載されています.そのためか,チャンネル数は12チャンネルと
少ないのに,Piksi受信機の倍以上の消費電力です.



1チップ化された市販のGPS受信機モジュールと比較すると,
10倍近く消費電力が大きいのですが,FPGAだから仕方ない.

それでも1W以下にはしたいな.
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大樹町の思い出

2013-07-05 21:05:39 | ロケット
ロケット用GPS受信機の話題が増えてきたので,2009年に東海大学の
学生ロケットプロジェクトと共同で実施したフライト実験の結果を
いまさらながら整理してみました.

東海大学学生ロケットプロジェクト:2008年度冬季打ち上げ実験

観測ロケットなどは,姿勢を安定させる手段のひとつとして,
機軸まわりに数Hzでスピンさせることがあります.

GPS受信機のアンテナは,ロケット側面に複数設置するため,
ロケットがスピンすると,受信状況も変化します.

このような受信環境であっても,安定した測位が実現できることを
確認するために,東海大学のモデルロケットでも,フィンに傾きを
つけることで,意図的にスピン飛行をしていただきました.

ロケットに搭載する受信機は,電力分配機を介してふたつのアンテナに
接続します.測位結果は,SDカードに記録され,回収後に解析します.
これらを直径10cmのペイロードベイに詰め込みます.

 (クリックで拡大)

ロケットでは,通常は天頂を向いているアンテナを横向きに
取り付けることになります.この状態で安定した受信が可能なのか,
簡単なモックアップを製作して実験してみました.

 (クリックで拡大)

 (クリックで拡大)

屋外で24時間観測を続けることで,GPS衛星のパスがほぼ全天を覆います.
このとき観測された受信強度をスカイプロットに表示することで,
簡易的にアンテナゲインパターンを計測することができます.

 (クリックで拡大)

北側に軌跡がないのは,GPS衛星の軌道傾斜角が55度であるためです.
北極や南極でGPS衛星を観測すると,天頂には衛星がなく,ドーナッツの
ようなスカイプロットになります.

全領域で良好な信号強度が得られていますが,北西から南東にかけて,
30度の傾きで一直線に受信強度の低い領域が見られます.これは,
側面に設置されたふたつのアンテナの向きに直交する面にあたります.
このアンテナゲインパターンが機軸まわりで回転するために,
断続的に受信強度が弱くなることになります.

さて,このような条件でのフライト実験のために,東大大学の学生ロケット
プロジェクトのチームは,とても立派なロケットを製作してくださいました.
ロケットの回転を表したデザインも素敵です.

 (クリックで拡大)

写真では判りづらいかもしれませんが,TSRPのロゴの下あたりに
GPSアンテナが取り付けられています.

ロケットの打ち上げは,定番の大樹町.試される北の大地!



結果から言うと,ロケットの打ち上げは残念ながら失敗でした.
発射後,数秒でエンジンに異常が発生し,上昇中に空中分解してしまいました.

しかし,この短い時間でも,貴重なデータを取得することに成功しました.
墜落で機体は大破してしまいましたが,SDカードに記録されたデータは
無事に読み出すことができました.



発射前は,機体側面に設置されたGPSアンテナが地面からのマルチパスを
受信するため,測位結果が1分程度の周期で,数十mほどゆっくりと
変動しています.しかし,発射後,少しでもロケットが動き出せば,
マルチパスの影響は低減し,綺麗な放物線で上昇していくのが判ります.

GPS受信機からは,5Hzで測位結果を出力しています.空中分解するまで,
1.6秒で約120m上昇しています.単純に計算して5Gの加速度ですが,
信号をロストすることなく,測位し続けていることが確認できました.

ロケットがスピンしている状況も,発射の様子を撮影していたビデオに
しっかりと映っています.

大樹町での実験は,シミュレータによる理想的な環境でしか試験でき
なかったGPS受信機を,初めてフライトさせた貴重な経験でした.

フライトの機会を提供していただいた東海大学学生ロケットプロジェクトと,
スピン飛行という初めての技術テーマにチャレンジしてくださったチームの
皆様に改めて感謝いたします.
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RTL-SDRでSnapshot測位

2013-07-03 17:48:14 | RTL-SDR
RTL2832U+R820Tのワンセグチューナがaitendoで購入できるようです.
特売品で,お値段は999円とお買い得.

aitendo: ワンセグRX DVB-T+DAB+FM R820T高性能受信機

RTL-SDRを利用したGPS測位は,信号捕捉はなんとかなるものの,
SN比がどうしても悪く,信号追尾ができないまま,あきらめていました.

