ドラゴンフライエフェクトとは、ソーシャルメディアをうまく活用することで、トンボのように一気に飛べるようになるということ。
そのトンボの4枚の羽に例えて、その実現の方法を4つの方法に分けて説明していく。
で、この本で特徴的なのが、この「飛び方」
サブタイトルは、「ソーシャルメディアで世界を変える」
だが、ここで「世界を変える」とあるのは、ソーシャルメディアの「ビジネス活用」ではない。
「社会的利益」という方向で、ソーシャルメディア利用者に起こる、意識における「本質的な変化」及び実現方法について語っている。
ユヌスのコンセプトが、ソーシャルメディアを通して違った形で実現してしまったかのよう。
最終章にこの本の本質について語っているくだりがあり、少々引用しておきたい。
(改行:当ブログ)
わたしたちは社会的利益という言葉の意味を書き換えたいと思っている。
一般的に社会利益とは、教育や、環境や、医療や、資源や、芸術や、文化などを中心に考えられているが、もっと広い定義をするべきだ。
たとえば、信頼を気付くとか、チャンスを与えるとか、自尊心を高めるとか、幸せを営むとかまで含むべきだろう。
なぜか?
ソーシャルテクノロジーを使うことで、社会に貢献したいという気持ちが人びとに起こさせやすくなったからだ。
本書では、デザイン思考ー深く共感し、仮説を立て、迅速にプロトタイプを作成し、検証するーによって、
いかに画期的な視点を気づき、社会利益の新しい推進方法を見つければいいかを探求している。
また、社会利益の定義を広くすることで、社会利益と経済的な利益を両立させる方法が見出しやすくすることも説いている。
人のためになることをすれば、充実感とお金の両方をえられることを本書で知ってほしい。
(以上、引用終り)
登場する豊富な実例はほとんどがそういうケースとなっており、規模という次元は置いといて、非常に興味深い内容。
で。はっとした。
トンボに例えて、その実現の方法を説明していたわけだが、このトンボの比喩が素晴らしいことに。
ブンブン飛ぶ軽~くトンボのその軽量級な感じが、ソーシャルテクノロジーをうまく活用することで、カンタンに一気に飛べることを!
そして、そのトンボは一匹でなく、けっこうたくさん飛んでいることが多いわけで、社会がこれからそうなっていくことを!
この変化を「感覚的に悟る」ことが出来て肩の力が抜ける、という点で、避けて通れない1冊ではないか。
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