大阪ボランティア協会・事業レポート

大阪ボランティア協会で実施した事業・イベントの報告を掲載しています。

裁判員ACT通信46号 ~「傍聴カフェ」放火事件を傍聴して~

2017-06-30 21:39:57 | 裁判への市民参加を進める会(裁判員ACT)
////////■□ 裁判員ACT通信第46号 第13回傍聴カフェのご報告 □■////////

今回のACT通信は、
5月17日(水)に開催された第13回傍聴カフェのご報告です。

市民が裁判員裁判を傍聴して、
法律家に専門用語や裁判についての解説を聞いたり、
感想を語り合ったりする取り組みも13回目となりました。

今回は大阪弁護士会の明賀英樹弁護士に解説していただきました。
毎日新聞の記事で傍聴カフェの取り組みを紹介し、
一般の参加者を広く募ったこともあり、
21名の方が参加しました。

今回の事件は、放火事件。
被告人は4人の子どもを持つ37歳の女性。
法廷に現れた時は、
どこにでもいるような普通の女性という印象を多くの参加者が感じたようです。
腰縄手錠で拘束されて法廷に入ってきて、
そこで開錠されますが、
スーツを着て身なりもしっかりしているのを見ると、
普通の女性です。

どんな事件だったのか。
なぜ放火などしたのか。

裁判が始まると、
訴えられた内容がわかります。

住んでいる賃貸アパートの押入れに、
火のついた紙を置き、
結果として12平方メートルが燃えたというのです。

12平方メートル。
押入れが燃えた程度で済んだわけですが、
被告は法廷に立つことになります。

ギャンブルにはまっていた被告は、
自宅の押入れで保管していた夫の会社の組合費に手をつけて
使い込んでしまっていたようです。
誰にも相談できず、
誰にも打ち明けられなかったのでしょうか。
検察の主張によれば、使い込んでいたのが「ばれたら困る」と思い火をつけてしまったということです。
放火した後すぐに、本人が消防に連絡をしたことで、火は消し止められました。
幸いにして死傷者もおらず、隣家に燃え広がることもありませんでした。

被告は火をつけたことは認めていますが、
その前後の記憶もないとのこと。
責任能力がどこまであったのかが問われました。

逮捕されてからの鑑定で、
ギャンブル依存症
うつ病
解離性障害
であったことがわかります。

正常な判断能力があったのかどうか、
どこまでの刑にするのか、
それらが問われる裁判でした。

傍聴した日は、
長男が検察側の証言に立ちました。
被告は終始目に涙を浮かべているようでした。

そんな裁判を傍聴した市民からは、
・裁判員裁判の仕組みがよくわかった
・大変勉強になった
・裁判はもっと難しいものかと思っていた
・裁判官の言葉使いも普通の言葉で分かり易いものだった
・事件もごく身近で誰にでも起こりうるようなもので関心が持てた
・休憩時間にそれまでの解説もしていただきこれまでの一人で傍聴する時よりは、いろいろ知ることができあらためて勉強になった
・初めての傍聴経験、現実の裁判が大変参考になり自分自身が裁判員に指名されたときに生かせると思う
・今日参加した日だけでも何十件と裁判が行われその数の多さに驚くとともに審議される内容は私達の身近にあることばかりで、一線を越えるときとはどういう状態だろうと思った。
・私達の持っている権利・法律についてもっと知りたいと思った
などと裁判員裁判について勉強になったという感想が多く挙げられました。

裁判を傍聴した後の意見交換でも、
「1日中すごく考えさせられて、頭がいっぱいになった」
「なぜ12平方メートルしか焼けていないのに裁判員裁判になったのか」
「自分が被告人になったような疑似体験をした」
「自分だったら感情移入してしまって裁くことができないと思う」
などと市民から率直な疑問や感想が多く聞かれ、
それに対して明賀弁護士が丁寧に説明する場面も見られました。

また、
傍聴カフェの日から1週間後に判決が出たのですが、
気になった参加者の方が数名、
判決を聞きに来ていました。

判決内容は、
懲役3年、保護観察付きの執行猶予4年
というものでした。

今回の事件については、
被告が思い詰めるまでに支援の手が入っていたら、
もしかしたら防げたのかもしれません。
うつ病などでしたが精神科医にも通院しておらず、
家事や育児のストレスを抱え込んでしまっていた可能性もあります。

裁判員裁判について、
また、事件の背後にある社会的問題について、
考えさせられるものがありました。

このような傍聴カフェの取り組みが、
少しでも考えるきっかになれば幸いです。
また今後も継続的に実施していきますので、多くの方の参加をお待ちしております。

(文責 種村文孝)


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