温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

吉井温泉 ふだん着の温泉 鶴は千年

2012年03月28日 | 福岡県
 
筑後川を挟んで原鶴温泉の対岸(川の左岸)に位置する吉井温泉は、原鶴と違って明確な温泉街は形成しておらず、田園風景の中に温泉旅館数軒がポツンポツンと点在しているばかりの静かな場所。ここに2010年11月オープンした日帰り温泉入浴施設が「ふだん着の温泉 鶴は千年」でして、もともと旅館だったものを改造したと思われる建物は原鶴大橋からもばっちり見られます。館内には食事処やcafeが併設されており、和風テイストの綺麗な館内は、中年女性が食いつきそうな雰囲気です。



玄関入って右がcafeで左が浴室。フロントで料金を支払うと、病院の検査着のようなものを渡され、それを着て館内を移動してください、とのこと。どういうことかしら?


 
フローリングの廊下を進んで浴室の入口へ。お風呂は内湯と露天の両方を利用できるのですが、男女入れ替え制になっているのか、この日男湯は内湯と露天が別々になっており、双方の間を移動するには一旦廊下へ出ないといけない造りになっていました。受付で渡された館内着はこのためのものだったんですね。
なお浴室入口の前には休憩スペースが設けられていました。


 
まずは内湯へ。脱衣所は明るく広々としており清潔感が漲っています。またロッカーのサイズは一般的なものより大きめで、別途貴重品用もあり、洗面台やドライヤーも複数台用意されていて、使い勝手も良好。
誰かと初めて会うときには第一印象が今後のお付き合いを大きく左右しますが、入浴施設の場合は脱衣所がその施設に対する印象に多大な影響を及ぼす場合が多く、こちらのように綺麗で使い勝手も良ければ、全体的な印象も自ずと上向きます。



内湯も広々で天井も高く、室内空間ながら閉塞感はありません。しかしながら、玄関から脱衣所までは新しい雰囲気が漲っていましたが、内湯に限っては旧施設時代の設備を多く流用しているようで、全体的に使い込まれた感が否めません。入った途端に「あれれ、ここって新しい施設なんだっけ」と時空間軸が狂ったかのような錯覚に陥ってしまいました。



洗い場にはカランシャワー付き混合栓が6基。


 
そのうち、奥の2つのカランからは源泉が出てきます。


 
タイル貼りの浴槽は大小の二つに分かれています。大きな方は子どもだったらつい泳ぎたくなるような広さですが、一方小浴槽はなぜ存在するのかわからないほど、大浴槽に比べてはるかに狭いものでした。

源泉は薄らと白い温泉成分が付着している木組みの湯口から、小さな樋を経てまず大きな浴槽へと注がれ、そして小さな槽へと流れてから排湯されていきます。浴槽の縁は高くなっているので、お湯が洗い場サイドへオーバーフローすることはありません。このため、大きな槽では丁度良い湯加減である一方、小さな槽はかなりぬるめでした。施設側の説明によれば源泉掛け流しの湯使いとのことですが、その説明に偽りは無さそうです。
無色澄明で一見すると没個性のように思われるこのお湯は強いタマゴ味と匂いを有しており、更には微かに塩味も感じられ、見た目とは裏腹な強い主張にまずビックリです。そしてヌルヌルに近いツルスベ浴感の他、お湯の中では気泡の付着が見られ、とても肌触りの良い浴感にも感動しました。原鶴とは川の対岸で至近距離にありながら、似て非なる個性的でなかなか良質のお湯です。


 
次に露天へ、一旦館内着をまとって内湯から移動します。脱衣所は狭く、棚がちょこっとあるだけなので、内湯で着替えて館内着を着る方が便利。おそらくこの露天は内湯の補助的設備として位置づけられているのでしょう。


 
和風庭園のようなレイアウトの露天風呂。いわゆる岩風呂ってやつですね。浴槽上には屋根がかかっていました。その浴槽の形はいびつな小判型とでもいいましょうか。新しいだけあって気持ち良い雰囲気、お風呂自体も広いのでとっても寛げます。なお上述のようにあくまで補助的設備だからか、露天の方には洗い場はありません。



岩風呂の縁の一部分にモルタルが載せられており、そこには2010..9.30という日付が刻まれていました。露天風呂竣工の日でしょうか。


 
内湯同様こちらも掛け流しの湯使い。木組みに囲まれた塩ビの湯口から源泉が注がれ、その反対側から排湯されていました。
内湯と同じ源泉を用いていると思われ、匂いや味など主な特徴な内湯と同様ですが、気泡の付着は若干弱く、その代りに目立ったのが真っ黒な小さい浮遊物です。これがなかなか面白いヤツでして、単なる浮遊物ではなく、当然ながら浴槽内にもこびりついており、これに触れるとその部分の肌がまるで炭に触ったかのように黒く着色してしまい、石鹸で強くゴシゴシ洗わないと落ちないほどでした。同じような現象は、たとえば信州の七味温泉「渓山亭 恵の湯」でも見られ、おそらく硫化鉄の仕業かと思われますが、まさか吉井温泉のような無色透明で癖の無さそうなお湯からそんな現象がみられるとは思ってもみませんでした。もっとも、私のようにお湯の変わった特徴を面白がるような人間でしたら、こんな現象ですら積極的に捉えられますが、一般の方ですと「せっかく風呂に入ったのに、全身あちこちに黒いスジが付いちゃって、しかもなかなか落ちねぇじゃねぇか」と厄介に思われるか思いますので、この点はこのお湯ならではの自然現象であるとあらかじめ認識しておいた方がよさそうです。



千寿の湯
アルカリ性単純温泉 51.4℃ pH8.5 240L/min(動力揚湯) 溶存物質0.85g/kg 成分総計0.85g/kg
Na+:270mg(98.24mval%),
Cl-:170mg(42.14mval%), HCO3-:310mg(44.60mval%), 

福岡県うきは市吉井町千年2-1  地図
0943-76-2639
ホームページ

10:00~22:00 水曜定休
700円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★

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