アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

2017 札幌地区アイヌ民族フィールドワーク開催

2017-10-24 19:21:34 | 日記

前述しましたが、さる、10月12日に新篠津にてわたしたちの教団の北海道内の牧師たちの研修会の中で

楢木貴美子さんをお招きし、「樺太アイヌ(エンチウ)として生きて」の講演を伺うことができました。報告・感想は12月発行予定の機関紙「ノヤ」に掲載します。

また、10月19日には札幌地区アイヌ民族フィールドワークでも楢木さんのお話を伺うことが出来ました。前回のお話に加え、お友達が楢木さんのお話を聞いて、想像をたくましく膨らませて書いた紙芝居の写真と、樺太にお墓まいりに行かれた際の写真とを紹介して頂きながら、ご自身の体験をお話くださいました。

楢木さんは、バスの車掌のご経験もあり、とても聴きやすい話し方で、分かりやすくお話くださいました。エンチウの皆さんが大変なご苦労をされたことに胸が苦しくなりました。お話くださって感謝でした。

 

もうお一人は、カナダ合同教会の世界宣教師委員会総主事であるパティ・タルボットさんのお話を伺うことができました。パティさんの話も、通訳を担当してくれましたわたしたちアイヌ民族情報センタースタッフのロバート・ウイットマー宣教師から資料を頂戴した後に詳しく紹介いたします。ここでは、簡単なメモ程度に一部を書きます。

カナダでは2015年に「真実と和解委員会」が7年をかけて先住民族の歴史と現状についての調査を終えた。本当の意味での和解をするためにわたし達は何よりも先住民族の権利に関する国際連合宣言 (2007年 以下、「権利宣言」)を実行しなければならない。教会も政府も企業も直接的に権利宣言の原則と批准を自分の政策や活動や手続きにおいてはっきりとさせなければいけない。権利宣言の法則と行動と基準に基づいて真実と和解委員会は94の呼びかけをしている。カナダ合同教会をはじめ諸教会は、この権利宣言と真実と和解委員会の呼びかけを受け止めて実行に移そうとしている。2015年の11月に国連の特別委員会がつくられ、それによってこの働きが進んでいるかどうかを見ています。2016年にはカナダ合同教会において先住民族に関する特別委員会を設置し、これからの未来に何が必要かを話し合っている。

権利宣言の行動への基準についてカナダ合同教会は6つに分けた。まず、①先住民族としての自己決定権を持つこと、②何かを決めるときに先住民族が参加する権利、③資源、土地を持つ権利、④先住民族の文化を守る権利、⑤何かを決めるときにはまず先住民族と相談し評価を得なければならい、⑥差別をなくすること、です。この権利宣言をほんとうに認めることになるなら、カナダの教会と先住民族との間にまったく新しい関係が生まれるだろう。

テープを聞いて書いたので不確かな部分があるため訂正も含めて後日に行いますが、カナダ政府やカナダ合同教会が先住民族の権利に関する国際連合宣言を重く受け止め、実践していこうという前向きに努力を重ねている姿勢に教えられました。

 

さて、昨年の2016年7月に浦河町杵臼へ80数年ぶりに12箱の遺骨が返還され再埋葬を行いましたが、北大が杵臼から持ち去ったご遺骨の中で1年のあいだ北大が情報公開して引き取り人が名乗って来られるのを待った結果、引き取り人が現れなかったご遺骨が今月の28日に返還され、儀式と共に杵臼に再埋葬されます。

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