骨盤の後傾と歩く姿勢

2013-05-12 08:06:40 | Yogaを教えています

■ 骨盤の後傾

そういえば、金曜日の生徒さんは、ほとんど常連さんだったのですが、骨盤が後傾が大きな障害になっている人がお一人参加していました。

骨盤というのは、ホントに難しいものですよね。

■ 30°前傾が自然

まず骨盤は前傾しているのがナチュラルです。そこんところが共通理解になっていない。普通に立っているときは、少し前傾が自然な姿勢です。約30°です。

■ 骨盤の傾きの調べ方

私はヨガを教えているので、骨盤の傾きは、最初のプラナヤーマで、スカーサナで座ってもらったときから、分かります。常連さんだったら、いつもより傾いているか傾いていないかも分かる。

顕著に分かる方法を3つ書いておきます。

①仰臥位(仰向け) 

普通に仰向けに寝て、腰の下に手の平一枚くらいは入るのが普通です。手のひらが入らないほど、腰がぺったりと地面についてしまう人は、骨盤後傾(バレエではタックインと言う専門用語です)

逆に、スカスカになるくらい入る人は、よほどお尻のお肉が黒人さんみたいに発達している人を別として、骨盤前傾です。脚の付け根が曲がっていたら、骨盤前傾。バレエではこちらは専門用語がなく(あるのかな?)、私たちは俗称”プリけつ”と呼んでいました。プリッとお尻が出ているからですね。 プリけつだと、お尻の穴が脚の方向ではなく、地面の方向を向いています。

②腹臥位(うつ伏せ)

脚の付け根を見る。

付け根が浮く=プリけつ(骨盤前傾)。付け根が浮かない=正常、もしくはタックイン(骨盤後傾)。

③横から見る (立位)

横から見たときに背後に直線のラインをイメージし、

 A=背中が先に着く人 =背中の湾曲が大きい= タックイン(骨盤後傾)
 B=お尻が先に着く人 =腰椎の湾曲が大きい= ぷりけつ(骨盤前傾)
 C=それ以外= 大体同時 =正常

です。

私はカフェなどに座っているときは、人の歩き姿を見るのが趣味です…スイマセン・・・変な趣味で。姿勢マニアなのです。

で、見ている限り、骨盤後傾の人が多い。のは、椅子に座ってPC作業という仕事がここ10年で増えたからではないか?と思います。

■ 骨盤後傾の人の特徴

①猫背 (胸椎の湾曲が大きい)
②骨盤後傾 (骨盤が30°より後ろに傾いている) おへそが天を向いている。
③顎が前に出ている 胸椎の湾曲が大きいのを補うため。
④膝が曲がっている 

実は猫背&骨盤が前傾ってありえません(笑)。なので、猫背と骨盤後傾はいつもセット。逆にいうと、猫背がある人は、大なり小なり骨盤が後傾している、と言えます。

骨盤が後傾していても、前屈ができないとは限りませんが、股関節の固さを伴う人が多く、前屈が苦手な人が多いです。8割くらいは、みんな前屈が苦手。なので前屈が苦手かどうかは一つの指標になります。ただ骨盤は原因であって、前屈は結果だと思います。

【原因】         【結果】

骨盤後傾の結果 → お尻が垂れる。お尻と脚の境界線があいまいになってきます。

猫背の結果 → 胸筋が委縮(こわばる)。
           後屈が苦手になります。また、腕があまり上がらなくなります。
        
          ※腕が上がらない原因は、肩関節ではなくて、胸筋の柔軟性が乏しくなったことが原因のことが多いように
            お見受けしています。

         女性だとバストが垂れます。男性だと胸板がなくなり、スーツを着ると衣紋掛けに掛けたみたいになります。
         首のすぐ下にスーツに横にしわがよることも多い。衣紋掛けになっている人、多いですよね。
         日本人のスーツの似合わなさは姿勢の悪さにもよります。

顎が前に出る結果 → なんとか原人みたいな姿勢に。歩き方がガシンガシンと少しロボット歩きみたいになります。
              ハイヒールを履いている女性に多い。ハイヒールは実は歩き方に練習が必要な靴です。

ロボット歩きの結果 → 膝を伸ばさない歩き方なので、脚の後ろ側の筋肉ハムストリングスは常に収縮しています。
                 長座で膝裏が伸ばせない。 

猫背と骨盤後傾は常にセットですが、軽い後傾では首が前に出ているほどでもない人もいるし、ロボット歩きではない人もいます。
ひざ裏が伸ばせず後傾ではなく、骨盤前傾の人もいます。

で、これらですが、横から見てみると・・・要するに、体の前面(お腹側)の筋肉が短くなって、体の後ろ側(背中側)が伸びているということですよね?

ということで、骨盤後傾&猫背の矯正ポーズは、

・体の前面を延ばすポーズ

つまり、コブラです。 胸椎だけを伸展させたい時は、スフィンクス。(ヨガは常に対でやるので、チャイルドとセットで)

ついでにコブラの上級ポーズでアップドッグ

でも、これらは全部腹筋を抜いて行うと腰を痛めますので要注意。正しいポーズができない人が多いポーズです。特にコブラは腰だけで反る人が多いです。やったほうがやらないより腰に悪い。

と、ここでいつも挫折ですね。大体、矯正ポーズ自体ができない人が多いのです。うーん(汗)。

もしかして、体の前面の固さは、結果であって原因でないのかもしれません? 体の後ろが伸展しすぎているのですが、それも結果であって原因でないとすると、真の原因は何だろうか?というと・・・ ずっと座っていることですよね?

となると、もしかして、単なる運動不足? 筋肉の硬直の原因は、血行不良だからです。

となると、つまりなんでもいいから、起立して運動しろ、みたいな話になりますが(汗)・・・、

そうなると・・・人間にできるもっとも手軽で楽な運動と言えば、直立歩行=”歩くこと”になります。

でも、その”歩くこと”の姿勢が…と、今度は話が堂々巡りになり… うーん(汗)。

私は昔から、このことではずっと困っているのですが・・・。どうして差し上げたらいいのでしょう・・・?

結局、姿勢矯正と言うのは、意識の問題で、骨盤が後傾していると思えば、自分で後傾を直し、猫背と思えば、背筋を伸ばし…
という具合に、自ら意識して、”正しく立つ”のが一番早道、と言うことになります。

となると、結局は、タダサナ、究極の基本ポーズに回帰していくんですよね…タダサナ、ただ立つだけなんですが、ホントに奥が深いんですよね。

ちなみに、正しく立つこと(鉛直のライン)ですが、重心の線と言うのは、設地面積が広いと当然どこでも立てます。

設置面積を狭くするには・・・爪先立ちです。 あるいは、傾斜地を歩くと鉛直のラインが非常に意識しやすくなりますが同じ理論ですね、つま先立ちと。

またまっすぐ(鉛直)が重要になってくるのは片足立ち・・・でも、歩くって片足立ちの連続・・・って結局、歩けって話?!

というわけで、またまた山歩きのススメみたいになってしまうのでした(笑)

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