温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

大正村幸乃湯温泉

2011年02月02日 | 栃木県
 
板室温泉の手前に位置する規模の大きな一軒宿です。大きな駐車場の奥に平屋の建物がズラっと広がり、羨ましいほど土地を贅沢に使っていますが、ただ、なぜか下足場が狭いため(設計ミス?)、日帰り入浴客は自分の靴をビニル袋に入れて脱衣所まで持っていかなくてはなりません。フロントで料金を支払い、食堂の脇をかすめながら駐車場側の廊下を進んで浴室へ。帳場はご高齢のお爺ちゃんが担当されていましたが、年齢を感じさせず実に矍鑠と対応していました。

 
浴場までのアプローチ。さすがに旅館らしく整然としていました。

 
脱衣所は綺麗で清潔ですが、空気が篭りやすく、夏は熱気が逃げていかないので結構暑かったりします(扇風機とシーリングファンが回っていますが、エアコンはありません)。訪問時は夏真っ盛りだったのですが、脱衣所より浴室のほうが涼しいという、おかしな状態でした。

 
浴室は腰板までが石板でそこから上は材木使用の、明るくぬくもりが感じられる造りです。内湯の浴槽は石板貼り縁が白木、湯口にはコップが置かれています。
カランはシャワー付き混合栓が7基設けられていました。
湯口からの源泉投入量に対してオーバーフローの量が少ない気したのですが、単なる私の見間違いか、あるいは浴槽内に排湯口があるのか…。湯口にコップがあるのでまさか循環ではないでしょう。

無色透明、芒硝&石膏の味と匂いが感じられますが、いずれもかなり薄めです。分析表を見るとギリギリで硫酸塩泉の基準をクリアしているので、日によってはアルカリ性単純泉になってしまうこともあるのではないでしょうか。硫酸塩泉としての成分は薄く、その代わりpHの数値が高いので、硫酸塩泉的な引っかかり浴感は少なく、むしろツルツルスベスベ感の方が勝っていました。


露天風呂の浴槽は2つ。

 
手前側は屋根に覆われた岩風呂で、湯口は肩幅に合わせられた2本のパイプが2組設けられ、ここに背中をもってくると落ちるお湯で肩をマッサージできる構造になっています。

 
もう一方の浴槽は滝行のような勢いの打たせ湯が4本落ちており、おそらく栃木県内にある打たせ湯の中では最も勢いが強いのではないでしょうか(あくまで私の憶測にすぎませんが)。源泉湧出量が豊富だからこそできる業ですね。浴槽の縁として横たえられている太い1本の丸太も立派です。
この滝の打たせ湯で背中や肩を徹底的に刺激した後、屋根のある槽に移って、肩幅の湯口に肩を合わせてお湯を当てると、あたかもホットタオルで温まれているかのような、優しい感覚に包まれました。実に気持ち良い! また、露天風呂はややぬるめなので、どなたでも結構長湯できそうです。体の芯からしっかり温まれそうですね。


屋根付き露天風呂の脇に鎮座している恵比寿様の真上を見上げると、そこにも打たせ湯らしきパイプが取り付けられていました。どうやら使用停止中のようですが、まぁこれが稼働していたら露天で落ち着ける場所が無くなってしまうので、順当な措置だと思います。なお屋根付きの浴槽に投入されたお湯は、一旦その隣の打たせ湯の槽へと流れ、打たせ湯のお湯と一緒に浴槽の縁から排水されていました。

館内には宿泊者専用の「座敷風呂」と称する浴室もあって、名前からわかるように畳敷きのお風呂なんだとか。一度入ってみたいものです。湯量も豊富で雰囲気も良好。なかなか気持ちの良い温泉でした。


幸乃湯源泉
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉 49.2℃ pH9.3 280L/min(掘削・動力揚湯) 溶存物質1.029g/kg 成分総計1.029g/kg 
栃木県那須塩原市百村3536-1  地図
0287-69-1126
ホームページ

10:00~21:00(正月・大型連休・お盆は18:30まで)
500円
私の好み:★★★

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