温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

南あいの里温泉 なごみ

2011年02月13日 | 北海道
 
2010年12月にオープンしたばかりの温泉入浴施設に行ってきました。学園都市線・あいの里教育大駅の裏手数百メートルに位置しているので、交通の便はとっても良好。駅を出たら駅舎右手にある跨線橋(↑画像左)で駅の裏側へ渡り、南へ真っすぐ歩けば5分程度で着いちゃいます。駅の南側は宅地造成の真っ最中で、まだほとんど何にも建っていない状態。駅から「なごみ」まで見渡せちゃいます(↑画像右)。

 
開業間もないのに駐車場には車が沢山停まっていました。早くも好評なんでしょうね。
新しく土地も余裕がありそうなのですが、建物は意外とこじんまりとしており、受付と隣り合って、かわいらしいスペースの軽食コーナーが設けられていました。

内部は撮影禁止なので一切画像はありません。あしからず(これでもか、という程「撮影禁止」のシールがあちこちに貼られていました)。公式サイトの「館内案内」を見れば、内部がどんな様子かわかりますので、各室内の様子をご覧になりたければ、そちらをご参照ください。

基本的に内装はコンクリ打ちっぱなしで、ドアや取っ手、腰板、室名札など所々に木や石板などを用いて、素材感を存分に活かしていました。またその素材・建材の選び方も色のコントラストをはっきりさせており、まさに今っぽいデザインです。

脱衣所もあまり大きくありませんが、棚もロッカーも十分な数とスペースが確保されているので、あまり狭さは感じられませんでした。でも週末夕方の混雑時には動線が混乱するかもしれません。

浴室は三角形で高い天井もそれを支える柱もコンクリ打ちっぱなし。側壁は床から約3mまでが白御影の石板が貼られており、その上はやはりコンクリ剥き出しです。洗い場には押しバネ式のカランとシャワーが33組。お湯しか出ないタイプです。

浴室内(内湯)にあるのは計5つの浴槽とサウナ1室。高温槽・中温槽・電気風呂の3つが窓の下に並んでおり、これらは源泉使用。その向かいの洗い場に接して真湯のジェットバスと水風呂が設けられています。高温槽は4人サイズ、中温槽は6人サイズ、電気風呂は3人サイズと、それぞれ微妙に大きさが違っていました。高温槽といっても飛び上がるような熱さではなく43~4℃程度。中温槽は絶妙な湯加減で思わず長湯したくなるような40~1℃の設定でした(電気風呂は苦手なので入っていません)。高温槽と中温槽の間に湯口がありますが、この他にも浴槽側面からお湯が投入されています。源泉掛け流しですが、浴槽の縁からオーバーフローすることはなく、槽内の湯面スレスレに設けられた排湯口から排水されていました。なおジェットバスにも温泉水が使用されているそうですが、私が見たときにはお湯の色が不自然に青く、本当に温泉を使用しているのか、あるいは相当薄められてタイルの色が映っているのか、よくわかりません。

露天は3人サイズで完全に屋根に覆われており、低いもののコンクリの塀で囲まれているので、景色は見えません(造成宅地なので景色を楽しめるような環境ではありませんが)。でも塀までは10メートル近い隔たりがあるので、圧迫・閉塞感はありません。後述しますがかなり凶暴な強食塩泉でして、簡単に体が火照っちゃいますので、クールダウンするのに露天のスペースはとってもありがたかったです。

さて肝心のお湯についてですが、典型的な海水性で、とってもしょっぱい。各地で湧く化石海水の温泉と同様の有機的な(例えるのが難しい)匂いが薄ら感じられます。このお湯は本来透明なのかもしれませんが、お湯の中に気泡のような黄褐色の微細な粒子が無数に舞っているため、やや暗めの黄土色に濁っています。食塩泉的なツルスベ浴感が得られました。
塩分が非常に濃いため、お湯に入るとお肌がピリピリと刺激を受け、湯上がりもヒリヒリと痛みが走り、おまけに体の水分が奪われてクラクラになるため、かなり凶暴な泉質であると覚悟して入った方がいいかもしれません。特に中温槽はかなり良い湯加減なので、思わず長湯したくなるのですが、浸かりすぎると体力を奪われてヘロヘロになってしまうこと必至。夏の暑い日にはかなりベトつくんじゃないでしょうか。でも毒を以て毒を制する的な発想で、一部の皮膚疾患には効果があるかもしれません。

あくまで私の主観ですが、しょっぱさ、色あいや濁り方、成分量(成分総計が30g/kg前後)、成分構成(陽イオンがナトリウムイオン、陰イオンが塩化物イオンに極端に偏っている)など、同じく石狩川下流の低地に湧出する新篠津村の「しんしのつ温泉アイリス」や岩見沢市の「北村温泉」に似ているお湯だと思います(但し、あいの里温泉は北村温泉ほど明瞭な金気は感じられませんでしたが)。


(サムネイルをクリックで拡大)
脱衣所の表示によれば、各浴槽とも塩素が投入されているそうですが、塩素っぽさはあまり感じられませんでした。また、源泉温度が高いので温度調整されている、でも加水されていない、ということは熱交換器で温度を下げているんでしょうか。源泉掛け流しである高温槽・中温槽・電気風呂の3槽は濁りが強いものの、露天は循環のためか色は付いているものの濁ってはいませんでした。でも塩辛さやヒリヒリ感は露天でも内湯同様にちゃんと感じられましたよ。

道内には神恵内に強烈な強食塩泉が湧いていますが、さすがにあそこには叶わないものの、こちらもなかなか健闘できる塩辛さで、パンチ力のあるお湯と取っ組み合いの格闘したい方にはおすすめです。札幌の市街地に立地しながら低料金で源泉掛け流しを実現しているのは立派だと思います。



(サムネイルをクリックで画像拡大。成分分析表です)
南あいの里温泉(藍の湯)
ナトリウム-塩化物強塩泉 43.4℃ pH6.8 230L/min(動力揚湯) 溶存物質33.28g/kg 成分総計33.33g/kg

JR札沼線(学園都市線)・あいの里教育大駅から徒歩5分
北海道札幌市北区南あいの里5丁目1番20号  地図
011-778-7531
公式サイト

10:00~23:00 無休
420円
ロッカー(100円リターン式)あり、ドライヤー10円/3分、石鹸類やタオルは販売(備え付けは無し)

私の好み:★★

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