おねえちゃんの独り言

「おねえちゃんの独り言」のブログ版
(・・・って、そのまんまだけど)

下のバカ・その3

2008-09-28 15:12:00 | Weblog
 テキサンAが弟を迎えに行って留守だという間も、階下にはテキサン女が住み続けていた。この女、出入りの際に入り口のドアを建物全体が揺れるほど勢いよく閉める。振動と共に大きな音もして、うるさい。しかしこれはもう育ちの問題なので、言っても無駄だろう。悪気はないのだが、そもそも「物をていねいに扱う」という概念が理解できない、ある意味、典型的なアメリカンである。店や空港のカウンターの列に並んでいる際、自分の小型バッグやリュックを足元に無造作に置き、列が進むとそのバッグを足で蹴って移動する。大きくて重い鞄というわけでもない、そもそも大切な(?)自分のバッグだろうに、平気で床に置き土足で足蹴にする。アメリカでよく見かける、そういう連中と一緒だ。
 そのうち、テキサン弟とテキサン女の車は駐車場内に停めるようになった。さすがにいつまでも路上駐車というのもバカバカしくなり、管理者から新たにゲートオープナーを貸してもらったのだろう。(家賃に含まれている駐車場は2台分なので、テキサンAの車は相変わらず路上駐車だが)
 ある時、駐車場から電動工具の音が響いてくると思ったら、テキサンどもが自分たちの駐車スペースのコンクリートにアンカーボルトを打ち込んでいた。・・・だから、ここはてめーんちじゃないっての。他人の建物に勝手にボルト打ち込むなよ・・・。ま、我々に実害がないからいいけど、相変わらず非常識な連中である。
 それからしばらくは何事もない小康状態が続いた。テキサン女(もしかすると他のテキサンも)がドアを閉める音は相変わらずうるさいし、テキサン3人のうちの誰だかは知らないが、たまにベランダでタバコを吸うのも迷惑だが、さすがにこれは管理者に苦情も言えない。他人のタバコの煙が部屋に入ってくるなんて、本当に迷惑だし実害もある。非常に理不尽だが、吸わないでほしいと個人的に「お願い」はできても、「吸うな」とは言えない。レストランや公共の場所が次々と禁煙になるお国(州?)柄だ。他人の住居に煙が侵入する可能性がある場所でタバコを吸ってはいけない、などという条例も作ってほしいもんである。
(ちなみに20世紀の間、長年喫煙者だった私だが、わざわざベランダや外に出てタバコを吸うなんてセコいこと、一度もしたことはない。正々堂々と?自分の部屋の空気を汚し、自分の持ち物をヤニ臭くしていた。ま、今にして思えばそれでも窓からヤニ臭い煙が出ていただろうし、車の窓を開けてタバコを吸っていたから知らずに他の車に迷惑がられていたこともあっただろう。誉められたことじゃないわな)
 ところがある木曜日の夜 11時頃から音楽が聞こえ始めた。リビングにいる間はあまり気にならないが、寝室に移動すると真下から響いてくるのでかなりうるさい。12時過ぎても鳴っているので、ダンナが怒って床をダンダンと蹴った。一瞬、静かになったと思ったら、今度はテレビと思われる音声が響いてくる。
#だからぁ〜、安普請のアパートなんだから周囲が静かな夜中には階下の音声は真上に筒抜けなんだっつぅーの!!! 音を低くしたって、テレビも音楽もまるで自分の部屋で見聞きしているかのように聞こえるんだっての!!!
 それでもこの夜はいつの間にかテレビの音も聞こえなくなり、すぐにも文句を言おうと考えるほどではなかった。
 問題は翌日、金曜日の夜。10時頃から音楽をかけているなあとは思っていたのだが、12時を過ぎた頃からまたあの音楽を聴き始めやがった。テキサンAが弟を迎えに行く前夜に聴いていた、例の気色悪い音楽だ。しかも音量が前回よりかなり大きい。見れば、連中の駐車スペースは2台分とも空。テキサン女もテキサン弟も留守なので、テキサンAがここぞとばかりに音楽を聴いているらしい。
 お前なあ、ふざけんなよ!!! どこまで常識ねーんだよ?! 身内より近隣住人に気を遣えよ!!!
 怒ったダンナが床を蹴っても、自分の世界に入っていて気付かないのか、バカだから自分に対する「うるさい」という意思表示だと分からないのか、無視・・・
 前回苦情を言った時、実に調子良く「彼らに言っとくよ」と安請け合いしていたRoyが、予想通り連中に注意するのを忘れたか? あるいは、Royはちゃんと注意したものの、テキサンAはバカだから忘れたか。
 なんにしても、この夜は本当にひどかった。2時頃にルームメイトが帰ってきて少し音量を下げたものの、それでもうるさい。っていうか、だからルームメイトじゃなくて他人に気を遣え!!! でもって結局4時頃まで音楽をかけ続けやがった。
 もちろん翌日、住み込み管理人のHさんのところに直接行って泣きついた。彼女はテキサンどもがそんなに非常識だとは夢にも思っていなかったようだ。迷惑なイギリス人がいなくなって良かったね、ぐらいに思っていたらしく、我々の苦情にかなり驚いていた。それでもすぐにRoyに連絡すると約束してくれ、1週間後には「その後問題はないか」と電話までくれた。とりあえずその後1週間余は何事もないが、なにぶん相手は見上げたバカである。またいつ何が起こるか、分かったものではない。
 はあ・・・

