温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

蔵王温泉 四季のホテル(離の湯 百八歩) 前編・内湯

2016年06月25日 | 山形県
 
蔵王温泉の中心部からちょっと離れたところに位置するリゾートホテル「四季のホテル」で立ち寄り入浴してまいりました。
曲線を描くこの本棟には、立派な大浴場があるのですが、残念ながら温泉が引かれておらず真湯のみであるため…


 
こちらで温泉に入りたければ、離れの温泉棟である「離れ湯 百八歩」を利用することになります。といっても、いきなりこの離れを訪れてもダメ。立ち寄り入浴の際には、まず本棟で受付を行い、入浴券を入手してから温泉棟へと向かいます。蔵王温泉の「湯めぐりこけし」も利用できますが、多くの施設ではシール1枚で入浴できるのに対し、こちらでは2枚を要するので、その点は予め確認しておいた方が良いでしょう。ちなみに百八歩とは、ホテル本棟から離れまでの距離を歩数で示したものなんだそうですが、煩悩だらけの私はその名前を目にすると「このお風呂でテメーが抱える108の煩悩を落としやがれ」と糾弾されているような気がし、その後ろめたさのため、玄関の扉に手をかける瞬間は全身に緊張が走りました。


 
ウッディで落ち着いた雰囲気の玄関ホール。正面に足湯があり、その左右に浴室が配置されています。2つの浴室は基本的にシンメトリなレイアウトになっているのですが、露天風呂だけは異なった造りになっており、それゆえ日によって男女を入れ替えているようです。宿泊客なら両方入れますが、日帰り利用の私は片方だけ。ちなみに私が訪れた時には右手の浴室が男湯に指定されていました。


 
下足場の前には番台があるのですが、私の訪問時は無人でした。この窓口カウンターに置かれている小箱に、入浴券を投入します。


 

玄関ホールの正面にある足湯は、利用しながら庭越しに蔵王連峰を眺められる素晴らしい造り。
腰掛けには足拭きタオルが用意されており、心配りにもぬかりありません。


 
 
モダン和風の木造で清潔感に満ちた脱衣室は、ガラスを多用しているので明るく開放感があり、各種アメニティも揃っているので、使い勝手が大変良好です。フローリングの床は綺麗に磨き上げられており、ピッカピカに輝いています。細かい点ですが、棚が斜めにセッティングされていて、収納したものが取り出しやすくなっているところも、お宿のホスピタリティーがよく現れているように思われました。


 
浴室は天井から床まで全て木造という立派な造り。伝統的な趣きとともに、現代的な利便性や快適性などのニーズもしっかりと取り込んでいる、実に美麗で素敵なお風呂です。またガラス窓も多用されているため、照度が十分で見通しもよく、開放感すら得られました。洗い場にはシャワー付きカランが5基並んでおり、一つ一つに仕切り板が取り付けられているため、隣同士で干渉することなく、快適に利用できます。


 
浴槽も総木造でゆとりのあるサイズ。やや深めの造りなので、肩までしっかり浸かることができました。湯口から滔々と注がれるお湯は青白く濁っており、シックな木目とのコントラストがとても美しく神秘的です。美しいだけでなく、お湯の投入量もしっかり多く、私が湯船に浸かるとザバーッと豪快に音を響かせながらお湯が溢れ出てゆきました。オーバーフローのお湯が流れ去ってゆくグレーチングは、まるでこけしの胴体のような木工品。こんな細かなところにまで木材のぬくもりに一途なんですね。素晴らしい!


 
湯船の底にはたくさんの湯の花が沈殿しています。私が湯船に入る前は、その沈殿が撹拌される前でしたので、底面が見える程度の透明度を有していましたが(画像左or上)、私が入ると沈殿が一気に撹拌され、たちまち底面が全く目視できなくなるほど濃く濁ったのでした(画像右or下)。

内湯だけで十分ブリリアントなのですが、さらに露天もあるんですね。
あまりに素敵なお風呂でしたので、ついつい文章が長くなってしまいます。このため、今回はここまでにして、露天風呂に関しては次回記事(後編)にて取り上げます。

後編へ続く

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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こんにちは~ (へす)
2016-06-25 16:42:36
はじめまして(^^)
いつも楽しく読ませて頂いております!

>たちまち底面が全く目視できなくなるほど濃く濁ったのでした
これを1人で楽しむ時がありますよ
勝手に濁り湯の醍醐味と称してます(^^;
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Unknown (K-I)
2016-06-25 23:26:27
へすさん、はじめまして。
取り留めもない記事ばかりで恐縮ですが、いつもありがとうございます。

>濁り湯の醍醐味
空いているとき、しばらくお客さんが入っていないとき、など限られた条件で味わえる楽しみですよね。特に蔵王のような温泉の場合は、まさに「醍醐味」の語源の通り、白い沈殿が舞いあがって醍醐のような濁りを帯びる過程を目にすると、思わず「おおっ」と声を上げちゃいます(笑)。
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