オノ・デザイン 小野喜規のブログ

建築家 小野喜規のブログ

百日紅の見える窓

2017-09-14 18:33:22 | 奥沢の家


東京都の奥沢で進めてきた住宅が、いよいよ完成します。
引き渡し前の束の間に、できあがったばかりの空間で、ひとり過ごしている時間は楽しいものです(笑)
まあ、できあがったばかりよりも、それから何年も後のこと、だんだんと味わいが出てくることをイメージして設計しているので、できあがったばかりのピカピカの室内は、あとから振り返るとなんだか味気ないものには感じるのですが・・・。

この住宅はご実家の建て替えの計画なのですが、古くからあった百日紅の木を残しました。
まだ赤い花がきれいに咲いていて、それが書斎コーナーの窓から見える眺めは心地よいものです。
防火規制のある地域ですから、防火用のアルミサッシを使うのですが、それが味気ないものにならないように、窓回りに造作をしつらえました。木製の網戸、そして本棚。
小さな、しっとりと落ち着いた窓辺の空間になりました。




リビングの窓からは、新しく植えるシンボルツリーが眺められる予定です。

古い木と、新しい木と。
それらが暮らしに趣きを与えてくれることと思います。
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ワーーーープ!!!

2017-09-06 22:35:19 | 住宅の仕事


最近できあがった「古木のある家」にある、不思議なトンネルのような空間。
実はこれ、中がライブラリーになっているんです。
廊下とウォークインクローゼットをつなぐように通路があって、その壁面に本棚が作りつけられています。
中が真っ黒に塗られているだけで、なんだか独特のゾーンができあがります。

せっかくだから特別感をだそう、ということでできあがった入口のカタチ。
入口のアーチは綺麗なカーブを描き、大工さん、お見事!!
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オンブラ・マイ・フ

2017-08-26 17:24:14 | 自由が丘の家


東京ではひと頃の雨と涼しさが去り、また蒸し暑い日々が続いています。
窓の外の緑も、夏の湿気を帯びて存在感を増しているように思います。

一戸建ての住宅では、1階の窓から庭を眺めるのと、2階から眺めるのとでは、同じ庭でも、その感じ方はまるで異なります。
上の写真は、1階にあるアトリエ内の僕の席からの眺めです。

もともと小さな坪庭のような中庭ですが、上から緑がかぶさるような、木洩れ日が降り注ぐような雰囲気を楽しみたいと思って、スペースのとり方や窓の開け方を工夫しました。
そうして設計をしている時にちょうど、以前から知っていて時折聴いていたヘンデルの古典曲「オンブラ・マイ・フ」(Ombra mai fù)が、木陰の愛を唄ったもの、ということを知りました。

Ombra mai fù di vegetabile,
cara ed amabile, soave più

木陰で 今までで一度もなかった
これほど愛しくて優しくて、快いものは


ありがとうヘンデル!!と言いたくなるような、うれしい気持ちになりました(笑)

美しい小品と評される「オンブラ・マイ・フ」
僕がつくる住宅も、そんな風に感じとってもらえると嬉しいなあと思いつつ。

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窓辺で一服。

2017-06-26 11:50:51 | 大屋根の家


関東も梅雨にはいり、じめじめとした暑い日も増えてきました。
そんな暑い休日に家で過ごすときに、冷たい麦茶でも飲みながら、ゆっくりと本でも読めるような窓辺のコーナーがあるとちょっと愉しいものです。

「大屋根の家」はその名のごとく、大きな屋根がゆったりかかる家で、その軒下は深く日差しを除けてくれます。
窓はとても大きいのですが、アルミサッシを使いながらも、窓枠のデザインを凝らして、木製の窓のような佇まいにしました。
格子部分は網戸になっていて風通しができます。

窓辺でゆっくり過ごすためには、隣地からの目線除けや明るさ調整のために、窓辺のしつらえが必要です。
ここではダブルタイプのロールスクリーンを設置し、天井のボックス内に格納されています。

レース状のロールスクリーンは茶がかった色で、これを通して外を見ると、風景が程よく紗がかかって見えます。
室内にも、ちょうどよい陰影が宿り、気分が落ち着きます。

強い日差しを受けて、樹影が壁にくっきり映り込んでいるのを、ぼぉっと眺める。
それだけで、家のなかにいるのがなんだか幸せに思えてきます(笑)



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障子のある室内

2017-06-21 17:59:16 | 久が原の家


窓に障子が建て込まれた室内は、それこそ昔から星の数ほどあるのだけれども、床や壁の仕上げ材料が何でできているのか、障子の桟の割り付けがどのようにデザインされているかで、同じ四角い部屋でもずいぶんと印象がかわるものです。

すべてが完成し、引き渡し前の、生活が始まる前の一瞬の姿。
住宅は生活してからがなんぼ、とはいうものの、何も入らない「がらんどう」のこの瞬間に、いわば緊張感のある美しさが宿っていたりすると、建築家としてはちょっと内心ほくそ笑んでしまいます。
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