 それにしても、なんでそんなアパートに住んでんだ?ってな話題ばっかだな、このブログ・・・

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下のバカ・その2

2008-09-25 09:59:08 | Weblog
 前回に続き、階下に住むテキサンAについて。
 その前に住んでいたバカイギリス人どもの姿が見えないなぁ(実際には、見えないというより階下からの騒音が聞こえなくなった)と思ったら、今度は別のヤツがなにやら大量の荷物を運び込んでいた。それがテキサンAだった。
 大量に荷物を運び込もうと、それはそいつの勝手だ。しかしテキサンAは、自分の部屋のドアの外、アパートの共用部分の外廊下にまで物を置いていた。その置いていた物がすごい。太い木の切り株の上に、常に水がちょろちょろ流れている置物である。石(もどき)の小さな塔の上部にある球形の石(もどき)から水が湧き、塔を伝って流れ落ちていく。ホテルや料亭の中庭によくある日本庭園の、池の真ん中などに置いてありそうなシロモノだ。もちろん水を常に循環させて流すためには動力が必要だ。このバカ、部屋の中から電源コードを無理矢理外まで引っ張っていた。かなり強引に、電源コードを潰すような形でドアを閉めていたと思われる。共同の通路にそんなもの置いて誰に見せたいんだよ?! 邪魔だし迷惑だし、電源コードが潰れてショートでもしたら危ない。本当にバカのやることは理解を超えている。
 さすがに管理者側から文句を言われたのか、この置物はほどなく撤去された。
 またお香のようなものを焚くらしく、強烈な異臭がよく漂っている。臭くて迷惑だ! 窓の外に吊してある、風が吹くと細長い金属がぶつかって音をたてるもの(風鈴みたいなものだが、なんと呼べばいいのか不明)も、一晩中チリンカランと耳障り。
 ある晩など、夜中の12時を過ぎてからいきなり不気味な音楽を聴き始めやがった。夜で周囲が静かなところへもってきて、我々の寝室の真下で聴かれた日にゃあ、たまったもんじゃない。それも、低音が響いたかと思うと笛の音が聞こえたり、儀式にでも使いそうな実に不気味な音楽なのだ。これには相当頭に来て、翌日Roy(管理会社のおっさん)に文句を言った。
 いつも調子のいいRoyは、「分かった、10時以降は音楽をかけないように伝えるよ」「ただ彼は今日から弟を迎えにクニに帰ったんだよ。弟も一緒に住むんだって。彼らが戻ってきたら伝えておくよ」と、愛想良く安請け合いしてくれた。この時のRoyの話から、階下の男2人が兄弟であることが判明した。
 Hさん(住み込みの管理人)に聞くところによると、テキサンAはスピリチュアルなものが好きなのだそうだ。今の部屋に住むにあたっては、「ここは木がいい」などと意味不明なことを言っていたらしい。良く言えばいやし系、一歩間違えば気色悪いことが大好きなのも納得である。
(続く)

