picnic under the branches

映画や本が好きです。

読書の秋

2016-11-12 00:55:28 | 本の紹介



最近、スタンダールの『赤と黒』を読んでいます

まだ上巻です。

購入はずいぶん前で、ちょっと読んでは止まっていたのですが、最近、また読み始めました

最初に読もうと思ったのは、ジェラール・フィリップ主演の映画が面白かったからです(2009年にデジタルリマスター版が上映されていました)。

もうすぐ上巻も終わりそうです


話の内容は、ご存知の方も多いと思いますが、

田舎の貧しい製材業をいとなむ家庭の末っ子、ジュリアン・ソレルが、とある上流家庭の家庭教師になったことから

その家庭の主婦、レナール夫人と不倫関係に陥り、

それに端を発して、プザンソンの神学校の寄宿舎に送られて修行するようになった…というところまで読みました


★Wikipedia『赤と黒』 
続きはこちらで…


ジュリアン・ソレルは生まれは特に上流ではないけど、美貌の持ち主で、頭がまわる少年(18~19歳くらい?)なんですよね。

色白で本が好きで痩せていて…粗野なところもあるけど、上品なところもあるという描写です。

なかなかカッコイイ感じの人なのですが、やっぱり洗練されていなかったり、田舎者だったりするところがなんかカワイイな、と

野心が強すぎて、どこに行っても浮きまくっているようです

最初は恋愛もおぼつかない感じなのですが、自分が魅力的だとわかると、すぐに調子に乗るところが面白いです


今は、神学校で浮いていて苦労している模様・・・

師はジュリアンに、物事を正しく判断し、無意味な言葉にごまかされない習慣をつけさせたが、その後で、ついでにこう言っておくのを忘れたのだ。
--ただし、こういう習慣は地位の低い人間にあっては、一つの罪悪である。なぜなら、すべて正しい判断というのは、反感を招くから、と。

だから、ジュリアンの正しい物の言い方は一つまた新たな罪悪であった。
学友たちはいろいろ頭を絞って、ジュリアンから常に感じる気味悪さを一言で表現しうる言葉を発見した。
彼らはジュリアンにマルチン・ルテルというあだ名をつけた。
これは特に、ジュリアンが得意になっているあの悪魔的な屁理屈のためにそうつけたと、彼らは言っていた。

新学生の中には、ジュリアンより顔の色艶が生きいきして、もっと美少年といっていい生徒がいることはいた。
しかし、ジュリアンは白い手をしているし、ある種の、どうしても隠しきれぬ上品な潔癖をもっていた。
運わるくはいってきたこの陰気な学校内では、彼のそうした長所が何の役にも立たなかった。
周囲の汚い田舎者たちは、彼は身持ちが悪いとさえ言っていた。  

(岩波文庫『赤と黒』上巻 P380)


★Wiki『マルチン・ルター』
マルチン・ルテルとはこの人の事のようですが、よくわかりません。


読み始めたのは2~3年前で、遅々として進まず・・・で、そんなとき、付箋が登場です

章ごとに貼っているだけですが、こうすると、なぜかサクサクと読み進むという

付箋の余白に、代表的な出来事をメモっておいたりすると、話の流れがわかりやすくていいかもしれません

ちょっと目印つけた方が達成感あっていいですし、今読んでいる章の付箋の向きを横→縦に変えておいたりすると、万一しおりを紛失しても大丈夫です

でも、付箋を貼ったのは最近で、最初の方の話を忘れてしまいました・・・


後ろにあるのは最近まで読んでいた不気味な小説です。読んでいることを隠したいくらいカルトな感じなのですが、何とか読破しました
こちらは、一続きで章というものが存在せず、延々と続きそうなので、場面転換ごとに付箋を貼り、付箋にメモリました

