温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

諏訪峡温泉 温泉センター諏訪ノ湯

2013年09月16日 | 群馬県
 
温泉めぐりをしていると、無性に無色透明な硫酸塩泉に入りたくなる時があります。この手の温泉は全国の広範囲に亘って点在していますが、特にグリーンタフの分布域に多く集中しており、関東では群馬県の北毛地域がグリーンタフ型温泉の宝庫であります(ちなみに東北地方ですと秋田県の大館界隈に多いですね)。

初夏の某日、関越道を北上して水上インターから下道に出て、水上・新治エリアの温泉を巡って無色透明の硫酸塩泉をたっぷり満喫することにしました。まず一湯目は、お湯のクオリティの高さで温泉ファンから定評のある「諏訪峡温泉 諏訪の湯」です。拙ブログでは初登場ですが、私は3回目の訪問となります。渋い佇まいは以前のまんま。目の前は諏訪峡を流れる利根川の川岸でして、対岸はラフティングの着岸場所となっています。



駐車場に立っているには「当温泉は自噴かけ流しで飲用出来る成分の大変豊富な天然温泉です。入浴の際カルシウムたっぷり糖尿病・胃痛・胆石症・慢性便秘・慢性胆のう炎風通に良く効く源泉をお飲み下さい」と自信満々の文言が記されています。ここで列挙されている症状のうち、糖尿病・胃痛・痛風は軽度ながら私が抱えているものでありますから、入館したらしっかり飲泉させてもらいますよ。


 
玄関の引き戸を開けると、右手の番台には中年のご夫婦がテレビを視ながらお菓子をつまんでいらっしゃいました。浴室へ伸びる廊下の入口には飲泉所があり、こちらを取り上げる温泉ブロガーさんは皆さんここの写真を撮っていらしゃいますね。


 
脱衣室の入口に掛けられた暖簾は長年使われているのか茶色く薄汚れており、その色合いは温泉というより焼き鳥屋のような感じです。壁の張り紙には「天然温泉かけ流しで石鹸は分離するのでおいてありません」と大きく書かれています。その現象に関する真偽はさておき、実際に浴室内には石鹸類が無いため、必要とあれば各自持参しましょう。また脱衣室の設置されているロッカーには肝心の鍵が無く、単なる棚と化しているため、貴重品は各自で管理しましょう。


 
お風呂は内湯のみで、岩に囲まれている室内は相変わらず渋い佇まいです。男湯の場合は右側に洗い場のカランが3基並んでおり、上述のように石鹸類は備え付けられていないのですが、洗い場と浴槽が近接しているために、洗い場の飛沫やシャボンの泡が湯船に混入しやすく、このお風呂の残念な点と言えましょう。


 
岩風呂の浴槽は4~5人サイズで、底にはコバルトブルーの小さな丸いタイルが敷き詰められ、澄み切ったお湯の透明度をより際立たせています。湯口には白い石膏の析出がびっしり付着しており、43℃ほどのお湯が滔々と注がれています。湯使いは完全掛け流しでして、湯口とは対角線上にあたる浴槽縁より絶え間なく溢れ出ており、人が湯船に入れば全ての縁からザバーっと勢い良くお湯がオーバーフローします。湯船では41℃前後の湯加減がキープされているので、じっくり長湯したくなります。

お湯は無色澄明。浴室内には石膏の匂いが濃く充満しており、飲泉すると石膏味と共に薄いタマゴ味も感じられ、微かな塩味も含まれていたような気もします。石膏泉らしいトロトロとしたお湯であり、湯中で肌を擦るとキシキシ引っかかる浴感が得られます。ザ・石膏泉と表現したくなるほど、明瞭な石膏感が素敵です。

前回利用時は混雑していたためお湯が疲れ気味でしたが、今回は午前中の早い時間帯に訪れたため、お湯の鮮度・コンディションともに絶好調であり、見た目のクリア感も素晴らしいものがありました。そして湯上がりには程よく温まり、大して熱くないのにパワフルな温浴効果が発揮され、しばらくは汗が引きません。このお風呂は鮮度の良いタイミングに訪れることが重要ですね。


諏訪の湯
カルシウム-硫酸塩温泉 42.7℃ pH8.4 5.5L/min(掘削自噴) 溶存物質1.90g/kg 成分総計1.90g/kg
Na+:125mg(19.79mval%), Ca++:441mg(79.69mval%),
Cl-:91.4mg(9.37mval%), SO4--:1176mg(89.06mval%),
H2SiO3:40.3mg,

上越線・上牧駅より徒歩30分(2.3km)
群馬県利根郡みなかみ町高日向426-30  地図
0278-72-2056

9:00~20:30 金曜休み
300円
備品類なし

私の好み:★★★

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