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下のバカ・その1

2008-09-23 16:25:49 | Weblog
 うちの部屋の真下には、テキサスから来たバカ3人が住んでいる。以前ちらっと書いたバカなイギリス人どもはわずか数カ月でいなくなり、いつの間にかテキサン(テキサス人)に入れ替わっていた。どうしてテキサンだと分かるかって? 連中の車が3台ともテキサスナンバーだからだ。
 イギリス人どもも救いようがなかったが、すぐにいなくなってしまったのでもうどうでもいい。そんなヤツらから部屋を引き継いで、入居審査も手続きもパスして勝手に住み着いてしまったテキサンだ。ロクな連中のハズがない。
 当初、テキサンどもは路上に駐車していた。そもそもバカイギリス人どもが駐車場入り口のゲートを開けるリモコンを失くし(管理人から聞いた話)、路上駐車していた。それをそのまま引き継いだのだろう。うちみたいなクソ高い家賃を払って路上駐車なんて、その時点で理解を超えたバカである。屋根付ゲート付駐車場が2台分付いて、初めてどうにか許容できる家賃の高さだ。駐車場がいらないのなら、同じ家賃でもっとずっと広くて快適な部屋に住める。まあ、入居審査なしで勝手に住み着けるというところがポイントだったのだろうが。
 うちのアパートもかなりいい加減で、金さえ払ってくれればなんでもいいというところがある。入居審査もかなり甘く、例え審査結果が悪くてもデポジット(敷金みたいなもの)を多く入れてくれればいいという態度だ。入居審査が甘くて家賃が安かったら、それこそロクでもない連中の溜まり場になるが、うちは家賃が高いことでどうにか住人のレベルを保っているという状態だ。
 そんなわけで、勝手に入れ替わったテキサンも家賃さえ払ってくれればそれでいいわけで、アパートの管理会社はあっさり認めてしまった。
 さてこのテキサン、男2人(兄弟)と女1人が住んでいる。一番最初に入居してきた男を便宜上テキサンAと呼ぶが、このテキサンAが本当にバカで、なおかつ気色悪い。外見は知らないが(見かけたことがない)、行動がバカで気色悪い。
 連中が路上駐車しているアパートの前の道は、西側が水曜、東側が木曜の10時から12時まで、道路清掃のために駐車禁止になっているのだが、学習能力が皆無なのか、テキサンAの車はしょっちゅう駐禁のチケットをワイパーにはさまれているのがうちの窓から見える。ある週など、水曜木曜と連続で駐禁切られていた。もっと笑ったのは、この道で水道管工事が行われた時だ。事前に工事の日は早朝から駐車禁止だと看板が出ていたにもかかわらず、テキサンAは前夜から車を停めていた。当日は朝から道路工事のもの凄い騒音がしているのに、さすがバカだけあって何も感じなかったらしい。テキサンAの車は駐禁チケットを切られた挙げ句、工事の邪魔になるのでレッカーされて行った。部屋から一部始終を見ていた我々は、「ザマーミロ」と大爆笑であった。
 というか、うちから見えるのだから、真下のテキサンAの部屋の窓からも見えるだろう。それでも気付かないなんて、見上げたバカである。
(続く)

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裁判体験記その7(完結)