小説内で日付も交錯しているので、日時トピックごとに、本の上にも別付箋を貼って内容を理解できるようにしてみました

一度読書のコツを覚えると、最初はよみにくそうだな、と思っても、読めてしまうものだなぁと最近は感じています。




**********

映画『赤と黒』です。ジェラール・フィリップが主演の物。1954年で、このころから、白黒映画がカラー映画になり始めているようです。


Vörös és fekete -- Le rouge et le noir (1954) -- Részlet


映画で、ジュリアンがレナール家に家庭教師として住み込みを始める場面・・・。19歳ではないですよね(//▽//)。(※ジェラール32歳の時の作品です)

「あなたはあの子たちに、やさしくしてくださるでしょう、ね、約束してくださる?」
こんな立派な貴婦人が、二度までもしかも本気で、自分をムシューと呼んでくれる、それはジュリアンのまったく思いがけぬことだった
--彼が若者らしい夢想を描くときでも、美しい軍服を身にまとうまでは立派な貴婦人は、一人として自分に口をきいてはくれまい、そういつも思っていたのだ。
レナール夫人のほうはまた、ジュリアンの美しい色艶、大きく黒い瞳、そしてその愛らしい頭髪
--頭を冷やすために、さっき広場の噴水版の中につけたものだから、平生よりもずっと縮れていた--にすっかり騙されていた。
厳格で野蛮な物言いをするのだろうと子供たちのためにあれほど恐れていた、その忌まわしい家庭教師が少女のようにはにかむのをみて、彼女はすっかり喜んでしまった。
(岩波文庫『赤と黒』上巻 P68)

ジュリアンはよくコツを心得て、上手に立ち回ったので、住み込んで一月もならぬうちに、レナール氏自身すら彼を尊敬するようになった。
司祭がレナール、ヴァルノ両氏と仲違いしてしまったので、彼が以前ナポレオンを熱愛していたことを、誰一人としてすっぱ抜くものはなかった。
彼はナポレオンの名を口にするとき、いつも嫌悪の情を示さぬことはなかった。
(岩波文庫『赤と黒』上巻 P77)

レナール夫人の小間使いのエリザは、この若い家庭教師を恋せずにはおられなかった。エリザ嬢の恋のおかげで、ジュリアンは一人の下男の憎しみを買うことになった。
「あんたは、あの垢だらけの先生がここへきてからというもの、もうわしには言葉もかけてくれないんだね」
ジュリアンはこんな悪口を言われるのは迷惑だった。しかし美少年の本能から、一層身の回りに気を付けるようになった。
(岩波文庫『赤と黒』上巻 P80)



Le rouge et le noir


裁判にかけられる場面。よく、このシーンがポスターになっています。


 






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1 コメント

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ジュリアン (恭子)
2016-11-12 12:18:00
ジュリアンの最初の描写はこうでした。

**********

彼は頬を紅くして目を伏せていた。見たところ弱弱しい十八九の小柄の若者で、わし鼻の、ととのってはいないが美しい顔立ちだった。
静かな時には、思慮と情熱を示すその黒い大きな眼は、この瞬間、世にも恐ろしい憎悪の色に燃えていた。

濃い栗色の頭髪が、ごく低くまではえ下がっているので、額が狭くて、怒った時にはいじわるそうに見える。
数限りなく変化のある人間の容貌のうちでも、これ以上目立った特徴で異彩を放つものは、おそらくまたとなかろう。
そのすんなりと釣り合いの取れた体つきは力よりもむしろ身軽さを物語っていた。

ごく幼いころから、その恐ろしく沈んだ様子と、ひどく青白い顔を見て父親は、この子は育つまい、育ったところで一家の厄介者になるばかりだと思っていた。
家で皆からばかにされていた彼は、父と兄とを憎んでいた。日曜に町の広場で、みんなと遊ぶ時にも、彼はいつもぶたれてばかりいたのだ。

彼の可愛い顔が、少女仲間の幾人から優しい言葉をかけられるようになってから、まだ一年とはたっていなかった。

(岩波文庫『赤と黒』上巻 P47)

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きれいだけど虚弱な感じの激しい子、っていう感じの人物像なんでしょうか

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