温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

宮川温泉 稲穂いこいの里

2016年10月11日 | 青森県

昨年のネタが続いて申し訳ございません。まだしばらくお付き合いください。
上画像は、稲刈りが終わった後の青森県西津軽郡稲垣村に広がる水田です。岩木川の下流域に位置するこの一帯は広大な水田耕作地帯となっており、だだっ広い田んぼの中を「こめ米ロード」というふざけた名前の農道(五所川原広域農道)が南北に延びています。名前こそふざけていますが、この道は信号が少なくて直線状であるため、並行する国道339号よりも便利で、私も当地を訪れるたびにお世話になっています。さて、私が今回こちらへやってきたのは、宿泊しないと入れない温泉を利用するためです。拙ブログでリンクさせていただいておりますプンタさんのブログ「マーク★プンタのトド寝大好き」で紹介されていた稲垣村の「稲穂いこいの里」が魅力的でしたので、私もそこで泊まってみることにしたのです。


 
公式サイトによると、この「稲穂いこいの里」は「素朴で温かみのある」ふるさとの文化や生活を体験するというコンセプトによって設けられた公営施設で、私が宿泊した研修館のほか、約百年前の当時の姿をとどめたままの旧尾野家住宅、江戸時代から稲作に用いられてきたさまざまな農具を展示している収蔵館など、幾つかの施設が複合して成り立っています。上画像は旧尾野家住宅をはじめとする旧古民家保存エリアです。


 
こちらが宿泊施設を兼ねた研修館。名前こそ研修館ですが、利用に際しては特に研修を行う必要はなく、私のような物見遊山の村外客でも利用可能です。



建物の裏手に広い駐車場があり、それに面してベージュ色の大きな高架タンクが設置されていました。けだし温泉の貯湯槽なのでしょう。


 
館内はとっても綺麗でフローリングの床はピッカピカに輝いていました。玄関を入った正面に受付があり、受付を挟んだ両サイドに後述する男女別浴場の入口があります。



この日私が通された客室は「土」という名前の8畳間。その部屋名からは強い農業魂が伝わってきます。お部屋も大変綺麗。


 
テレビや冷蔵庫、洗面台、エアコン(ファンコイル)、お茶セットなどひと通りの備品は揃っています。トイレは共用のものを使います。


 
廊下ではねぶたを模った飾りが来客を見下ろしていました。共用洗面台には炊事場(電子レンジあり)のほか、乾燥機能付き洗濯機もあり、合宿など長期滞在にも便利です。



この施設で唯一残念なところは入浴時間が変な形で限られていること。深夜帯にクローズされるのならわかりますが、こちらの場合は深夜入浴可能にもかかわらず、なぜか翌朝6時半で終了してしまいます。従って朝風呂に入りたい方は頑張って早起きしないといけません。農業は朝が早いわけですが、施設のコンセプトから推測するに、入浴終了時間も早めに設定して、利用者に農業従事者の時間感覚を養ってもらおうという魂胆なのでしょうか。ちなみに私は心身の弛緩した夜行性都会人ですが、「郷に入っては郷に従う」の言葉に従い、夜2回入浴した他、まだ夜も明けきらない早暁に起床して朝風呂を入らせてもらいました。


 
脱衣室は一見すると青森県の温泉銭湯によくありがちなレイアウトに思えますが、管理が実によく行き届いており、広い室内は清潔感に満ちています。


 
男女別の浴室は内湯のみですが、高い天井と広い空間のおかげで伸び伸びでき、湯気の篭りもなく、快適な入浴環境が保たれていました。浴室の脱衣室側には洗い場が配置され、計8基のシャワー付きカランが設置されていたのですが、宿泊客以外に利用する人がいないためなのか、お湯が出るまで少々時間を要しました。なおカランから出るお湯は真湯です。


 
浴室内には後述する温泉槽の他、サウナなどの設備もありましたが、水風呂は空っぽでした。尤もこの訪問した日は肌寒さが続く初冬でしたから、水風呂は無くても構わなかったのですが、きっと夏には水が張られるのかもしれません。水風呂の右隣にはかつて打たせ湯があったと思しき形跡が見られるのですが、現在その跡地には観葉植物が置かれていました。


 
温泉槽は左右に二分されており、左側の浴槽はちょっと熱め、右側の浴槽はぬるめの湯加減に調整されていました。大きさとしてはいずれも8人前後のサイズです。温泉を供給する湯口は両浴槽をまたぐ位置に設けられており、それぞれに対してほぼ同じ温度のお湯を注いでいるのですが、左側に対する投入量が多いため、このような温度差が生まれているのだろうと思われます。またこのお風呂は循環をしない放流式の湯使いであるため、投入量の差はオーバーフロー量の差となっても現れており、私が湯船に入ると、左側ではザバーッと勢い良く溢れ出たのに対し、右側ではやさしく静かに溢れていました。
浴槽のお湯は薄い琥珀色を帯びた透明。津軽平野ではよく見られるタイプのお湯です。オーバーフローが流れる洗い場の床タイルは、温泉成分の付着によって、元々オフホワイトだったところが茶色く染まっていました。


