大阪ボランティア協会・事業レポート

大阪ボランティア協会で実施した事業・イベントの報告を掲載しています。

裁判員ACT通信 14号 裁判員交流会報告 「わからない」「違う」から議論が始まる

2014-10-17 13:42:56 | 裁判への市民参加を進める会(裁判員ACT)
/////////////////■□ 裁判員ACT通信 14号 □■//////////////////

 裁判員交流会では、裁判員経験者を囲んで、一般市民も、専門家も、いろんな人が集まって
ざっくばらんにおしゃべりしています。3時間の交流会のはじめに制度の概要を説明、
続いてゲストの裁判員経験者から話題提供していただき、後半は質問や疑問、意見や感想を出し合います。
参加者が変われば話題も様々で、交流会の雰囲気は毎回ずいぶん違うものになります。
 10月4日(土)の交流会の話題の一部をご紹介します。

   

●選任手続き
A(裁判員経験者):午前中に裁判員を選ぶ選任手続きがあり、抽選で選ばれるといきなり宣誓で、
  昼食をはさんですぐに裁判が始まった。気持ちの余裕はなかった。
B(裁判員経験者):私は選任手続きの後、簡単な説明を受けて法廷見学をして解散。翌日はお休みで
  翌々日から裁判が始まった。最初の日は緊張していて何があったか覚えていない。
C:選任手続きの面接では、どんなことを質問されるの?
A:グループ面接で、「被告人を知っていますか、事件と関係がありますか」など質問された。
  質問票に辞退希望などを記入していない場合、個人的なことは聞かれないようだ。
弁護士:弁護士も検察官も理由を示さずに不選任の請求(クジから外すこと)をすることができる。
  候補者自身に仕事や家庭の事情など辞退理由が認められる人もクジから外れる。抽選はコンピュータで
  行うが公開はされない。裁判員に選ばれた人だけをお呼びするので、選ばれなかった人が抽選に外れたのか、
  辞退事由が認められたのか不選任請求されたのかはわからない。
  アメリカでは日本と違い「この人に判断してほしい」と考える人が陪審員に選ばれるようにするやり方なので、
  個人の考えがわかるような質問もするが、日本は「公平な判断ができない可能性がある人」を選ばないというやり方をしている。

●刑を決める難しさ
A:担当した裁判の被告人は覚醒剤密輸入の罪で起訴された。関係者の証言から被告人が「指示した」
  ということで逮捕されたが、覚醒剤を持っていたわけではない。通訳のニュアンスからは被告人の気持ちが
  わかりにくかったし、証人は1人だけで、携帯の通話記録やティーバッグに偽装した覚醒剤など証拠も少なく
  「証拠はたったこれだけ?」という印象。それをどう考えるのか、有罪か無罪かについての話し合いに長い時間をかけた。
  その時は、こういう裁判は市民感覚を入れようがないので、裁判員裁判でない方がいいと思った。
D:覚醒剤はいちばん無罪が出ていて、いちばん市民感覚が入っているとも言える。難しい裁判だったのだろう。
A:刑を決める時、なぜそう考えるか理由を聞かれた。1年の重みも12年と13年の違いもわからない。
  何が正しいのかわからなくて悩んだ。量刑のデータを見せられた時は、「データを参考にするなら市民感覚はどうなるのか」
  という気持ちになったが、見ないと判断できなかったと思う。
B:市民の判断を最優先しようということでデータはあまり参考にしなかった。
A:刑務所で何をしているかとか、何年いたら立ち直れるのかなど、私たちは知らない。
  それをふまえて相応しい刑を考えるのがいいと思う。
B:刑を終えた年齢を考えて、やり直しができるだろうかという議論もした。
弁護士:裁判員裁判では有罪無罪の判断も大事だが、有罪と判断した場合にそこで裁判員の役割を終えるのではなく、
 その刑をどのようにするかを裁判員が関わって決めることの方が与える影響が大きい。市民も一緒に考えて量刑を
 決めていくのが制度の趣旨だと思う。性犯罪などの量刑は重くなっているが、良し悪しは別として、これも市民の感覚なのだろう。

●「わからない」「違う」から議論が始まる
E:裁判員は、どの程度発言できるのだろう。
弁護士:もし選ばれたら、不安なことは裁判長に伝えておけば配慮してもらえると思う。
F:裁判員ACTでまとめた「裁判員ノート」を参考にしてほしい。裁判官に遠慮せず、わからないことは聞こう。
 ためらわず意見を出して納得いくまで議論してほしいと書いている。
弁護士:「わからないことを聞く」というのは、「どう判断していいかわからない」から聞く、というのとは違う。
 意見はあくまでも意見としてとらえないと、言われるままにそうですかと聞いてしまうと、他人の意見が
 自分の意見になってしまうこともある。「違う」というだけでも議論になるので、勇気を持って発言してほしい。
A:裁判員の経験を中学校で話したことがある。はじめは「裁判員をやりたくない」と言っていた生徒達が、
 講演後のアンケートでは前向きに変わった。私自身も、裁判の時はわからないことが多かったが、今なら理解できることが増えて、
 やってよかったと思っている。知らない、わからないからやりたくないと考える人が多いと思う。
 誰でもいつかは通るかもしれない道。裁判員に選ばれてもしっかり務められるくらいの心構えがあるといいと思う。
 いろんな人に裁判員裁判を知ってもらって、参加してほしい。

 新聞の告知記事を見て参加してくださった方から感想が届きました。
 「本年度裁判員候補者になっているので、不安なこともあり、交流会に参加しました。
 場違いのところに来たのかと不安もありましたが、ざっくばらんでほっとしました。弁護士さんに
 わかりやすく説明していただいたり、経験者の方の話や思いを聞かせていただき、とても身近に感じ、心に残りました。
 帰ってから資料をむと、交流会で説明してもらったことがよく理解できて、不安な気持ちも解消されました。
 一歩前進した気分です。まだまだわからないこともありますが、やってみようという気持ちになりました。ありがとうございました」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
★“裁判員ACT”裁判への市民参加を進める会
http://www.osakavol.org/08/saibanin/index.html
★フェイスブック
https://www.facebook.com/saibaninact.osakavol
★事業報告ブログ
http://blog.goo.ne.jp/osakavol-report/c/75d41997315d8237933718b371a797bf
★裁判員ACTの提言(you tube版)
http://www.youtube.com/watch?v=Pwk2ee2Dqe0
http://www.youtube.com/watch?v=oewPvijMXB8
★裁判員ノート~裁判員になったあなたへ(you tube版)
http://www.youtube.com/watch?v=JFUgKlTPP60
 
 メンバーは裁判員経験者を含む市民、弁護士、記者など。
 月1回、CANVAS谷町に集まっての例会を中心に活動しています。
 飛び入り参加も歓迎です♪
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 裁判員ACT通信 13号 裁... | トップ | 裁判員ACT通信 15号 12... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。