第二十九章 心の状態

2017-05-18 12:19:10 | 日記
第二十九章 心の状態

 時系列は同じ、前回の続き。
「気になるんだよ、先日あった人たちが。彼らは、いわゆる、そうだな、草食系男子というのだろう。妙に人間が出来上がっている。二十代、三十代でこういうことを言うんだ。なるようになりますからって。イベントを引き受けても十分な努力をしない。妙に覚めてて、ごり押しの努力をすることもない。ダイアー博士が映画の中で恋人を求める女性に、君は情熱を持って人生を生きているかいと聞くシーンがある。人生の主人公になって情熱を持った人が少ないように感じる」
「人生に情熱は必要なのはわかるし、あなたの言いたいこともわかる」
「俺たちの年代が言うのなら分かるが、二十代、三十代、あるいは四十代の人たちが、なるようになる、あるいは縁があればというのはどうもしっくりこない。確かに、ヨガナンダはすべてなるがままに生きていた。しかしそれは、絶大なる神への信頼、そして完璧なる純粋さによって実現させている。そうではない俺たち一般人は、徹底した努力をした後、それを手放し、天に任せるのが大切だと感じている。絶大なる信仰、あるいは完璧な純粋性を持たない者が、なるようになると言っても絶対にそれはなるようにはならないのだ。だから若い時は、様々な困難中で、血の涙を流す努力を行い、そしてさまざまな苦しみに耐える経験が必要になる。苦しい思いをしたくない、恥ずかしい思いをしたくない、これらの不純な動機によって、一体どうして神の加護が受けられるのだ」
「かつて私も大変な努力をしてきた」
「しかし、今の君は努力をしなくても、とんとん拍子に様々なことが実現している。思うだけで様々なことを実現させている。後でその理由を教えてくれ。今の君は絶大なる神への信頼、そして完璧な純粋性を持っている。私はそれを知っている。しかし多くの人は、純粋性を持たないのに都合のいい時だけ加護してもらおうと言うのは、それは神の冒涜でもあるだろ。その者たちはすでに日常的に罰を受けている。それは消極的な人生。死を迎えた時、自分の人生を振り返り、もっと冒険しておけばよかったという後悔。そして結婚できないということだ、魅力がないからね」
「あなたの言っていることには賛成するわ。ただもう少し気づかなくてはいけないことがあるの。それはbeingとdoing。自分がどう状態にあるかがbeing。その状態で自然に起こるのがdoing。多くの人はdoing、つまり何をするかばかりに意識が向いている。でも今の自分の状態がどのようなものかを理解してはいない。doingは簡単なこと。ただ行動を起こすだけ。行動を起こさないかは自由。でも、大切なのはbeing。どういう気持ちで今自分があるのか、それにしっかり気づかないとダメ。それがbeing。それが神と共通のものであれば、自然にdoingが始まる。今の自分がどのような状態かで行動は、おのずから起こる、そして始まる。私は二十代の時に苦労を感じて、それを乗り越えて気づいた」
「多くの人はbeingが神とかけ離れている。だから苦労ばかりする。あるいは必ず失敗するから、いつの間にか消極的になる。自分を抑え込んで、死ぬときに後悔するんだ。小さな人生だったなって」
「それは本人の自由意志。でもね、そのような人に怒りを持ってはいけないわ。怒りを持てば持つほど、あなたの人生は薄っぺらいものになるから」
「そうだな。君のようにすべての動機が、つまりbeingが愛であれば、doingは、やっと初めて向こうからやってくるってわけか。多くの人々が癒しを求めているが、それはbeingが間違っているからか」
「私は癒しには関心がない。癒しだけっていうことではだめなの。その時に起きた癒しによって、現実に何が変わったかという現象がなければ意味がない。現象が起きない、その場だけの癒しは薄っぺらく感じる」
「癒されたと言って、また同じ日常に戻る。そしていつもの思考が始まる。それは永遠の依存。確かに無意味だ」
「でも責めてはだめよ。あなたでも、やっと気づいてきたことだから。人はいつか気づく。必ず気づくの」
「今思ったんだが、君は自分の喉をたったの3分間で治した。それは君のbeingが影響しているのか」
「そう」
「君のような純粋性を俺が持つことができるわけがないじゃないか!!」
なんだか腹が立ってしまった。
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