 
放流式の湯使いですが、源泉温度が低いために加温されています。館内掲示によれば21.8℃とのことですが、実際にはもっと高い温度であると推測されます。と言いますのも、受付時に管理のおじさんから、加温は22時で止まるとの説明を受けていたのですが、真夜中に入っても急激な温度低下を感じることは無く、翌朝6時に入ってもその状況が変わらなかったのです。試しに非加温状態と思われる早朝の湯口で温度を計測したところ、吐出温度は39.8℃でした。なお湯口にはネットが被せられており、お湯に混じっている固形物を濾し取っていました。


 

湯口を計測するついでに、前夜熱かった左側の浴槽温度も測ってみたところ、37.5℃という長湯仕様の湯加減になっていました。加温されていた前夜は42〜43℃近くありましたから、おそらくこれが現在の非加温状態における湯温なのでしょう。実はこの晩に泊まった客は私一人だけ。つまり私だけのためにお風呂が用意され、一晩中、絶え間なくお湯がかけ流され続けたのです。なんという贅沢なのでしょうか。

湯口のお湯を口に含んでみますと甘塩味と薄い出汁味が感じられます。また湯面からは化石海水由来の温泉にありがちな臭素っぽい匂いが漂っており、この匂いは室内にもふんわりと充満していました。ただ、塩素系薬剤による消毒が行われているために、それらしき臭いも弱いながら感じられたのはちょっと残念なところ。上述のように湯船へは加温されたお湯が投入されているのですが、深夜帯は加温が止まり、40℃未満の非加温状態になります。この非加温のお湯が実に素晴らしい。冷え込む深夜に37℃前後のぬる湯へ入ると、寒くて湯船から出られなくなってしまうのですが、じっくり長湯してから出ると、ぬる湯にもかかわらず体の芯からポカポカ温まり、不思議にも発汗が止まらなくなります。さすが食塩泉が持つパワーは頼もしいですね。

なお加温の都合上、冬季(12月から2月)は朝風呂に入れませんので、もしご利用の際はご注意を。
素泊まり4,000円で、広くて綺麗な客室と掛け流しの温泉を利用できるのですから、ビジネスホテルなんかよりはるかに良いですね(なお宿泊は素泊まりのみですので、食事は自分で用意するか外食することになります)。


五所川原駅から弘南バスの豊川線か稲垣線で「公民館前」バス停下車すぐ
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 21.8℃ pH未記載 
Na+:525.9mg,
Cl-:703.1mg, HCO3-:543.1mg,
H2SiO3:97.2mg,
他のデータは不明
(平成17年2月4日)
加温あり(入浴に適した温度に保つため)
消毒あり(塩素系薬剤を使用)

青森県つがる市稲垣町豊川宮川145-1  地図
0173-46-2806
紹介ページ(つがる市公式サイト内)

宿泊のみ(日帰り入浴不可)
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
ジャンル:
温泉
コメント (4)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 五所川原市金木中央老人福祉... | トップ | 民宿梅沢温泉 2015年11月再訪 »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
わたしも泊りました。 (YOOMI)
2016-10-11 12:06:23
K-Iさん

稲穂いこいの里、私も3年前に宿泊しました。
その時も他にお客さんはなく、ぬるめでつるつるのお湯を贅沢にいただきました。お部屋も含め館内が綺麗で、しかも温泉を独り占めできるという点で、かなりコスパが高いなぁと思いました^^

追伸:ご連絡ありがとうございました。お返事お待ちしております!!
Unknown (K-I)
2016-10-11 18:33:02
>YOOMIさん
お泊りになっていたんですね。ここは広いし綺麗だしお湯も良いし、本当にコスパが優れていますね。でも地元の知人にここの話をしたら、「そんな宿あったのか」と誰も存在を知らない様子でした。もっと知名度があっても良さそうなものですが、あまり有名になるとお風呂を独占することもできず・・・。現状のままが良いのかもしれませんね(^^)

メールの件、大変お手数をおかけして申し訳ございませんでした。さっそく返信させていただきました。
Unknown (ぬる湯マスター)
2017-04-12 20:35:06
こんばんわ^^。
あ~、ぬる湯良いよぬる湯!!!!!
良いですね~。40度を下回れば、私の出番です^^b
しかも貸切状態だったとは・・・!何と言う贅沢!
施設も外観と違い、部屋はきれいだし言う事無しですね。
私もGWに万座に行きますが、もう待ちきれませんね!
更にフライングし、6月に修善寺、8月は伊豆を予約。
温泉に嫌と言うほど入って来る予定です。
K-1殿には及びませんが、私も頑張って来ます^^b
マスターの名に恥じぬようにせねばなりません。
Unknown (K-I)
2017-04-13 15:00:32
ぬる湯マスターさん、こんにちは。
ここのお風呂はまさにぬる湯マスターさんにぴったりでした。余程の行事がない限りは空いているでしょうし、日帰り入浴も受け付けていないので、宿泊中はひたすら静かにお湯を楽しめるかと思います。しかもリーズナブルなのでおすすめです。
今年はあまり温泉に気持ちが向かず、もう4月中旬だというのに、まだ20湯ちょっとしか入っていません。まだしばらくはそんな感じが続きそうです。

コメントを投稿