2008-09-16 16:07:24 | Weblog
 法廷内に残っている人数がぐっと減り、被告人、警官それぞれ2人になったところでついに私の名前(と担当警官)の名前が呼ばれた。
 さんざん待たされたお陰ですっかり余裕ができた私は落ち着いて柵の中に入り、所定の位置に立つ。左側に立つ警官のほうは一切見ず、正面の裁判官を見つめる。裁判官の、裁判を進めて良いかという問いに「Yes」と答え、さあ、これから勝負だ!
 続いて裁判官が警官に名前や所属などを尋ねる。これまでの裁判では、警官はどこどこ所属のどこどこ部署のなになにで、などと、結構長い自己紹介をしていたのだが、私に切符を切った警官は自分の名前だけを名乗り、しばし絶句してしまった。ここで初めて、横目でちらりと警官のほうを見た。記憶にあるよりずっと小柄で、しかもかなり緊張している様子だ。威圧感のかけらもない警官の姿を見て、さらに心に余裕が生まれる。
 裁判官の視線に促され、警官は自分の身分や所属などを述べ始めた。どうやら私に切符を切った7月1日から、今の部署に変わったらしい。私を捕まえたのは、勤務初日にはりきり過ぎて勇み足って感じか?
 続いて状況説明だ。警官曰く、○×通りを走っていた時、前方にウインカーを出さずに「Unsafe Lane Change」をしている車がいたので捕まえた。実にシンプルで短い説明である。
 今度は裁判官が私に弁明を求める。一語一語はっきりと区切り、発音なんかどうでもいいので、とにかく分かりやすいように話す私。「当時、道路はすいていて交通量は少なかった。私の前を走っていた車が急に減速したので車線変更をしたが、移動する先の車線に他の車がいないことはちゃんと確認した。『Unsafe Lane Change』ではない」。警官に負けず劣らずシンプルで短い弁明である。ウインカーを出したとか出さないとかは、あえて一切言わない。だってそんなこと、違反切符に書いていない。この裁判で問われているのは、私の車線変更が「Unsafe」だったかどうかだけである。
 裁判官が双方に質問があるか尋ねるが、私も警官も質問はなにもなし。最後に裁判官が私に「さらに言うことはあるか?」と聞いた後、「同じことは繰り返さなくていいから」と付け加えた。同じ内容を言い方を変えて言うぐらいしか思いつかなかったので、「なにもない」と私。なんともまぁ、実にシンプルで短い裁判である。それまで見てきた他の人のどの裁判より短かったかも。
 そしていよいよ、緊張の判決である。裁判官はあらゆる交通法規が書かれていると思われる電話帳のような本のページをめくり、車線変更の際の規則のようなものを読み上げた。完全には覚えていないが、「安全確認をしてから車線変更をしなければならない」といった内容だったと思う。そして顔を上げた裁判官、「・・・このケースの車線変更は『Unsafe』であったとは言えない。よって、『NOT GUILTY』」
#・・・・・やった!!! やった!!! やったぞ~~~!!!
###「NOT GUILTY」だ~~~!!!!!
 思わず顔がほころび、小さく「Thank you」とつぶやく私。警官はと見れば、判決内容なんかどうでも良くて、とにかくこの場から解放されることが嬉しいといった安堵の様子。柵から出る際、裁判所の職員が寄ってきて私の住所を確認し、すでに払った罰金は6~8週間で(小切手で)返送されるからと告げた。はいはい、ちゃんと返してね~
 足取りも軽く法廷の扉を出ると、罰金支払い窓口の長い列が扉の辺りまで続いていた。見ればとっくに法廷を後にした人たちも、(安くなった)罰金を払うためにまだ列に並んでいる。へっへっ、結局私のほうが先に帰れちゃったね~~~♪
 それにしても、ここ最近でこれほどスカッとしたことはない。はっはっは! ざまーみろ! 正義は最後にはちゃんと勝つのだ(たまには)。本当に心の底から「やった!!!」と叫びたい気分だ。新入り警官もこれに懲りて、もうくだらね~ことで市民を捕まえて時間と税金を無駄にするんじゃね~ぞ!
 いや~、本当にすっきりした! 理不尽がはびこる世の中だけど、たまにはこういうこともあるもんなんだね~♪

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裁判体験記その6

2008-09-15 04:26:57 | Weblog
 さて、一方が現れなかったために無罪放免となった人たち、早々に白旗を挙げてトラフィックスクールを選んだ被告人とそのケースの担当警官が法廷を去ると、法廷内に残っている人数はぐっと減る。いよいよ裁判の開始だ。ざっと見回したところ、実際に裁判を行うのは10組程度か。
 改めて全員起立し、右腕を頭の横に挙げて真実のみを述べることを誓い、着席。ここから被告人の名字のアルファベット順に、1件ずつ裁判が進んでいく。この時ばかりは自分がYから始まる名字であることに心から感謝してしまった。もし一番に呼ばれていたら、どうしていいか全く分からなかった。他の裁判を繰り返し眺められたお陰で流れが分かったし、徐々に緊張がほぐれて心に余裕も生まれてきた。
 裁判の流れは大体こんな感じだ。まず裁判官に呼ばれて被告人と警官が柵の中に入り、それぞれ所定の位置に立つ。裁判官が、被告人の裁判を続ける意思を確認した後、裁判官に促された警官が自分の名前や所属を述べ、違反切符を切った経緯を説明する。ここで被告人は、警官に対して質問があれば質問する。続いて被告人による弁明が始まる。それから裁判官は、双方に相手方に対する質問はあるか、さらなる弁明や説明があるかなどを聞き、最終的な判決をくだす。
 大抵の被告人は緊張した様子だが、中にはすらすらと流ちょうに口上を述べる者もいる。逆に警官の方が見るからに緊張していることもある。また、わずか10件程度の裁判の間に2回登場した警官が2人もいた。お前ら、そんなに切符切りまくってるのかよ? それも裁判に持ち込まれるぐらいだから理不尽な理由でだろう。イヤな野郎どもだなぁ。この裁判にだって結構な税金が使われているのだし、お前らがここに来るための有給だって税金の無駄遣いだ! もっと市民のためになる仕事をしろよ・・・
 被告人や警官が話している間、裁判官はものすごい勢いで内容を記録(速記?)していく。司会進行(?)も裁判官の役目だし、もちろんその場で内容を検討し、最終的な判決も素早く出していく。大したものである。
 証拠になりそうな現場の写真を持ってきている被告人も何人かいたし、黒板を使って当時の状況を説明した被告人もいた。よほど腹が立っているのだろう、中には警官への質問の際にけんか腰に問い詰めている被告人もいる。警官への質問と裁判官に対する説明は分けなければならないようだが、そこは素人。警官に問いかけながら裁判官に向かって説明もしたりして、裁判官から「どっちかにしろ」と注意されている人も結構いた。
 しかしやはり、被告人が完全に無罪になる確率はかなり低そうだ。罪状が2つあり、一方だけ無罪になった人は何人かいたが、完全に「Not Guilty」と言われた人は1人だけだ。1件、警察官が「その違反はもう1年半も前のことで、記憶にないので放棄する」というようなことを述べ、無罪放免になった人はいたが。
 ただ、最終的に「Gulty」と言われた人たちも罰金はかなり安くなっているようだ。皆、「・・・よって有罪、罰金35ドル」とか「45ドル」とか、最初からそんなに安かったわけないだろうという額を告げられている。

