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滅菌包装

2017-11-05 11:14:13 | 医学情報
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

今日は滅菌包装についてです。

滅菌包装材料の特性
滅菌包装材料の素材および取り扱い基準について、アメリカのAORN(As-sociation of periOperative Registered Nurses)では、その実施基準として以下の条件を満たさなければならないとしている。
①滅菌工程に適合している。
②包装材料は内容物の無菌性を維持し、塵埃や微生物のバリアとなる。
③無菌的な取り扱いが容易に行える。
④包装の方針や手順は文章化して毎年再検討を行い、実施要項をいつでも提供できる。
また、滅菌包装の素材には数々の特性が求められている。
①しなやかさ、柔らかさを備えている。
②水蒸気、滅菌ガスを通す(滅菌効率がよい)。
③十分な強度を備えている。
④毒性がない。
⑤撥水性がある。(水分湿潤に抵抗性がある)。
⑥撥アルコール性がある。
⑦低発塵性である。
⑧排気が簡単で安全である。
⑨摩擦強度がある。
⑩細菌バリア性が高い(無菌性が維持できる)。
⑪耐圧力性がある(高圧に耐えられる)。
このように、滅菌包装材料には細菌不透過性のみならず、その滅菌法に適応した性能が求められている。例えば高圧蒸気滅菌法では空気と水蒸気の通過性に優れたものが必要であり、酸化エチレンガス滅菌法においては空気、水蒸気と酸化エチレンガスの通過性に優れたものであることが必要条件となる。

滅菌包装材料の素材別種類
医療現場で使用されるものは、紙製バッグ、綿布、不織布、不織布製バッグ、フイルムと紙を合わせたパウチ、プラスチックなどがある。さらに近年、金属製容器として従来の金属?から滅菌コンテナが広く一般的に用いられるようになった(図1-①〜③)。
①紙製品
クラフト紙(茶)
クラフト紙(白)
②綿布製品
高圧蒸気滅菌用モスリン140番(thread count)
③不織布製品
湿布不織布
スパンボンド不織布
スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(いわゆるSMS)不織布
スパンレース不織布
ポリエチレン不織布
④金属製品
滅菌コンテナ
蓋付きトレイ
金属鑵(カスト、ケッテル、ドラムともいう)
アルミニウム箔
⑤その他
ポリエチレン
ポリプロピレン
塩化ビニル
ナイロン6
ポリアマイド



紙製包装材料
1)構造と特性
紙製の滅菌包装形態は通称"滅菌バッグ"とよばれている。
紙は網目構造をもち、その構造内に空隙として気孔が存在する。この空隙は滅菌工程において極めて大きな意味を示す。
用途としては高圧蒸気滅菌や酸化エチレンガス滅菌で使用されている。
滅菌工程では通常プリバキュームが行われ、その後、蒸気や滅菌ガスが導入されて高圧が持続する。一定時間経過後に排気して空気置換が行われる。このように滅菌工程においては、チャンバーの中は常に高低の激しい圧力変化を示しており、滅菌用のバッグにかかる圧力の負担は大きい。紙製包装材料はそのような場合でも、滅菌バッグの紙の空隙は微生物を通過させないが、空気や蒸気あるいは滅菌ガスは通過させるので、バッグ内にガスや蒸気が流入しやすく、しかも内圧が上昇しても破損しないという特性をもっている。
蒸気やガスの透過性、細菌バリア性、耐破袋性は、紙の製造工程において任意に加減することが可能な透気度(空隙)により調整できる。すなわち、紙の微細な繊維と繊維の間の空隙率により蒸気やガスの透過性、細菌のバリア性と耐破袋性が左右されている。
紙の中に存在する空隙は以下の3種類に分類される。
①紙の表面から裏面まで非直線的に屈曲しながら複雑に長い経路で繋がる貫通孔。
②紙の片方面のみと交通のある空隙。
③紙の外表面とは交通のない内面のみの空隙。
貫通孔は透気度を示す重要な空隙であり、紙の厚さに対して直線的に形成されているのではなく、繊維の複雑な接着と絡み合いにより、極めて小さく、かつ距離の長い迷路のような気孔を形成している。

2)紙の強度の表示
一般的に紙の強度は引き裂き強度、引っ張り強度、破裂強度の3つの強度で表示されるが、耐折強度が問題となる場合もある。
①引き裂き強度:引き裂くときに要する強度。
②引っ張り強度:裂断長と表現される場合もあるが、紙を引っ張って切れるときに要する力をいう。
③破裂強度:押し破ったときに要する強度。
④耐折強度:折り曲げて破れるまでの回数で表す。

