温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

音更町東和 帯広リゾートホテル

2014年03月15日 | 北海道
 
十勝平野の帯広周辺地域は私が大好きなモール泉の宝庫でありますが、今回はそんな中でも音更町北部の国道241号沿いにある「帯広リゾートホテル」で立ち寄り入浴して参りました。国道の路傍に建つ大きな看板が目印です。帯広と冠名していながら、帯広の市街地からはかなり離れた場所に位置しており、それどころか音更の中心部からも離れているんですね。ま、道東道の帯広音更インターからは近いですし、車を使えば帯広中心部からもそんなに時間はかかりませんけどね…。


 
ロビーにて直接入浴料金を支払います。この日、玄関脇に立てられている歓迎札にはたくさんの名前が並べられていましたが、その多くは工事関係の業者さんだったようです。そんな殿方が宿泊中にも退屈しないで済むように、フロントの傍には宿泊客用のコミックコーナーが設けられていました。



ロビーの左側にさがっている青い暖簾を潜って浴室へ。


 
脱衣室は古びているものの機能的にまとめられており、ロッカーの他、流し台や無料で使えるドライヤーなども用意されていて、使い勝手はまずまずでした。


 
この時は夕方に訪れたのですが、こちらは地元の方にとっては銭湯のような存在でもあるようでして、浴室内は一日の汗と疲れを流すべく多くのお客さんで賑わっていました。室内はタイル貼りで、右側にオートストップ式のシャワー付きカラン(お湯のみ)が9基設置されており、左側には大きな浴槽が据えられています。全体的に古いながらもきちんとメンテナンスされており、気持ちよく利用することができました。また手前側(脱衣室側)にはサウナや水風呂もあります。
浴槽は20人近く同時に入れそうなとても大きなもので、洗い場側の一部は泡風呂(2人分)となっています。湯使いはれっきとした完全放流式であり(加水加温循環消毒なし)、脱衣室側の湯口から投入された源泉は、大きな湯船をゆっくりと流れて反対側(窓側)の切り欠けより排湯されています。このように浴槽内でお湯の流れがあるため、湯口に近い方では熱く、切り欠けに近い方ではぬるめとなっていましたが、真ん中辺りの湯加減は42℃くらいでした。



湯船上の壁に大きく描かれている富士山のタイル絵は、典型的な白砂青松の風景ですが、その構図から推測するに、けだし三保の松原あたりを想像して描かれたものではなかろうかと思われます。十勝にいながら駿河の景色に思いを馳せる神奈川県民の私。頭の中の空間軸がゴチャゴチャに捻れてしまいそうでした。


 
露天風呂は総タイル貼りの四角形で、7~8人サイズといったところ。内湯同様にこちらも完全放流式の湯使いです。内湯と同じく42℃前後の湯加減がキープされており、奥の湯口から投入されたお湯は手前側の切り欠けより排湯されていました。大きな内湯よりも小ぢんまりした露天風呂が、浴槽の容量に対する源泉投入量の割合が高く、それゆえにお湯から伝わる鮮度感も露天の方が優っているように感じられました。


 
外側はウッドテラスとなっており、そのテラスからは十勝平野の広大な耕地が視界いっぱいに…と言いたいところですが、実際には木々がゴチャゴチャと生えていてその奥に畑が広がっていて、農家の裏庭を覗いているような感じでした。

さて肝心のお湯に関するインプレッションですが、見た目は紅茶色の透明で、細かな腐植質が浮遊していることにより薄くボンヤリ濁っているようにも見えます。浴室内には芳しいモール臭が漂い、湯面からもその香りが放たれています。お湯を口にしてみると、非鉄系の金気味や微かな塩味とともにモール泉にありがちなほろ苦みが感じられましたが、一般的なモール泉とは異なり若干金気がはっきりと主張してるように思われました。そして何より私を喜ばせてくれたのがこの手のお湯ならではのとても滑らかでヌルツルスベという3拍子が揃った心地良い浴感です。その感触の気持ちよさゆえ、入浴中は何度も自分の肌を擦ってしまいました。また湯上がりの爽快感も上々であり、全身がさっぱりとした心地よさに包まれました。私の大好きなモール泉に完全掛け流しの状態で入れる素敵なお風呂でした。

お湯の良さに満足しながら、受付の方に挨拶して施設を出ると、宿の方はなぜか私の後をついてくるではありませんか。そして自分の車に乗ろうとした時、「やっぱりお客さんだったんですね」と私の車のナンバーを指さしながら驚いていらっしゃいました。確かに川崎ナンバーの車がこの温泉へ来ることは非常に珍しいのでしょうね。でもわざわざ来て良かったと思えるほど、良質な温泉でしたよ。改めて宿の方に丁重に挨拶してから私は車を出したのでした。


ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉 46.1℃ pH7.6 湧出量未記載(動力揚湯) 溶存物質1.480g/kg 成分総計1.501g/kg
Na+:390.0mg(95.35mval%), NH4+:1.7mg,
Cl-:257.7mg(41.54mval%), HS-:0.4mg, HCO3-:609.9mg(57.14mval%), CO3--:1.8mg,
H2SiO3:181.9mg, CO2:21.1mg, H2S:0.1mg, 腐植質0.2mg,

帯広駅より十勝バスの上士幌行もしくは糠平行で「音更12号」バス停下車徒歩1~2分(北海道拓殖バスの上士幌行でも同バス停へアクセス可能ですが、この場合、音更高校経由のバスだと音更12号には行かないので注意)
北海道河東郡音更町東和西3線71  地図
0155-42-2220

10:00~22:00
400円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★


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