パララン山脈の向こう

思い出せないくらい昔 私はパララン山脈の向こうに生えていた草だったんだ

第三幕 5. 全部の思い出の重さは 誰も同じ

2017-02-19 14:10:08 | パラ山
出鱈目亭の店主が壺を持って踊っていた時 おかみさんは深い眠りの中を 気持ち良さそうに泳いでいたのさ。そうなんだ おかみさんは 夢泳ぎ の名人なんだ。ずいぶん前に 珍しく起きていたおかみさんが突然 俺に言うんだ。おまえの身体の中には深い海があるんだよ。闇だ。だから息を吐く時は ちょっとでもいいから闇を吐かなくちゃいけない。吸う時には空の光を吸うんだ。みんな知らず知らずのうちにそうしてるんだけどさ。と言ってまた寝てしまった。それを聞いていた 見つめ族の男が なに寝ぼけたことを。じゃ俺は逆に息をしてやるぜ。なんて俺を見つめて笑っていたよ。結局その男は闇の糸に絡まって 今は光の届かないところにいるって話だよ。バラクワバラクワビックリプー。

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