温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

幌別美里別温泉

2012年10月05日 | 北海道

足寄町の山奥に、人知れず湧く野湯があると知り、どんなところか確かめるべく探索してみることにしました。足寄町域の西部を南北に貫く道道を北に向かって走っていると、やがて左手に水力発電所の取水堰が目に入ってきます。


 
取水堰から更に2kmほど北上すると、左手に林道の入口が現れます。私が訪問したときはこの入口に当たる丸太橋にチェーンが張られていたので、その前で車をとめて歩いて先へと進みました。チェーンの先は川原から続く広場となっており、何頭ものエゾシカが戯れていましたが、私の姿を見るや慌てて山の奥へと姿を消してしまいました。川原の若い木には鹿の食害を防ぐためのネットが被せられており、関係者のご苦労が察せられます。



この広場には一本の小さな沢が流れ、その脇で小さな池が木々に囲まれながら清らかな水を湛えているのですが…


 
池の畔にはこの場所の雰囲気に似つかわしくないバスタブらしきものが置かれています。その中にはぬるいお湯が溜められており、温度を測ってみると30.5℃でした。


 
温かいのはバスタブの中のみならず、なんと池そのものもぬるいお湯なのでした。池の底では砂を吹き上げながら清らかなお湯が湧出しています。



ちなみに温度は27.9℃でした。正真正銘の温泉が湧いているのですから全裸になって入浴してみたい衝動に駆られましたが、暑い日ならともかく肌寒い秋になってこの池に入るとなると、かなりぬる過ぎて風邪を引いてしまいそうだったので、池での入浴は遠慮させていただきました。


 
せっかくバスタブがあるんですから、池ではなくこちらに入ってみましょう。その前にまず状況を確認です。中に張られているお湯は無色透明で、明瞭なタマゴ臭&味が感じられます。


 
池からホースでお湯が汲み上げられているのですが、動力なんてありませんから、おそらくサイフォンの原理か何かでホースへお湯が上がっているものと思われます。このバスタブには側面に穴があけられており、そこから一定量のお湯が排出されるようになっているのですが、バスタブ自体に大きな亀裂が走っており、その裂け目からもドボドボとお湯が漏れ落ちていました。しかしながら投入量が多いためか、浴槽内が空になることはなく、体を入れてもヘソ下までは浸かれるほどの嵩が保たれていました。



ちなみにホース口での温度は30.7℃でして、浴槽とほとんど変わりません。



湯面にはたくさんの落ち葉が浮いていたので、それらを取り除いた上で入浴してみました。予想通りヘソ下までお湯に浸かることができましたが、私が入った圧力によって亀裂から漏れるお湯の量も増えてしまい、とても全身浴ができる状態にはなりません。しかしながら、タマゴ感を有するお湯からはツルスベ浴感が得られ、ぬるいながらも良質なお湯が楽しめました。タマゴ感を有する無色透明のアルカリ性単純泉といったところでしょうか。



この時の気温は14.0℃。猛暑続きの関東地方から急に肌寒い北海道へやってきたため、まだ秋の気候に私の体は慣れておらず、ぬる湯に下半身のみ浸かっていたら、徐々に悪寒に襲われ、やがて頭痛にも見舞われました。ぬるいお湯ですから夏向きであると言いたいところですが、場所柄暑い時期には虫の猛襲に見舞われること必至ですから、多少のぬるさは我慢して、春か秋に入ったほうがいいのかもしれません。なんだかんだ言ってもお湯の質には満足できました。


野湯につき温泉分析表なし

北海道足寄郡足寄町某所
所在地の詳しい説明については自粛させていただきます。

いつでも入浴可能
無料

私の好み:★★+0.5





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