公明新聞に昨日に引き続き掲載していただきました。
全国初 罰則付き条例制定へ
許さない飲酒運転(下)―福岡からの報告
「死んだ息子は戻らない。でも、飲酒運転は今も繰り返されている。行政は飲酒運転できない社会づくりを進めてほしい」―。
飲酒運転事故の悲劇から1年。山本寛大(かんた)君の両親らの訴えを受け止めた福岡県議会では、議員提案により全国初となる罰則付きの「飲酒運転撲滅運動の推進に関する条例」(4月施行予定)をまとめた。県民の責務としてアルコール依存症等の治療を義務付けたのが特長だ。
依存症の検査義務付け
飲食店の責務も明確に
同条例には、飲酒運転をした違反者にアルコール依存症の検査を義務付け、拒否した場合は5万円以下の過料を盛り込んだ。客から違反者を複数回出した飲食店が防止措置を取らない場合、店名の公表とともに指示書の掲示を求め、命令に違反すれば過料を科す内容だ。
また、アルコール依存症等の専門病院を対策センターに指定。地域、職域、行政機関等との間に予防・治療につながる連携体制の構築が明記された。
2002年の道路交通法の改正から事故の厳罰化は進んでいるが、事故の根絶には至っていない。その一つの要因として、アルコール依存症が挙げられる。福岡県警察によると、10年の県内での飲酒運転検挙者は1711人。「そのうち4人に1人がアルコール依存症の可能性がある」と、大島英彦警視は調査結果を示す。
昨年8月、福岡県議会は4会派の代表らで構成される「飲酒運転撲滅条例調整会議」を設置。これまで12回行われてきた。
公明 予防・治療の連携を推進
公明党からは遺族に寄り添ってきた大塚勝利議員が参加した。大塚議員は翌9月、飲酒運転根絶へ向けた取り組みの先進地である沖縄県へ向かった。同県の那覇保護観察所では、医療機関と連携しアルコール依存症等の予防・治療に取り組んでいる。
視察をもとに、大塚議員は「予防・治療につながる仕組みを条例に入れるべき」と訴え、条例制定をリードした。独立行政法人国立病院機構・琉球病院の福田貴博医師は「飲酒運転の減少にはアルコール依存症への対策が必要であり、行政と医療の連携が不可欠」と話す。
飲酒運転事故件数の全国ワーストを脱した福岡県だが、未だ全国の中で高水準にあるのは事実。今後、飲酒運転撲滅に向けて、全国初の条例の成果が問われることになる。【九州支局・関口達也】
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