 皆さんの裁判をじっくり見学させて頂いたお陰で、かなり余裕が出てきた私。自分の裁判で言うべきこともまとまってきた。しっかし、やはり心の片隅では自分の担当警官がなにかの間違えて帰ってしまわないかな、とか、急な事件で呼び出されたりしないかな、とか、しょうもないことを思っている。
 裁判は着々と進み、あと2件。法廷に残っている被告人、警官、それぞれ2人ずつになった時、ついに私の名前が呼ばれた。運命の時だ・・・
(続く)

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裁判体験記その5

2008-09-13 14:21:28 | Weblog
 一方が来ていなかったために解放された人たちが帰り、少し人数が減ったところで、今度は職員がトラフィックスクールに行きたい人を募る。この辺りで恐らく裁判のシステムを説明するビデオも見せられたのだが、前後関係の記憶はあいまいだ。ビデオの内容も、緊張のあまりほとんど覚えていない。ははは・・・

 ちなみにトラフィックスクールというのは、認可を受けた民間業者が実施している、ほぼ1日がかりの講習会だ。講習の最後に交通法規に関するテストがあり、ここで合格すれば違反の記録が消える。もちろん有料。結構いい値段を取られるはずだ。
 どうして皆、トラフィックスクールに行くのか? それは違反の記録があると車の保険料が高くなってしまうからだ。具体的にどのぐらい保険料が上がるかは経験がないので分からないが、ほとんどの人がトラフィックスクールに行くところを見ると、かなり高くなるのだろう。
 ただしトラフィックスクールは8カ月に1回しか受講できない。8カ月以内に違反を繰り返した場合は、諦めて高い保険料を払うしかない。違反の記録が消えるまでは、その後違反がなければ何年とか、前歴がきれいなら何年とか、いろいろ細かい決まりがあるのだろう。自分の身に関係があったことがないので、よく知らない。

 さて裁判所に来ている人の中には、私のように切符を切られたことに納得できずに来ている人もいれば、違反した事実を争うつもりはないが「25%の無罪放免、それがダメでも罰金の減額」を期待して来ている人もいる。後者の人たちにとっては、相手の警官が来ていた時点で結果は出ている。彼らは当然、トラフィックスクールに行きたい人の列に並ぶ。それに裁判で争った後で結局有罪になると、トラフィックスクールに行けなり、違反の記録を消すことができなくなる場合があるらしい。裁判所に出廷するところまでは誰でも比較的気軽にできるが、本当に裁判で争うにはそれなりの覚悟が必要なのである。
 ここで私の気持ちもかなり揺れる。運悪く(?)私に切符を切った警官は来ていやがる。これから何組が実際に裁判に臨むのか分からないが、被告人が勝訴する確率はかなり低いことだろう。私の頭の中で声がする。「裁判で負けたらトラフィックスクールに行けなくなるかもよ~、そうしたら車の保険料がガーンと上がっちゃうんだぞ~。ここで素直に諦めて、トラフィックスクールを希望する人の列に並んだほうがいいんじゃないの~?」
 実際、何度かイスから腰を浮かせかけた。右腕で肘掛けを押して立ち上がりかけた。しかし結局、私の体はイスから動かなかった。
 夕べ見た映画(The Mist)を思い出せ! あの映画の主人公は最後の最後で諦めたばっかりに、最悪の結末を迎えてしまったではないか! あの映画を前夜に見たのは、きっと偶然なんかじゃないんだ!(いや偶然だと思うけど・・・、すげーこじつけ・・・) 最後の最後まで諦めちゃいけないってことだよ!
 え~~~い! ここまで来たら最後まで潔く勝負だ!!!
(続く)

