大阪教育条例NO!

2012年、大阪で成立した教育関連条例の具体化と、「君が代」不起立処分に反対する運動の交流ブログ

「素案」の「基本となる考え方」は、大阪維新提案「教育基本条例」とそっくり

2012-12-05 20:02:57 | 大阪市:教育振興基本計画
 市教委は12月5日から1月4日まで「素案」についてのパブリックコメントを行います。教育振興基本計画は、教育条例具体化の実行計画書であり、教育破壊作用は計り知れません。是非、「素案」を読み、パブコメで大阪市教委に声を届けてください。

◆パブリックコメント窓口◆

パブコメは、「応募用紙」を郵送、ファクシミリ、電子メール、持参のいずれかの方法でできます。電子メールによる場合は、下記のホームページから「応募用紙」をダウンロードし、そのファイルをメールでお送りください。

http://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/kyoiku/0000194120.html

◆大阪市教育振興基本計画「素案」

http://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/cmsfiles/contents/0000194/194120/soann.pdf

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大阪市教育振興基本計画「素案」を検証する②
「基本となる考え方」は、大阪維新提案「教育基本条例」とそっくり

大阪市教育振興基本計画は、そもそも2011年3月に策定され4月から実施されたばかりです。そこでは、今後10年間の大阪市の教育の「基本となる考え方」を次のように書かれています。

目標像に向けて施策や教育実践を進めるために、教育に携わる全ての人々が共有すべき考え方として、

 「“ええとこ”のばそ 大阪の教育」  を掲げます。

 「“ええとこ”のばそ」には、次の3つの考えがこめられています。
  大阪で学び、育つ子どもたちの “ええとこ” をはぐくむとともに、
  大阪に暮らし、活動する人々の “ええとこ” をつなげる。
  そのことを通して、 “大阪はええとこや” とみんなが誇りを持って言えるまちになっていく。

「大阪で学び、育つ子どもたちの “ええとこ” をはぐくむとともに、」
 全ての子どもが、「生きる力」をしっかりと身に付けることはもちろんですが、一人ひとりの子どもが、それぞれのよいところ、すなわち“ええとこ”を認められ、はぐくまれることを通じて、自らの個性や創造性を発揮して、たくましく夢にチャレンジしようとする意欲を持てるようにします。

「大阪に暮らし、活動する人々の “ええとこ” をつなげる。」
 市民・地域団体・NPO・企業・行政などが、「なにわっ子」の育成をはじめとしたまちづくりの課題に対し、それぞれの“ええとこ”を生かし、主体的にかつ協働して取り組むことを通じて、「自律と協働の生涯学習社会」を実現するようにします。

「そのことを通して、 “大阪はええとこや” とみんなが誇りを持って言えるまちになっていく。」
 そのような循環の中で、多彩な人々や個性ある教育コミュニティのつながりが更に深まり、社会総がかりで人づくりがより一層進むことで、「大阪はええとこや」とみんなが誇りを持って言えるまちになっていきます。


しかし、今回の「素案」では、「基本的な考え方」として

・ 一人一人の子どもを、個人としての尊厳を重んじ、その意見を尊重するとともに、自由と規範意識、権利と義務を重んじ、自己の判断と責任で道を切り拓き、真理と正義を求め、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備え、グローバル化が進む国際社会において力強く生き抜くことができる人間としてはぐくむこと
・ 子どもたちが、我が国と郷土の伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた国と、自らが育ったこの大阪を愛し、大阪にふさわしい新しい文化の創造をめざすようになること


があげられています。これは、2011年に策定された「大阪市教育振興基本計画」の全面的な改定になります。たった1年の実施で、全面的な改定です。

「素案」に書かれている「自由と規範意識」「自己の判断と責任で道を切り拓き」「公共の精神を尊び」「グローバル化が進む国際社会において力強く生き抜く」「我が国と郷土の伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた国と、自らが育ったこの大阪を愛し」等の理念は、2011年夏、大阪維新の会が「教育基本条例」に教育理念として掲げたが、教育委員会との協議の中で最終的には削られた内容とほぼ同じです。当時、大阪維新の会に近い高尾教育委員が「基本理念は、土台中の土台となる価値観」「(教育振興基本計画の)明文化に激しい抵抗が予想されますが、きちんと位置づける重要性は明白です」と語っていました。大阪維新の会の意向は、すんなり「素案」に盛り込まれたのです。

参考までに、大阪維新の会大阪市議団が提案した「基本理念」は以下の通りです。

(基本理念)
第2条市における教育行政は、教育基本法第2条に掲げる目標のほか、次の各号に掲げる具体的な教育理念に従ったものでなければならない。
⑴ 個人の自由とともに規範意識を重んじる人材を育てること
⑵ 個人の権利とともに義務を重んじる人材を育てること
⑶ 他人への依存や責任転嫁をせず、互いに競い合い自己の判断と責任で道を切り開く人材を育てること
⑷ 不正を許さず、弱者を助ける勇気と思いやりを持ち、自らが社会から受けた恩恵を社会に還元できる人材を育てること
⑸ 我が国及び郷土の伝統と文化を深く理解し、愛国心及び郷土愛に溢れるとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する人材を育てること
⑹ グローバル化が進む中、常に世界の動向を注視しつつ、激化する国際競争に迅速的確に対応できる、世界標準で競争力の高い人材を育てること


その意味では、今回の大阪市教育振興基本計画「素案」は、大阪維新の会市議団の「教育基本条例」を大きく取り入れたものとなっています。


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