東京・顕微鏡だけの歯医者さん☆Advanced Care Dental Office ☆ 秘書・滅菌業務管理担当aki

顕微鏡だけで診療を行う歯科医院。☆Advanced Care Dental Office ☆滅菌業務・滅菌管理担当

酸化エチレンガス滅菌 (4)

2017-08-27 00:36:03 | 医学情報
こんにちは
東京マイクロ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

今日も引き続き、酸化エチレンガス滅菌についてです。

滅菌剤の特性

1)酸化エチレンの特性
EOは非常に活性の高い化学物質である。EOと希釈剤である二酸化炭素の特性と安全対策について、表3の製品安全データシート(MSDS)に示す。




2)EOと希釈剤
EOと空気との混合物は3〜100%と非常に広い燃焼範囲をもつもので、危険性を軽減するために二酸化炭素などの不活性ガスを混合して使用する。

残留EOの除去

「滅菌剤の特性」に示したように、EOは毒性が高いことから、被滅菌物にEOおよびその反応生成物が残留してないことが重要である。被滅菌からの除去方法は、滅菌済み品を長時間大気に放置するか、ガスエアレーター(専用ガス抜き装置)を使用して強制排出を行うようにする。現状では、滅菌装置にエアレーション機能を付属した装置が一般的である。最もEOが残留しやすいPVC(塩ビ)製品の場合、24時間後でも数ppmの残留を認める。
滅菌物にEOが吸着されたものは、滅菌後も数時間ないし数日間残留するため、それが直接生体に触れると害を及ぼすことがある。したがって、作業環境の安全の確保の点からも十分なエアレーションを行う必要がある。
表4は米陸軍(MIL)規格による、エアレーションに必要な最少時間を示す。
表5は1978年にアメリカ食品医薬品局(FDA)が推奨した残留規制値(案)である。さらに、ISO10993-7:2008に残留EOの基準が定められており、平成24年(2012年)にこのISO規格を基にJIS T 0093-7:2012が制定され、国内でもこれに従うこととなった。


作業環境と環境保全関連
1)職場環境と酸化エチレン
「滅菌剤の特性」に示したように、EOは毒性が高く、また発癌性も疑われていることから、我が国では特定化学物質取締規則によって、その取り扱いについて厳しく規制されている。ここに主な規制の内容を示す。
(1)作業主任者の選任
(2)作業環境の測定

半年に一回以上、EOを取り扱う作業環境のガス濃度を測定し、その結果を30年間保存しなければならない。管理濃度限界値は1ppm以下である。
(3)作業者の健康診断
半年に一回以上健康診断を行い、健康診断の記録は5年間保存しなければならない。
(4)作業記録
作業者の作業記録を作成し、結果を30年間保存しなければならない。
(5)防毒マスクの着用
ボンベ交換時や滅菌器内へ入る場合は、防毒マスクを着用すること。
(6)換気
EOを使用する場所には換気扇などを取り付けて換気をよくし、作業環境の濃度を極力低く保つこと。
(7)その他の作業環境対策
①使用場所には、ガス検知器(EO検知管)などを備えておき、定期的に作業環境のチェックを行う。漏洩検知警報器(ガスモニター)を設置することが望ましい。
②滅菌済み品を保管する部屋などの換気にも十分気をつけること。
③EOガス滅菌器からのガス漏れがないように定期的に保守を行うこと。
④警報器・ガス検知器・被曝量測定器の設置。

2)酸化エチレンガスの環境への排出規制について

現在日本において、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」が施行されており、「第一種指定化学物質等取扱事業者」に対し、1年間の取り扱い量によって各種管理を要求されている。この第一種指定化学物質に本EOが指定されているが、事業所の条件は1トン/年以上である。またEOが第一種指定化学物質のなかの特定第一種指定化学物質となっており、すぐに対応を迫られる状況にはなっていないのが現状である。しかし、早期に大気に放出する場合の処理を準備する必要はあると思われる。
EOガス排気処理装置は、非常に設置スペースを取られ高価であり、産業向けの製品がほとんどであったが、このような背景から病院施設にも導入できる比較的小型の排気処理装置が販売され始めてきている。また、各地方庁で大気中への排出についての規制が始まっている。例としては東京都、大阪府、埼玉県、三重県、愛知県などがある。

参考文献 改訂第4版医療現場の滅菌
ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 酸化エチレンガス滅菌 (3) | TOP | 過酸化水素低温ガスプラズマ... »
最近の画像もっと見る