おせっちゃんの今日

平凡な主婦の平凡な日々のあれこれ帳です。
自分への応援歌でもあります。

鋳掛屋

2016-10-19 15:07:30 | 雑記
床の間に少しは形になった花がほしくて、月3度お花のお稽古をしています。
今は伝統にのっとった、決まりに従った形に活ける「お生花(せいか)」を練習しています。

寸胴と呼ばれる、直径10センチほどの竹を30センチばかりの高さに切り、節の作る空間を金属で内張りをして水を入れられるように作った花器を使用します。

その内張りの金属の継ぎ目が、疲労したか水が漏るようになってしまいました。先日お稽古に行ったとき、これこれですから、おついでの時ひとつ求めてくださいとお願いいたしました。先生はこうしたお店に長年のお付き合いがあって安く手に入れてくださるのです。

快く請け合ってくださって、続きにこんなことをおっしゃいました。
「おせっちゃん、知っていますか。昔はこんな時鋳掛屋さんに頼んだものですよ」

ああ、思い出しました。田舎の家に、鋳掛屋さんが道具一切を担いで用事はないか訪ねてきていました。鍋類が多かったでしょうか。戦後物のない時代のことです。金属類は供出して、数少なになっていました。それに小さな穴が開くのです。漏ってしまいます。
鋳掛屋さんが鍋を目の前斜め上に掲げて、日に透かして、穴のあり所を確めて、小さなくぎのようなものを打ち込み、両側からたたき頭を広げて、穴をふさいでくれていました。
小さなくぎを買っておいて、母や、兄が自分でやったこともあったような記憶があります。
穴の形状によっては、熱した鏝で溶かした金属を線状に延して直してもいたようです。

倹約の時代です。ものの豊富な今のように、壊れたものは修理するより、新しく買った方が安いですよ、などとの理屈は通用しませんでした。傘の骨の修理、包丁研ぎ、履物屋さんでは、下駄の歯替え、鼻緒のすげ替え、使えるものはとことん使う経済でした。

市の中心から外れた村に住んでいましたが、その頃は農機具を治す鍛冶屋さん。田圃で取れた菜種の実から油を絞る油やさん、荷物運びなどする馬車屋さん、もありました。農家の人の副業でしょうか、稲わらで縄をなったり、蓆を編んだりしてくれる家もありました。

すべて消えてしまいました。
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7 コメント

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懐かしい (souu)
2016-10-19 16:43:17
ドンドン時代共に移り変わりますね。それだけではなく
確かに何でも修理はしなくなりました。
昨日、TVを見ていると 言葉も使わなくなったのが多く
若い人には理解すらしてもらえない言葉の多さには驚きです、
鋳掛の直し (あきこさん)
2016-10-19 19:04:40
油をしぼる油やさんも縄をなう、かごを編む方々の仕事もありましたか。

明治生まれの母の昭和の時代には、どんなものでも修理して使えるだけ充分に使っていました。

新しい品々が豊富に手にできる価格になりました。

鋳掛の直しを利用したいと思う機会が多々あります。
しかし、職人さんの経済が立ち行かないでしょう、とも思います。
souu様・あきこさん (おせっちゃん)
2016-10-19 23:14:43
新しい便利なものがどんどん手に入ることは、確かに幸せなことかもしれませんが、あの物不足の時代のすべてを使い切るという生活に比べて、本当に豊かなのでしょうか。買い求めては、ごみとして捨てる生活、傲慢とも言えますね。

souu様・・・言葉も。歳とったものが使う言葉と、若者の使う言葉は異次元のものなのでしょうか。
電子機器などの説明文、カタカナ言葉ばかりでさっぱりわかりません。
新しい東京都知事。頑張って諸問題に切り込まれる姿勢はそれなりに評価するものの、どうしてあんなに外来語を多く使うのよ。レガシーと言って遺産と言い換えるのなら始めから遺産と日本語で言ってくれとばあさんは思うのです。
そっかぁ (チーママ)
2016-10-20 07:52:46
今でも、くつやカサ・カバンなどは修理があるけど・・・
昔はナベなどもあったんだね~
使えるようになるなら、今もあったらいいのにねぇ
どんなものも使い捨てになってきたようで~
チーママ様 (おせっちゃん)
2016-10-20 11:17:08
あきこさんもおっしゃっているように、人件費の高くなった現在では、鋳掛の手間賃に匹敵する報酬は、鍋を新しくする費用を上回るのでしょうね。
勿体ないと思いますが。
おはようございます (すいれん)
2016-10-20 11:30:00
便利になるのはそれはそれで世の流れなのでしょうが
便利さと引き換えに何かを失っていないか・・・・?
丁寧に修理する技術などなくなってしまうのでしょうね。

私が就職したての頃、ストッキングの修理もあって、
女性の多い職場でしたから業者の方が会社に出入りして
いましたね。
信じられない気持ちで思い出しています。

すいれん様 (おせっちゃん)
2016-10-20 18:21:47
修理できるはずのものを捨ててしまって、新しくした方が安いと。何か間違っているような気がしますが。
ゴミも増えるし、第一傲慢ですよね。

へ~え、ストッキングの修理?電線をかぎ針ですくっていくのでしょうか。

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