3)滅菌バッグの長所
包装の特徴として以下の点があげられる。
①包装の作業性がよい。
②滅菌効率がよい。
③内部ガスや蒸気の排出が良好であり、残留ガスの離脱が早い。
④滅菌の保存性が高い。
⑤軽量でかさばらない。
⑥使用時の開封が容易で不潔になりにくい。

4)滅菌バッグのシール方式(封緘方式の種類)
(1)粘着テープ式
紙×紙タイプの滅菌バッグの端部に両面粘着テープが付いており、粘着部の剥離紙を剥がし、二重に折り曲げて封緘する方式である。バッグシーラが不要で簡便である利点がある。粘着テープを使用しているため粘着剤の劣化が考えられ、未使用での長期保管はできない。
(2)アルミバー方式
紙×紙タイプの大型品に使用される方式で、粘着テープの代わりにアルミバーが付いたタイプである。端部を二重に折り曲げて封緘する方式である。粘着テープ方式と同様でバッグシーラが不要で簡便である。アルミバーおよび封緘方式にテクニックが必要である。
(3)ヒートシール方式
①紙×紙タイプ口糊タイプ:紙×紙タイプの滅菌バッグで口部に接着剤が塗布されており、バッグシーラにて熱溶着させることにより、封緘される。
接着剤の凝集破壊により接着される。
②紙×フィルムタイプ:滅菌紙とフィルムの組み合わせからなる滅菌バッグは、フィルムの内面に熱可塑性樹脂であるポリプロピレンがあり、バッグシーラで熱をかけることによりポリプロピレンが融解し、滅菌紙に投錨することによりヒートシールされる。過酸化水素ガスプラズマ滅菌、使い捨て医療機器に使用されている滅菌バッグのフィルムには、ポリプロピレンに代わり、熱可塑性樹脂としてポリエチレンが使用されている。
ヒートシール方式は簡便で作業性が良好であるが、高圧蒸気滅菌においてその工程中に滅菌バッグのシールが剥がれる危険性があり、3つの方式のなかで最も注意を要する。
ヒートシール方式では、熱線の付いている方にフィルム面を当てがい操作する。
なお、ヒートシールの強さの測定は、「日本工業規格(JIS)Z 1707食品包装用プラスチックフィルム7.試験法7.5ヒートシール強さ」に準拠して行うこととなっている。
5)未使用バッグの保存
紙封筒タイプの口糊熱シール、紙/フィルム熱シール(ワンシール、ロールタイプ)は長期保管が可能である。粘着テープ方式の大型紙封筒タイプの場合には、大気中保存で2年経過すると接着力の低下がみられる。外袋を開封した滅菌バッグはなるべく早く使用すべきである。

綿布製包装材料
包装は医療器材をそのまま綿布に包むか、あるいは金属(ステンレス)製多孔トレイの中に手術器械などを並べたものを綿布で包む方法で行う。
一般的には、綿布を使用した二重包装法が用いられてきた。二重にする理由は、滅菌の保存期間の延長とともに安全に滅菌物を取り出すためである。安全保存期間は短く、密封できる棚に保管した場合でも一重包装では1週間、二重包装では7週間程度である。解放した棚では一重包装では2日間の保存期間とされている。
綿布が濡れた状態では滅菌後の滅菌汚染を生じやすいため、常に乾燥に留意する。

不織布製包装材料
1972年に滅菌用包装材料として不織布が登場した。従来の紙や綿布では達成することのできなかった撥水性、撥アルコール性、柔軟性、強度、低発撥性などの性能で優れた特性を示す素材であり、不織布は滅菌包材として次第に認められるようになった。
1970年代後半には水流絡合方式によるスパンレース不織布が考案され、綿布に匹敵する強度と柔軟性をもち、かつ細菌バリア性に優れた製品となった。

滅菌包材の使用方法
滅菌しようとするセットの内容は、リネン類と金属類は一緒にしないように注意する。両者を混入させた場合には、蒸気の浸透が悪くなり、かつ滅菌後の乾燥が遅れるからである。
トレイを重ねて滅菌する場合には、蒸気が浸透しやすいように間にタオルを挟んで重ねるとよい。
その他の留意点を以下に示す(図2)。
①包装する器材に合わせて正しいサイズおよび強度の包材を選ぶ。
②二重に完全に包装する。
③包みは緩めにして蒸気が通りやすいようにする。
④包みの端は折り返しを作り、開きやすい手順で包装を確実に行う。
⑤折り目やしわを作らないように包む。
⑥テープでしっかり止める(包装外部用の化学的インジケータを貼り付ける)。
手術器械セットの場合には、底に穴の開いたトレイや金網式のトレイ(図3)などを使用する。さらに器材はtight lock式のクランプはすべて開いた状態にするか、または分解して蒸気がすべての表面に接触できるように工夫して包む。あまり密に詰め込まないようにする。






参考文献 改訂第4版医療現場の滅菌
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