小野田楽の歌綴りエッセー

昭和の流行歌が大好きです。
オリジナルの歌謡詞とエッセーを綴ります。

心の師匠

2017年07月17日 | 歌について考える
 私は、作詞家の故・石本美由起先生を心の師匠だと勝手に思って
います。むろん、先生がすでに故人であり、しかも私は生前に一度
もお会いする機会さえなかった以上、弟子になることは永遠に出来
ません。それでも、私は石本先生を心の師匠だと思い、残された多
くの詞から学び、先生の後を追って行きたいと願っています。
 石本先生は、1948年に小畑実さんの「長崎のザボン売り」で作詞
家デビューされた後、「憧れのハワイ航路」「悲しい酒」「矢切の
渡し」等々のヒット曲を世に送り出されました。その大きな功績は
私が記すまでもありません。そして、私が歌謡史上、華々しい実績
を持つ作家はいくらか存在する中でも、石本先生を特に心の師匠と
思っている所以は、先生の詞が、直接的な社会貢献をしたケースが
多いからです。デビュー作の「長崎のザボン売り」にしても、歌が
ヒットする以前はそもそも長崎にザボンはなかったものが、ヒット
の影響によって長崎名物になったそうです。また、矢切の渡しは廃
止の危機に陥っていたものを、先生が詞に書き、そのヒットにより
今日も存続しています。「憧れのハワイ航路」にしても、敗戦で打
ちひしがれた人々の心を、明るい希望で包んだと聞いています。詞
の力によって社会に多大な貢献が出来るなんて、本当に「偉大」と
しか言いようがありません。
 また、そんな作詞界の大御所であった先生は、大変面倒見がよく、
歌謡同人誌の後輩を世に出すために奮闘される方であったとも聞い
ています。その人としての生き方も、私は尊敬しています。もし、
私が作詞家としてデビューすることが出来た暁には、墓前にご挨拶
に伺いたいと心から願っています。



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