温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

湯原温泉 猫鼻の湯

2013年12月08日 | 長野県
 
温泉ファンから熱い支持を受けている「湯原温泉 猫鼻の湯」へ立ち寄ってひとっ風呂浴びてまいりました。国道から細い道に入り、砂利道を下りて川下へ向かって走った先の、小高い河岸の上にある1軒のみの入浴専用施設です。私が駐車場に車を停めると、プレハブ小屋からおじいさんが笑顔で出迎えてくださいました。
こちらでは小屋と一体になっている男女別露天風呂の他、山側の離れにも2つの露天があるのですが、今回は前者のみを利用させていただき、後者に関しては見学のみとさせていただきました。


●男女別露天風呂
 
手作り感の溢れる木造の脱衣室。まるで山小屋にいるみたいですね。室内には扇風機が置かれ、床には茣蓙が敷かれています。棚に置かれた殺虫剤の多さが、この場所の自然環境を物語っています。



姫川を臨む絶好のロケーションに設けられた露天風呂。頭上には透明のアクリル波板が屋根掛けされているので、雨天でも入浴できますし、開放感を損なうこともありません。


 
簡易ながら洗い場が設けられているのは立派ですね。シャワーから出てくるお湯は源泉です。ただし、貯湯タンクから各シャワーに対して直列に配管を接続しているため、上流側の男湯側でシャワーを出し過ぎちゃうと、下流の女湯側シャワーが出なくなっちゃうみたいですから、利用者同士で配慮し合いながら上手く使っていきたいものですね。


 
姫川を間近に見下ろす爽快な立地。
渓谷を吹き抜ける心地よい風が、入浴中の体を適度にクールダウンしてくれます。



材木で縁取られた浴槽は、元々水色のFRP製のようですが、温泉成分の付着によって今ではすっかり赤茶色に染まっています。14~5人は同時に入れそうな大きさです。湯船のお湯は山吹色に弱く濁り、湯中では赤く細かな浮遊物がチラホラ舞っています。湯船に浸かって肌を擦ると、ギシギシと強く引っかかる浴感が得られました。


 
貯湯タンクから引かれている塩ビ管よりお湯が注がれており、並行して取り付けられている水の配管から加水も行われて温度調節されています。この加減が絶妙で、湯船は42℃前後に維持されていました。湯使いは完全掛け流しで、鮮度感は抜群です。
この配管が固定されている柱には、飲泉するためのお玉がぶら下げられている他、温泉の適応症がテプラで箇条書きされているのですが、初めて見た時には効能だとは気づかず、なにかの怪しい呪文か、あるいは難解なポエムか、はたまた客を牽制する注意書きが羅列されているのかと勘違いしてしまいました。
お玉で実際にお湯を飲んでみますと、全体的な味は薄いものの、金気の味と匂いが明瞭に確認でき、土類系の味もあり、遅れて気の抜けた炭酸のような味も感じられました。


 
「猫鼻の湯」というネーミングに合わせているのか、浴槽の傍には石で造られた丸い猫が置かれ、また桶にも猫のキャラが貼り付けられていました。


 
隅っこに置かれた樽の水風呂も温泉に負けず劣らずの秀逸なものでして、樽に張られているその水は潮汁のような濁り方をしており、決して冷たくない25℃くらいの温度があり、パイプから落ちてくる時点では寧ろ温さを感じました。湯船に使っている源泉から金気を抜いて石膏泉っぽくしたような不思議な味と匂いが感じられます。この樽風呂と温泉浴槽を交互に行ったり来たりしながら、姫川の渓流と周囲の山々を眺めつつ、のんびりと過ごすことができました。この露天風呂は手作り感溢れる質素で開放的な造りだからこそ、景観やお湯の良さが際立ってくるのでしょう。自然と一体になれる温泉って素晴らしいですね。


●離れの露天風呂
 
続いて山側の離れにある露天風呂を見学することに。
浴室は2つあり、特に男女の区別はなされてないらしく、貸し切りでの利用も可能なんだそうです。



目の前を「塩の道」が通っているんですね。


 
こちらも主浴槽と並んで樽風呂があるんですね。でも上述のお風呂と異なり、こちらでは両方共お湯が張られていました。
この日は2つあるうち、上画像に写っている方は入浴可能でしたが…


 
もうひとつは空でした。

湯上がりにはお茶やお漬物をいただきながら、みなさんとおしゃべり。まるで田舎の親戚の家におじゃましているかのような、とってもアットホームな雰囲気に包まれ、身も心もホコホコになりました。


ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物温泉 54.7℃ pH7.0 105L/min(掘削動力揚湯) 溶存物質1153mg/kg 成分総計1353mg/kg
Na+:182.7mg(52.30mval%), Mg++:39.6mg(21.43mval%), Ca++:61.7mg(20.26mval%), Fe++:2.2mg,
Cl-:222.7mg(41.71mval%), SO4--:56.6mg(7.84mval%), HCO3-:459.4mg(50.02mval%),
H2SiO3:70.4mg, HBO2:26.7mg, CO2:200.1mg,

長野県安曇郡小谷村大字北小谷字道筋3634-2  地図

10:00~18:00
500円
ボディーソープあり、他備品類なし

私の好み:★★★

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2 コメント

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Unknown (国民温泉)
2017-12-23 05:47:41
ここはお湯も素晴らしく、住職親娘もいい味出してて、最高の場所ですよね!
何でも、1000円で泊まれるらしいので、今度チャレンジしてこようと思います。
小谷は、ポテンシャルは物凄いのに、元気がなく温泉宿も廃業したりで、とても残念です。

K-Iさんは来馬温泉風吹荘泊まったことありますか?
ジビエ、日本海の海の幸、山の山菜や野菜、館主が打ったそば、などがふんだんに出てきて、とても印象深い宿でした。
年末のゴタゴタを癒す場所としてぜひおススメしたい場所です(訪問済かもしれませんが)
Unknown (K-I)
2017-12-25 00:02:33
国民温泉さん、こんばんは。
1000円で泊まれるとは知りませんでした。あの露天風呂は素晴らしいですよね。国道からアクセスしやすいという立地を生かして是非とも頑張っていただきたいですね。小谷は白馬のさらに奥という場所柄、商売するには難しい土地なのかもしれませんね。

>来馬温泉風吹荘
実は日帰り入浴すら未湯なんです。というのも、ここは2回連続で休業日に訪れてしまったんです。私のリサーチ不足がいけないのですが、今度こそは三度目の正直で、何としてでも入ってみたいと思っています。

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