OSQZSS

オープンソース準天頂衛星(QZSS)受信機

マルチパスのシミュレーション

2016-05-15 10:08:08 | GPS Signal Simulator
bladeGPSでGPS信号シミュレータを長時間動かし続けることが
できるようになったので,次のステップとして任意のマルチパスを
生成できるようにしてみます.

これは,従来の直達波に対して,反射などによる時間遅延を模擬した
コード遅延を加えたレンジのを生成するチャンネルを,マルチパスの
数だけ加えることになります.

まずは試験的に,各直達波に対して,1つのマルチパスを加える
ことにしました.正しくマルチパスが生成されているかどうかを確認
するために,意図的に直達波とマルチパスの搬送波は同位相とし,
信号強度も同じにしています.つまり,2つの同じ相関波形が,
時間遅延分だけ離れて観測できることになります.

受信側には,もう1台,別のbladeRFを準備して,シミュレータから
送信された信号をサンプリングし,I/Qデータをファイルに保存します.

OSQZSS: bladeRFで再挑戦

シミュレータ側の帯域は2.5MHzしかありませんが,相関波形の形状が
判りやすいように,受信側のサンプリン周波数は16MHzにしています.

 (クリックで拡大)

コード遅延は,PRN番号の早い順に50mづつ加算しています.
遅延が小さなマルチパスは,直達波と同位相で加算される
ことになり,相関値が2倍になります.

 (クリックで拡大)

時間遅延が増え,2つの相関波形が離れて行くと,それに応じて
相関値も線形的に減少します.そして,1チップ分(300m)離れると,
一方の相関波形の頂点にもう一方の相関波形が重ならなくなり,
相関値はそれ以上小さくなりません.

それが,上図ではPRN21にあたります.このときの相関波形は,
理想的には台形になります.

 (クリックで拡大)

マルチパスが直達波から1チップ以上離れると,相関値のピークが
2つ観測されるようになります.

 (クリックで拡大)

それらが次第に離れて行く様子も確認できました.

 (クリックで拡大)

同じはずの直達波とマルチパスの信号強度に,多少差がありますが,
ほぼ意図した通りの理想的なマルチパスの生成が確認できました.
マルチパスの時間遅延や搬送波の位相差が一定ということは
実環境ではありえませんので,より現実的なマルチパスモデルを
組み込んで行きたいと思います.

シミュレータが生成する信号の数は,単純に倍になっていますが,
CPUの処理能力にはまだまだ余裕があります.直達波ごとの
マルチパスも,複数生成できそうです.

さて,マルチパスのシミュレーションで,直達波をライブのGPS信号,
マルチパスをspoofing信号と仮定すれば,spooferによるGPS信号の
乗っ取りも模擬できることになります.

電波法により,spoofing信号を屋外で送信し,ライブのGPS信号と
同時に受信させることは難しいので,シミュレータによる模擬的な
環境で,各種受信機のspoofing耐性を評価したいなと妄想中.
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NEO-M8Tのケース

2016-05-14 07:55:43 | 雑記
CSG Shopのu-blox NEO-M8T受信機が増えてきた.



屋外で実験することも多くなり,基板むき出しで使うのがちょっと不安.

誰か3Dプリンタでつくれるケースを公開してくれないかなと,ねだってみる.
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LimeSDR

2016-04-29 10:42:16 | GPS Signal Simulator
2x2のMIMOをサポートするSDRプラットフォームである
LimeSDRのクラウドファンディングがオープンしました.

LimeSDR: Flexible, Next-generation, Open Source Software Defined Radio

多周波/多システムのGNSS信号をサポートできるSDRとして
興味があるので,backerになろう.

しかし,発送が11月からで随分と待たされる.
アンテナコネクタがU.FLなので,変換ケーブルを準備しないといけない.

スイッチサイエンス: SMA/u.FLコネクタ変換ケーブル

アルミケースも欲しいけれど,early birdから$400もプラスなのは悩ましい.
ところで,アクリルケースのUSBコネクタ,どうやって接続するの?
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bladeRFのFPGA

2016-04-29 10:29:34 | GPS Signal Simulator
bladeRFのFPGAにADS-Bのデコーダを実装するサンプルを
nuandが公開しました.

nuand: bladeRF VHDL ADS-B decoder

標準のbladeRFでも,FPGAのLEは40kとたっぷりあります.
GPS信号のcorrelatorは,約1kのLEで1チャンネルを実装できます.
40kもあれば,余裕で受信と送信の両方のチャンネルが詰め込めるので,
GPS受信機+シミュレータをFPGAに実装してみよう.
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Real-Time GPS Signal Simulator

2016-04-23 18:27:41 | GPS Signal Simulator
gps-sdr-simのアップデートから4ヶ月.
やっとリアルタイム版のシミュレータであるbladeGPSにmergeしました.