しかし,このままでは悔しいので,snapshot測位という別の手法で
測位してみます.

Google: gps snapshot positioning

GPSによる測位では,衛星と受信機間の距離を,電波の伝搬遅延で
計測します.衛星からは,C/Aコードと呼ばれるビットパターンが
1ms周期で放送されています.これは距離に換算すると約300kmに
相当します.このビットパターンのどの位置を受信したのか判れば,
その信号がいつ送信されたのか知ることができます.

送信機と受信機間の距離が300km以下であれば,これだけで距離が
判るのですが,衛星の高度は約20,000kmなので,1コード以上の
距離がありあす.これは,RTK測位における搬送波位相のcycle
ambiguityに似ています.疑似距離のおいても,code ambiguityが
存在し,これを解かなければなりません.

通常であれば,航法メッセージに含まれるz-counterと呼ばれる
信号の送信時刻情報を読み出すことで,このcode ambiguityを
簡単に解くことができます.しかし,RTL2832U+R820Tでは,
信号補足はできても,信号追尾には失敗して,航法メッセージを
読むことができません.

Snapshot測位では,おおよその位置と受信時刻が既知であると
仮定して,code ambiguityを解きます.1コードの長さは,
距離にして300kmですので,受信機の初期位置がこの程度の
精度で判っていれば,軌道情報から計算した衛星位置から,
code ambiguityを推定することができます.

では,早速snapshot測位を試してみます.

前回と同様に,RTL-SDRで取得したGPS信号をまずはMicheleの
Matlabスクリプトで処理して,信号を補足します.



相変わらず雑音が大きいのですが,なんとか7衛星が補足できました.
このとき,PRN31の相関波形は次のように見えています.



RTL-SDRのサンプリング周波数が2.048MHzですので,1ms分のデータは
全部で2048ポイントとなります.このとき,相関波形がピークを示す
位置が,C/Aコードの先頭になります.1msのコードは,距離にして
300kmですので,各ポイントの間隔は,約150mに相当します.



これで,code ambiguityはあるものの,疑似距離が部分的に求められた
ことになります.

おおまかな受信時刻は,RTL-SDRでキャプチャした信号ファイルの
プロパティから,作成日時を見ることで知ることができます.
受信機の初期位置は,適当に東京都内とします.
衛星の軌道情報は,IGSから予測軌道を含むultra-rapidをダウンロードします.

実際に測位してみた結果をGoogle Mapに表示してみると,
隣の建物を指していますが,まあまあな位置精度です.



RTL2832U+R820Tのチューナは,GPS信号の受信には何かと
不満の残るデバイスですが,工夫次第では測位もでき,
価格分は十分楽しめるかと思います.

【追記】アマゾンでも買える!

amazon.co.jp: RTL-SDR TV28Tv2DVB-T(R820T)チューナー

【追記2】aitendoで購入する際には,MCX-SMA変換コネクタも
一緒に注文すると幸せになれるかもしれません.

aitendo: SMA-MCX同軸変換コネクタ
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マルチアンテナ受信機

2013-07-02 12:26:01 | FPGA
Piksiは面白そうな受信機なのですが,アンテナは1入力,
FPGAに実装できるチャンネル数も12チャンネルと,
アーキテクチャとしては古いままです.

ファームウェアを自由に作成できるのは魅力ですが,
何か新しいことができるかと言うと,そうでもありません.

Spartan-6がLX9というのが非常に残念…
せめてLEが倍あれば,GPS+Galileoという選択もあったのに.

ロケット用としてはマルチアンテナはぜひやってみたいので,
その昔に研究用に製作した3アンテナフロントエンドを
引っ張りだして,DE0-Nanoに接続.



1アンテナだけであれば,Namuru-Nanoと同じなので,
ひとつずつ動作を確認.3アンテナ全部機能していました.

経験的に,1チャンネルの実装に1,000LEを消費します.
DE0-Nanoには,ぎりぎり24チャンネル詰め込めるかな?
これだけあれば,実用的に2アンテナで12チャンネル,
実験的に3アンテナで8チャンネルが使えます.

あとは,相関器へのアクセスをSPIにして,他のCPUとも
接続できるようにしたい.
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