アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

鯨のヒゲの物差し

2017年01月10日 | Weblog
 松が明けたので、誘われるがままに居酒屋へ。松が明けなくたって、居酒屋ぐらい行ってもいいだろうって?服喪中だったもんで、松の内は自重していました。ボランティア以外に肩書きがないので、飲みに誘われることが貴重。大変ありがたいことなのです。
 この日は、2年間期限付き教諭を頑張って、とうとう採用試験に合格した若者のお祝い。なぜ、アンティークマンが誘われたかって?日頃の蘊蓄が、「何でも分かっているオジサン」という評価になって、フレンドリーに接してくれるのです。ビックリ腰はどうなったのかって?そ、それがいっこうに痛みがひけない。席に着くまでが無様。席についてしまえばこっちのもの。酒は、普通に飲めるし、ホラもふき放題。

 さて、ホラじゃなくて、蘊蓄の絶好の機会が仕込んだかのようにやってきました。壁に、「春夏冬二升五合」と書かれた紙が貼ってあったのです。
 参加者は6人でしたが、私以外だーれも目に留めない。しょうがないので、こちらから仕掛けました。
 「春夏冬二升五合の意味知ってる?」
 「えっ?アレに意味があるの?メニューかと思ったぁ(20代女性)」
 「秋以外は、二升五合飲むってこと?(40代女性)」

 しょうがないので、説明しました。春夏冬…秋がない、つまり「商い」。「二升」は「升(ます)が二つ」だから、「ますます」。「五合」は、「一升の半分」、つまり「半升(はんじょう)」なので、「繁盛」。「商いますます繁盛」という意味。
 皆さん教職に携わっているせいか理解が早く、すぐさま全員が納得。

 合格祝いが、その昔の計量単位談義に。もっとも、それで良かったのです。なぜなら、合格者のほかに、教員採用試験を受けて落ちてしまった若者もこの会に参加していたから。
 鯨尺(くじらじゃく)の話をしたら、だれも信じない。そんな時代なんですねえ。どんな話をしたのかって?
 「鯨のヒゲで作られた、鯨尺というのがあってね。鯨尺の一尺は約38cmなんだよ」。
 鯨のヒゲで、物差しを作ったなんて、信じてもらえるはずがないだろうって?ホントなんだけどなあ…初めのころ鯨のヒゲを使ったから、鯨尺と呼ばれるようになったのに…。
 40代女性が鼻の穴をめいっぱい広げ、「一尺は、30センチメートルでしょ、一尺が38センチメートル…、それはないワ」
 数人がすぐさまスマホで検索して、「ホントだぁ!鯨尺ってのがあるぅ!」と、なって、ホラフキの汚名をを免れましたがね。ホント、スマホって便利です。そのうちお金を儲けたら、買うことにします。

最新の画像もっと見る