GitHub: osqzss/bladeGPS

これで,ベースバンド信号の巨大なファイルを生成することなく,
長時間の信号生成ができます.

 (クリックで拡大)

CPUの使用率も5%以下と快適.
ようやく本物のシミュレータらしくなりました.

ただし,pthreadによるマルチスレッドの実装は中途半端で,
信号生成スレッドが正常に終了しないなど,課題が残っています.
このあたりは,まだ勉強中.
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パンツァー・フォー!

2016-04-12 16:03:37 | GPS Signal Simulator
素敵なケースだ.
ひとつ欲しい.

@julian0liver: 'No Point' GPS jammer



【追記】スケールからすると,タミヤの1/25戦車シリーズかな?

TAMIYA: ドイツ陸軍駆逐戦車 ロンメル
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スティックPC+RTL-SDR

2016-04-10 17:22:41 | RTL-SDR
いまひとつ使い道が思いつかないスティックPCを,
小型のRTL-SDRロガーにしてロケットに搭載している
ユーザを発見.

Software Defined GPS: Paul Breed Rocket Flight Test Data!

ちゃんとgnss-sdrで測位まで出来ている!

Software Defined GPS: Paul Breed Rocket Flight Test Data #2: PROGRESS!

Launch padとapogeeでしか測位できていないのは,
gnss-sdrのPLLの設定のせいだろうな.

バイナリファイルがダウンロードできるので,
自分でも解析してみよう.

【追記】jddesのコメントが適切すぎる.PLLの問題ではなかった.

[Help] Flew an RTLSDR on a rocket; capturing GPS L1 freq, calling all GNSS/DSP gurus!
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小型ロケットの複合航法

2016-03-12 16:57:27 | ロケット
いまさらながら,基幹ロケット高度化の資料を読んでいる.

JAXA: 基幹ロケット高度化 H-IIAロケットのステップアップ

29ページを見ると,今後,地上レーダは廃止の方針で,
ロケットの飛行安全は,複合航法システム(RINA)に
移行するらしい.

地上局のコストをロケット側に転嫁するだけなので,
経費削減と言えるのかどうか.それでも,レーダ局の
代わりにGPS/INSを搭載するのは,世界的な動きでもある.

けれど,基幹ロケットは良いとして,小型のロケットは
どうするのだろう?イプシロンには,コスト的に見合うの
だろうか.観測ロケットに搭載できるサイズにも見えない.

そんな訳で,小型ロケット用GPS/INSを開発しようと調査中.
GPS受信機はfireflyがあるし,複合航法のアルゴリズムも
それほど難しいものではない.INSもMEMSの精度でいける
気がするけれど,振動への耐性が気になる.

特にレートセンサ.やっぱりFOGじゃないと難しいのかな.
最近評判の良いKVHの製品をテストしてみたい.

KVH: Guide to Comparing Gyro and IMU Technologies

【追記】しかしRINAの情報,少ないな.
文部科学省の平成27年度行政事業レビューシートを見ると,
開発は三菱プレシジョンのよう.

【追記2】基本的にパッケージングでなんとかしろなのか?

ANALOG DEVICES: Gyro Mechanical Performance
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イプシロン手拭

2016-03-09 17:46:54 | 雑記
お土産にイプシロンの手拭をいただいた.
しかも色違いで2種類.



沢山あっても困るカレンダーより,ちょっと洒落た一品で嬉しい.
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GPS信号のセキュリティ

2016-03-04 14:13:06 | GPS Signal Simulator
gps-sdr-simが,セキュリティの専門家にも使われるようになってきた.

Hewlett Packard Enterprise: Spoofing GPS for the budget conscious

とはいえ,やってることは,このblogと大して変わらない.

【追記】RSA Conferenceでも話題になっている.

Bobby Kuzma, "Combating Spoofed GPS in Forensics"
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