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裁判体験記その4

2008-09-12 06:03:45 | Weblog
 アッという間にやってきてしまった、裁判の日、9月8日。超眠い目をこすって普段よりかなり早起きし、だらだらと身支度を整える。それでなくても憂鬱な月曜日、気が重過ぎて足元から沈んでいきそうなぐらいである(ナンノコッチャ・・・)。
 出かける準備も整った8時少し前、この日はさすがに車で家を出る。裁判所の手前の路上、ちょうどいい場所に1台分の駐車スペースが空いていた。幸先がいいじゃないか! 裁判所にもちょうどいい感じに裁判開始時刻の10分前に到着だ。
 X線検査の後、今回は建物を入って左側に行く。私の裁判が行われる法廷の扉の前には、本日の予定が貼り出されている。扉の周りにはすでにかなりの人が開廷を待っている。さらに見回すと、警官の姿もちらほら。なんだよ、警官は大抵は来ないんじゃなかったのかよ・・・? 私の切符を切った警官が来ていたら、どうしよう???
 他にすることもないし、緊張を紛らわすために扉の貼り紙に自分の名前があることを確認などしていると、ほどなく法廷の扉が開いた。おお〜〜〜、本物の法廷だ〜〜〜! 映画やテレビでよく見るのと同じだ〜〜〜!(当たり前・・・)
 低い柵で仕切られた向こう側が裁判エリアで、手前側にはイスがたくさん並べられている。職員が、警官は左側ブロックのイスに、市民(被告人)は中央もしくは右側ブロックのイスに座るようにと声を張り上げている。私は中央ブロックの左端、前から2列目の席に座り、さり気なく左側の警官用ブロックに目をやる。ゲゲゲッ・・・。警官、すげーたくさん来ていやがる・・・。どうぞ私に切符を切った警官が来ていませんように・・・
 心臓の鼓動が徐々に速まる。

 これから書く内容は、もしかすると順番が逆だったり微妙に不正確だったりするかもしれない。なにしろかなり緊張して臨んだ初めての裁判だ。その辺は大目に見てやってほしい。
 扉の外で待っていた全員が入廷着席したところで、全員起立。職員による裁判開始の宣言のようなものの後、着席。まずは本日裁判予定の人がちゃんと来ているかどうか、中央の一段高い場所に陣取った裁判官が出席を取る。被告人の名字のアルファベット順に、被告人とその人に切符を切った警官の名前を呼んでいく。ここでもし一方が来ていなければ、裁判は自動的に出席していたほうの勝ちだ。
 この時の裁判は全部で約30ケース。私の名字はYで始まるのため、私の名前はかなり最後のほうに呼ばれた。続いて私に切符を切った警官の名前が呼ばれる。ぐえっ、返事があった。ヤツは来ていやがったか・・・
 出席を取っている間、緊張を紛らわすために、どの程度の警官が来ているか指折り数えていた。実に75%のケースで警官は来ていた。後で知ったことだが、最近では警官は裁判に行くと言えば有給が取れるらしい。昔のように裁判に持ち込めば大抵は無罪放免になるということは、今ではないようだ。ただそれでも25%の警官が来ていない。25%の被告人は罪状にかかわらず無罪放免だ。例え無罪にならなくても少なくとも罰金は安くなる(らしい)。大きな(罰金が高い)違反だったら、裁判に持ち込む意味は十分にあるだろう。ちなみに、被告人の側の出席率も8割程度。裁判に持ち込んだものの、なんらかの事情で来ていない人が2割ぐらいはいるようだ。
 出席確認が終わったところで、裁判官はいったん引っ込んで小休止。職員が、一方が来ていなかった人たち、つまり無罪放免になった市民、および解放された警官たちを集めてちょっとした事務処理を行う。その後、彼らは晴れ晴れとした顔で帰って行く。いいなぁ〜
(続く)

