大阪教育条例NO!

2012年、大阪で成立した教育関連条例の具体化と、「君が代」不起立処分に反対する運動の交流ブログ

「具体的な目標」では、全国学テを基準にした数値目標のオンパレード

2012-12-08 09:56:51 | 大阪市:教育振興基本計画
 市教委は12月5日から1月4日まで「素案」についてのパブリックコメントを行っています。教育振興基本計画は、教育条例具体化の実行計画書であり、教育破壊作用は計り知れません。是非、「素案」を読み、パブコメで大阪市教委に声を届けてください。

◆パブリックコメント窓口◆

パブコメは、「応募用紙」を郵送、ファクシミリ、電子メール、持参のいずれかの方法でできます。電子メールによる場合は、下記のホームページから「応募用紙」をダウンロードし、そのファイルをメールでお送りください。

http://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/kyoiku/0000194120.html

◆大阪市教育振興基本計画「素案」

http://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/cmsfiles/contents/0000194/194120/soann.pdf
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大阪市教育振興基本計画「素案」を検証する③
「具体的な目標」では、全国学テを基準にした数値目標のオンパレード

 「素案」の「施策分野ごとの具体的な目標」には、学力だけでなく、運動や体力、PTA活動、家庭での生活、心の問題等、あらゆる項目を数値目標化し、成果を競わせる内容となっています。しかもその数値目標の基準が「全国学力テスト」の結果を3年間でどこまであげるかに特化しています。「全国学テ」という結果の一面を全ての基準に拡大し、その数値に完全に縛られることになります。これでは「全国学力テスト」至上主義、うすっぺらい教育観のあらわれではないでしょうか。大阪市教委は、全国学力テストの学校別回答率の公表も検討しており、これまで以上に数値を上げるための教育に現場は翻弄されるこことになるでしょう。
 以下、「素案」の掲げる今後3年間の数値目標を列挙します。

◆学力の向上

○ 全国学力・学習状況調査における学力や学習状況の結果において、次に掲げる水準にします。
 無解答の割合:全国平均以下
 知識に関する問題の正答率8割以上の児童生徒の割合:全国平均以上
 活用に関する問題の正答率3割以下の児童生徒の割合:全国平均以下
 「書くこと」「読むこと」に関する項目の平均正答率:全国平均以上
 「家で学校の授業の復習をしていますか」の項目について、「している(どちらかといえばしている)」と答える児童生徒の割合:全国平均以上
○ 中学校卒業段階で英検3級程度以上の英語力を有する生徒の割合を30%以上にします。
○ 児童の意識調査で「理科が好き」と答える児童の割合を増やします。

◆道徳心・社会性の育成

○ 全国学力・学習状況調査における学力や学習状況の結果において、次に掲げる水準にします。
・ 「人の役に立つ人間になりたいと思いますか」の項目について、「当てはまる(どちらかといえば、当てはまる)」と答える児童生徒の割合:全国平均以上
・ 「将来の夢や目標を持っていますか」の項目について、「当てはまる(どちらかといえば、当てはまる)」と答える児童生徒の割合:全国平均以上
・ 「自分にはよいところがあると思いますか」の項目について、「当てはまる(どちらかといえば、当てはまる)」と答える児童生徒の割合:全国平均以上
・ 「学校のきまり・規則を守っていますか」の項目について、「当てはまる(どちらかといえば、当てはまる)」と答える児童生徒の割合:全国平均以上
○ 学校園で認知したいじめについて、解消に向け対応している割合を100%にします。
○ 中学校における不登校の生徒の割合を全国平均の水準以下にします。
○ 学校園で把握した児童虐待の個々のケースについて、必要な対応をした割合を100%にします。
○ 防災に関する授業を年間2時間以上実施する学校の割合を100%にします。

◆健康・体力の保持増進

 全国体力・運動能力、運動習慣等調査の各種目の結果を全国平均の水準以上にします。
 全国学力・学習状況調査の、「朝食を毎日食べていますか」の項目について、「食べていない(あまり食べていない)」と答える児童生徒の割合を全国平均の水準以下にします。
 栄養バランスのとれた昼食(家庭弁当や学校給食)を取る中学生の割合を100%にします。

◆教職員の資質・能力の向上

 全国学力・学習状況調査の「国語・算数(数学)の授業がよくわかりますか」「国語・算数(数学)は好きですか」の項目について、「よくわかる(好き)」と答える児童生徒の割合を全国平均の水準以上にします。
 教育センター調査の「研究授業を実施した教員の授業改善が行われ、学習指導力が向上した」の項目について、「とても思う・思う」と答える校長・校内研修主担者の割合を毎年90%以上にします。

◆学校・家庭・地域の連携の推進

 全国学力・学習状況調査の「PTAや地域の人が学校の諸活動にボランティアとして参加してくれますか」の項目について、「よく参加してくれる(参加してくれる)」と答える学校の割合を全国平均の水準以上にします。


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