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【著者に聞きたい】太朗想史郎さん 『トギオ』(産経新聞)

2010-02-07 10:05:57 | 日記
 ■“異端”の素顔とは

 作家による文学の新ジャンルや新たな文体への挑戦はほぼ試され、書き尽くされたのではないか。こんな想像を軽々とぶち破る“異端作”が登場した。第8回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作『トギオ』は、かつてない文体で新分野を拓(ひら)きながら、読者を異次元の文学世界へ引き込んでいく。

 同賞への応募は4度目の挑戦という。なぜ“このミス”だったのか?

 「ほかの賞の選考委員はたいてい小説家です。たぶん僕の小説は初めから選考ではじかれてしまうと予想できました。だからプロの読み手に判断してほしかったんです」

 “このミス”の選考委員は小説家ではなく書評家たち。そのプロの読み手はどう講評したのか。

 大森望氏は「冒頭の一行から尋常ではない」と驚き、茶木則雄氏は「一言で言って、ものが違う、と感じさせる異彩ぶりだった」と称(たた)え、吉野仁氏は「『このミステリーの枠を超えてすごい!』大賞は文句なしに、これ」と大絶賛した。

 異才が育(はぐく)まれた背景を探ると「大学時代にどうも自分は組織に向いていないなと気付きまして…」。現在30歳。就職活動を途中でやめたため社会人経験はない。自宅に引きこもり、いわゆるニートとして過ごしてきた。が、大学4年生のとき、本格的に小説を書き始める。同賞にこだわった理由は「選考委員の講評をすべて教えてくれるから」。弱点を克服しながら、独創的な文体を練り上げていった。

 貧しい村で激しくいじめられ傷つけられた主人公の少年が港町へ逃亡し大都会・東暁に流れ着く-という物語。東暁とは“歪(ゆが)んだ大都市・東京”を指すと想像できる。

 朝から昼過ぎまで執筆し、午後3時から散歩に出掛け、本屋で数冊買って帰宅、夕食まで執筆する。この生活を変えるつもりはないという。「賞金の使い途? 好きな本を買いたいです」。“異端”な青年の素顔は柔和だった。(宝島社・1470円) 戸津井康之

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【プロフィル】太朗想史郎

 たろう・そうしろう 昭和54年、和歌山県生まれ。小学6年から中学卒業まで英ロンドンに在住。一橋大学卒業。

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