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裁判体験記その3

2008-09-11 09:22:56 | Weblog
 汗だくになってたどり着いた裁判所。まず入り口で飛行機に乗る時のようなX線検査を受けてから、建物の中に入る。裁判を行う法廷は左手にあるようだが、今回は右手の総合窓口のようなところの列に並ぶ。開いている窓口の数は3つ、私の前には10組程度が並んでいる。待ち時間は25分といったところだったが、初めてのことで微妙に緊張している。まだ裁判でもなんでもないのに。早く自分の順番が来てほしいような、なかなか来ないでほしいような、複雑な気分で順番を待つ。他の人と窓口の職員との会話に耳をそばだてたり、今さらながら違反切符をしみじみと眺めてみたり。
 と、ここで私はあることに気付いた。今まで、あまりにムカつくので切符をろくに見ていなかったのだが、よく見ると罪状(?)のところに「Unsafe Lane Change」と書かれている。「安全ではない車線変更」だ。てっきり「方向指示器を出さない車線変更」だと思っていたが違ったのだ! 警官に口頭で「方向指示器を出さずに車線変更したから停めた」と言われたが、実は「方向指示器を出さない車線変更」なんていう違反項目、ないんじゃないのぉ〜?!
 考えてみると捕まった時、私の免許証を持ってパトカーに戻ったまま、警官はなっかなか切符を持って現れなかった。あまりに遅いので何をしているのかと首をねじ曲げて見てみたら、辞書のような物を開いてなにやら一生懸命に調べていた。きっと適用できそうな違反項目を必死で探していたに違いない。これは裁判にあたって、重要なポイントかもしれないぞ。
 そうこうするうちに私の順番が回ってきた。なにか決まった言い方があるのかもしれないが、よく分からない。とにかく誤解だけはされないように、窓口で「Not Guilty」「Court Trial(を要求する)」と明言する。罰金の支払いを延期するかどうか聞かれたが、とりあえず払っておくことにする。なにかの手違いで後から追徴金を請求されてもイヤだし、無罪になれば返ってくるお金だ。159ドルの小切手のメモ欄に「Not Guilty」と明記して渡す。
 そこで指定された裁判の日時は9月8日朝8時30分。もっと先になるかと思っていたが、意外にすぐだ。「朝早ぇ〜じゃん!」とか、「ま、とりあえず3週間は処分保留の猶予期間ができたな」とか、いろいろ考えている風で実は役に立つことは何も考えぬまま、とりあえず一仕事終えた安堵感に浸りながらチャリチャリと帰路に就く。
 しかし時間が経つのは早いものだ。とりあえず現実逃避できた3週間の猶予期間は瞬く間に過ぎ、永遠に来ないでほしかった9月8日がアッという間にやってきてしまった・・・
(続く)

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裁判体験記その2

2008-09-10 15:25:59 | Weblog
 アメリカに来た直後から、「違反切符を切られても罰金を払わず、裁判所に行くといい」という話は聞いたことがあった。裁判所に切符を切った警官が現れなければ勝ち、警官なんて忙しいからわざわざ裁判所に来ない、よって大抵は勝って無罪放免になる、といった漠然とした話だ。日本にいた頃は免許取消にまでなった私も、今じゃすっかりいい大人。渡米以来、数えるほどしか違反切符を切られていない(それでも切られてんじゃん・・・)。なので、その「裁判所に行けば勝てる」という漠然とした話は、あくまで漠然とした人づての話でしかなく、具体的な知識はなにもなかった。
 そんな漠然とした話を思い出し、罰金を払わずに裁判所に行くことに決めたものの、未知の領域(?)への一歩がなかなか踏み出せない。そこで裁判所に行く前に予備知識を仕入れるべく、ちょっとインターネットで調べてみた。
 結果、分かったこと。最初に裁判所に出頭した時点で、「有罪を認めて罰金を払う」「罰金の支払期限の延期をお願いする」「(有罪とも無罪とも言わず)裁判を要求する」「無罪なので裁判で争う」というように、いくつか選択肢があるらしい。また最初に裁判所に行った日にいきなり裁判をやるわけではなく(考えてみれば当たり前だわな)、その日は裁判の予約を入れるだけで、裁判は後日行われる。どんなに明白な違反でも、すぐには罰金を払わずに裁判を要求すると、何故か罰金がかなり安くなるらしい。
 そっか、まぁとりあえず「訴え損」になることはなさそうだ。失うものはなにもないどころか、罰金が安くなるならそれだけでもいいじゃないか。
 そうは思うものの、やはりなかなか足が裁判所に向かない・・・。出頭の期限は8月15日である。
 遅く行ったほうが裁判の日程も遅くなり、警官が来る確率も下がるに違いない、と勝手な言い訳を自分にしつつ、うだうだと先送りにしていた裁判所出頭。本当はもうこの際、期限ぎりぎりの15日に行こうかと思ったのだが、その日に用事ができてしまった。そこで期限を翌日に控えた8月14日、重い腰を上げてチャリチャリと自転車に乗って裁判所に行ってみた。
(続く)

