思考の迷路

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ミチゲーションという仮面

2005-01-13 21:31:35 | 自然環境
 「ミチゲーション」って聞いたことあるでしょうか?
 開発か環境保全かという問題は、日本中のあちこちで起こっているけど、そこで良く登場するのがこのミチゲーションという言葉。ミチゲーションとは、本来「緩和・軽減」という意味なので、「環境への影響を緩和する行為」と解釈され、開発による環境への影響を緩和するための保全行為のこと。
 ミチゲーションが注目され出したのは、1988年ブッシュ父が大統領選挙で自然を数値化し総量を維持する「ノーネットロス(No Net Loss)」という政策を公約したことがきっかけらしく、アメリカでは環境政策として浸透しているとのこと。アメリカではミチゲーションを次の5つに定義している。
  1 開発全体またはその一部を実施しない(回避)
  2 影響を最小限にする(最小化)
  3 影響を受けた環境を修復する(矯正)
  4 保護保全活動による影響の軽減(軽減)
  5 損失する環境を代替する(代償)
 「ミチゲーション」っていいじゃん!と思って、日本もその考えを導入したわけだが、どうも日本のお役人や建設業界は5番目の代償のみに注目して、開発行為を推進しているようだ。例えば、ある湿地を埋め立てする変わりに、別の場所に湿地を作れば環境を保全したことになるので、埋め立て事業を進めても良いとする考えだ。つまり代替さえすれば、じゃんじゃん開発してもOKということ。これじゃさすがにマズイと思ったのか、3番目や4番目の定義を持ち出し、必死に言い訳を考える事例もあるようだけど。

 どう考えても、変ですよねぇー。「肝心要の1番はしっかり検討したんでしょうか?」「しっかり検討していないから、5番に頼りたくなっちゃうんでしょう?」と言いたくなっちゃいますよね。そもそも、自然環境を代替できるとする考えがおかしいと思う人も多いでしょう。

 建設業界にどっぷり浸ってきた私が言うのも変だけど、ミチゲーションという仮面をかぶれば、自然を必要以上に破壊できるということを知っておいてほしいのです。そして、自然からの恩恵をより多く受けるためには、自然への負荷をより小さものに抑えなければいけないじゃないか、などと考えて日々苦労している建設技術者だっているんだということも。
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