OSQZSS

オープンソース準天頂衛星(QZSS)受信機

原子時計故障時の信号強度

2011-08-09 12:15:08 | OSQZSS
ルビジウム原子時計故障時にQZSS対応のJAVAD受信機で観測された
L1 C/A,L2,L5,L1-SAIF信号の信号強度を比較してみました.

どの周波数も14:43に信号をロストし,その後,7分間ほどロストと再補足を
繰り返しています.

L5信号は,信号を放送しているようですが,信号強度は極端に低く,
18:17までこの状態が続いています.

L1-SAIF信号は他の信号とは異なるアンテナで放送されているため,
故障時の挙動も異なるかと思ったのですが,あまり違いは見られません.
ただし,原子時計2への切り替え後に信号をロストし,14:10に再補足しました.
この間は,信号そのものを放送していなかったのでしょうか?

先日の衛星クロックオフセットの推定で見られた14:10の変化は,
このL1-SAIF信号の影響かと思われます.

しかし,こうして信号強度を比較してみると,L1 C/A信号の安定度が
他の信号より悪いです.L2C信号とは帯域も同じなのに,なぜでしょう?

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衛星クロックオフセット

2011-08-05 12:03:47 | OSQZSS
受信機クロックのオフセットをGPSのみで推定することで,
ルビジウム原子時計切り替え時のみちびきの衛星クロック
オフセットを算出し,プロットしてみました.

初めの赤線が原子時計の故障が検出された時刻で,次の
赤線が原子時計切り替えの時刻を表しています.

14:10あたりで,冗長系のルビジウム原子時計2のオフセットが
急に変化していますが,切り替え以外に何かしたのでしょうか?
その後のクロックオフセットは安定しています.

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原子時計故障時のアラートフラグ

2011-08-04 12:28:46 | OSQZSS
放送暦のヘルスフラグがアクティブであることが確認されるまでに
7分を要したという前回の解析結果について,それはみちびきの
測位信号をロストしているために,そもそも放送暦がデコードできて
いないのではないかというコメントをいただきました.

原子時計故障時の測位結果を拡大して確認すると,確かにその通りで,
12:46から12:50まではみちびきの信号をロストし,GPSのみの測位と
なっていました.

その後,信号を再補足し,12:50:42の段階でヘルスフラグがアクティブ
である放送暦を受信しています.

再補足後も,原子時計の故障の影響を受け,高度方向の誤差が線形的に
増加しています.原子時計を冗長系に切り替えた13:07には,その影響で
高度誤差の傾きが反対方向に変化しています.



また,ヘルスフラグとアラートフラグを混同していたので,IS-QZSSを
読み返して確認しました.

ヘルスフラグは,放送暦の一部であるため,サブフレーム1~3が正常に
デコードされなければ認識されません.そのため,デコードに18~90秒
ほど必要となります.

これに対して,アラートフラグはサブフレームの第2ワードであるHOWの
ビット18であるため,6秒ごとに取得することができます.みちびきの
測位信号の異常を検知するには,このアラートフラグを確認することが
最速となります.

ログを取っていた航法メッセージのビット列をデコードしたところ,
Zカウンタが12:44:18(TOW 391458)のHOWで,アラートフラグが
アクティブになっていました.それより前の航法データは,ビット
エラーが頻発して30秒ほどデコードできない状態ですが,それでも
12:43の故障の発生から1分以内でアラートフラグがセットされていた
ようです.


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