 以下、裁判とはまったく関係のない余談だが、最近よく自転車に乗っている。半径4〜5km以内で、バックパックに入れて背負える程度の荷物しかない時限定だが(前カゴ荷台付きママチャリがほしいところだが、あいにくマウンテンバイクなので、ウエストバッグかバックパックに入る荷物しか運べない)、ガソリン代節約と運動不足解消で一石二鳥である。半袖短パンでチャリチャリしているお陰で、両腕は見事な土方焼けだ。
 しっかし裁判所まではチト遠かった・・・。恐らく6km程度だと思うが、往きがずぅ〜〜〜っと登りなのである。急な登り坂は短いが、残りも基本的にだらだらと登っている。えれ〜疲れた。その代わり、帰りは楽だったケド。

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裁判体験記その1

2008-09-09 16:00:00 | Weblog
 あれは忘れもしない7月1日。この日から、カリフォルニア州でも運転しながら携帯電話を手に持って使用することが禁止になった。交通法規が変わった直後は、携帯にかかってきた電話についうっかり出てしまうヤツや、禁止になったこと自体を知らないヤツが結構いるハズだ。そんな連中を片っ端から捕まえて違反切符を切ろうと、町にはパトカーや白バイがうようよしていることだろう。できればこんな日に車で出かけることは避けたかったのだが、あいにく出かける用事があった。
 そんな危険な(?)日に出かけるのだから、もちろん運転には注意して、ゆっくり目に走っていた。それなのに、片側3車線のすいた幹線道路を走っている時、ふとミラーを見るとパトカーのドアップが写っているではないか! しかも、しっかり屋根の上の赤青灯(日本だったら赤灯)が回っていやがる・・・
「私ですかぁ〜〜〜???」
 一体全体なんで自分が停められるのか、全く思い当たらぬまま、仕方がないので横道に曲がったところに車を停めた。パトカーから降りてきた警官が「なんで停められたか分かる?」。私「いいや、分からん」。「ウインカーを出さずに車線変更したから」と警官。
 はぁ〜〜〜??? そんなくだらないことで停めるなよ! っていうか、車線変更なんてほとんど無意識にやってるから、どの車線変更のことを言われてるのか、その時に自分がウインカーを出したか出さないかすら分からんし・・・。そりゃ建前は30メートル手前で後方確認後ウインカーを出して・・・とか、あるんだろうけど、実際に毎回そんなことしてるヤツ、いない! いちいちそんなことやってたらまともに走れない。そんなことで違反切符もらうんだったら、ドライバーの99%はもらってるよ! そもそもガラガラにすいた道で誰もいない車線に移動するのにウインカー出さなかったからって、誰に迷惑がかかるんだ? 右左折時にウインカーを出さないほうがよっぽど迷惑だが、そういう連中だって腐るほどいる。そもそも今日は運転中の携帯による通話の取り締まりをする日じゃないのかよ?! ウインカーなしで車線変更をしたなんて、そんなくだらないことで切符を切って時間を浪費している隙に、もっと他の迷惑な連中の切符を切れよ!
 その日は1日、気分が悪かった。ついでにその後しばらく、ウインカーなしで右左折している車など本当に迷惑な連中を見るたびに、「なんでこいつらが切符切られないんだ?!」と1人でムカついていた。
 さて、2〜3週間して、罰金の通知が送られてきた。その金額、実に159ドル! 薄れていた怒りが増幅されて蘇ってきた。これはどう考えても納得できない!
 日本やアメリカの他州でも確か似たようなシステムがあった気がするが、カリフォルニア州の違反切符にも「有罪を認めない場合は、○月×日までに裁判所に出頭すること」などと書かれている。しゃーねーなー、めんどくせーけどひとつ裁判所に行ってみるかぁ。まあ滅多にあることじゃないし(中には頻繁に切符を切られる人もいるみたいだけど)、話の種になるし、何事も経験だし、なにより「失うものはなにもない!」
 というわけで、アメリカで初めて裁判所に出頭することに・・・
(続く)

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