大辻隆弘 題詠100首のために

大辻隆弘が題詠100首のためにつくったブログです。

095:しっぽ(大辻隆弘・再)

2008-10-04 20:56:33 | Weblog
おっちゃんとしっぽり濡れてみいひんか、などと言はまほしき秋の雨

094:沈黙(大辻隆弘)

2008-10-04 20:34:30 | Weblog
ひややかにひねもす雨の降る庭に沈黙のひとは帽子をかむる

093:周(大辻隆弘)

2008-10-04 20:30:20 | Weblog
脚ながき花山周子わが横に座りしばらく凹みてゐたり

092:生い立ち(大辻隆弘)

2008-10-04 20:27:08 | Weblog
秋づける刈り田よりはや生ひ立ちてふたたび青葉そよぐ穭は


「穭」=「ひつぢ」

091:渇(大辻隆弘)

2008-10-04 10:18:51 | Weblog
餓ゑ渇きさらぼふものを足に蹴り踵に踏みて去らむとするか

090:メダル(大辻隆弘)

2008-10-04 09:59:43 | Weblog
輝けるメダルの端を歯に噛んで笑ふにほんのわかもの醜


「醜」=「みにく」

089:減(大辻隆弘)

2008-10-04 09:12:08 | Weblog
陽のひかりゆふべ減りくる森影にあけびは白き実を垂らしたり


088:錯(大辻隆弘)

2008-10-04 09:07:43 | Weblog
ひといきに食ふか否かはさて錯いて滴る桃のこの紅よ


087:天使(大辻隆弘)

2008-10-03 11:11:30 | Weblog
くさかげの雫にふるふミカエルは天使九階梯の第八

086:恵(大辻隆弘)

2008-10-03 10:54:47 | Weblog
草をふ踏む山中智恵子の足袋白し然もはつかにうつつ超えつつ


「然も」=「しかも」