ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

佐藤健志氏

2017-06-16 18:21:46 | 徒然の記

 佐藤健志氏を、とても誉める方がいます。私はずっと、その意見に違和感を抱いてきました。

 まずもって、佐藤氏は早口で喋りすぎますし、相手の言葉を遮ってでも、自分の意見を述べたりします。無くて七癖と言いますから、これは生意気というので無く、氏の癖なのでしょうが、あごを突き出し、他人を見下ろすような話しぶりをします。

 謙虚さの見えない姿なので、それだけで私は嫌になり、どうしてこのような人物を評価するのかと、首をひねってきました。しかし、本日偶然にチャンネル桜の動画を見て、佐藤氏への評価をすっかり変えました。

 さる4月15日に放映された動画で、「どこまで独立したか ? 日本」という表題の討論でした。出席者は5名で、司会はいつものとおり水島氏でした。東大名誉教授の小堀桂一郎氏、産経新聞ワシントン特派員の古森義久氏、元自衛隊陸相の用田和仁氏、大学教授の西岡力氏、そして評論家の佐藤健志氏です。

 チャンネル桜の討論番組で、佐藤氏以外は私には常連メンバーでしたし、どの人物も同じ保守と思ってきました。日頃は皆私と同じ考えだという、それだけの印象しか持っていなかったのですが、初めて佐藤氏の意見を聞き、目から鱗の発見をいたしました。

 結論を先に述べますと、保守として正しい意見を述べていたのが、佐藤氏一人しかいなかったという、驚くべき事実でした。他の出席者は、日本の独立が達成されていないと言いながら、なにごとも米国の理解を得てやろうとする親米派でした。敗戦後、日本の独立を徹底的に奪った、張本人の米国には言及せず、今は米国もすっかり変わり、日本をパートナーとして考えているのだから、彼らの理解を得て、憲法を改正し、慰安婦問題の嘘も解消し、安全保障も考えるべきだと、「何もかも米国頼り」の意見でした。

 これに対し佐藤氏の意見は、単純明快です。米英を相手に戦った大東亜戦争での大義と、米国との協調路線を進める大義に、一貫性がない。米国頼りで進むので無く、日本だけででも安全保障はやる、憲法改正もやると、筋を通した歴史観が必要だ。

 これは、私の思いと全て重なり、他の出席者も賛成すると思いましたのに、全員が異を唱えました。一番酷かったのが古森氏で、旗を上げて戦って我々は負けた。負けて下ろした旗をまた上げろと言うのかと、こんな意見です。今更それを言うのは、寝た子を起こすようなもので、日本にとって何の益もない。国内での議論ならまだしも、それを国際社会で言って、何になる。

 小堀桂一郎氏は、現代史を事実に即して学びなさいと、佐藤氏に忠告しました。米国はすでに、過去に日本を悪者にしたことを後悔している。フーバー元大統領の回想記を読みましたか。そこには、ルーズベルトやトルーマン大統領の政策が過ちであったと書いてある。米国は、共産主義国との戦いの最前線にいたのが日本だったと、今は、やり過ぎを後悔していることを知るべきだ。現実が保護国状態であるとしても、私たちは、米国と手を組み協調していかなければならない。・・・えっ、これが保守論客と言われる人物の意見かと、耳を疑いました。

 西岡氏は、私が初めて耳にする珍節でした。大東亜の戦争で、日本は負けて敗戦国となったのかも知れないが、その後の東西冷戦では、西側の民主主義国の陣営に加わり、共産主義と戦った。その結果ロシアが崩壊し、日本は戦勝国の一員となったのだから、いつまでも、大東亜の敗戦国の意識でいることはない。

 用田氏は、もっぱら憲法九条のため、自衛隊が何もできないという話です。日本には国内を守る警察はあるが、外敵と戦う軍隊はない。自衛隊の実情は、戦後に作られた警察予備隊のままである。攻撃されるまで武器が使えず、武器を使えば殺人罪に問われる。外国へ出かけても、他国の軍隊に守られてしか活動できない。こんなことで、どうして国防の任に当たれるのか。憲法と安保を見直しし、米国と共に、日本は戦うという姿勢を見せなくて、米国の理解が得られるだろうか。

 佐藤氏は、それでは東京裁判史観を認めたままになり、筋の通った歴史観がないと言いましたが、耳を傾ける人がいませんでした。出席者たちが、本気で日本の独立を考えている保守というのなら、佐藤氏の意見を否定する理由がわかりません。

 「正論を言い出したら前に進まないので、今は現実を考えながら、プラグマティックにやることが大事でしよう。」などと、水島氏の意見が出席者の総意になるようでは、お粗末の限りです。敗戦後の保守たちは、こうして大切な問題を先送りし、日本中を「お花畑」にしたのです。保守論人というのなら、歴史観を大切にし、しっかりした思想を持つべきでしょうに。

 ですから、私は、出席者の方々に失礼だと知りながら、あえて言います。

「佐藤氏は、立派で、聡明な、正統の保守です。」「他の人々は、己の無知に気づかない、愚かな人間で、とても保守とは呼べません。」

 アメリカが日本を裁いた過ちを認めたというのなら、フーバー元大統領や、個人の議員の談話などに根拠を求めず、「国連の敵国条項」を外させたらどうかと、私は小堀氏に言いたいのです。マッカーサーが回想記や議会証言で、国内向けに語るだけでなく、アメリカは国として、正式に日本への原爆投下を謝罪すべきでないかと、小森氏や西岡氏に問いたくなります。

 憲法改正ができない原因が、今もアメリカにあり、反日左翼は、米国内の反日勢力と手を結び、「日本の歴史」を攻撃しています。国として、アメリカが日本を評価し直しているのなら、国連での反日活動をなぜ放任するのでしょうか。分担金だけ出させ、相変わらず日本軍を否定させ、過去を否定させ、種々の委員会での反日活動や、内政干渉を黙認するのか。佐藤氏以外の方たちの意見には、大きな疑問と怒りを覚えました。

 孤立無援の佐藤氏に送る言葉として、私はもう一度繰り返します。

「佐藤氏は、立派で、聡明な、正統の保守です。」「他の人々は、己の無知に気づかない、愚かな人間で、とても保守とは呼べません。」

 

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佐藤健志氏との「出会い」 (ベッラ)
2017-06-17 11:37:11
onecat01さま、いつも公平なご意見敬意を持って拝読しております。佐藤氏との「出会い」は2004年、恥ずかしいことですが私がブログで批判したことです。佐藤氏はそれを氏のエントリになさって私はさんざんからかわれ、すぐに謝罪しました。それからあとhttp://kenjisato1966.com/%e3%83%99%e3%83%83%e3%83%a9%e3%81%95%e3%82%93%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%a1%e3%83%b3%e3%83%88/で快く私の謝罪を受け入れて下さって、それから私はすっかりファンになってしまったのです。

onecat01さまがご覧になった4月の「討論」は、そのころ三宅先生のご病状が気になってじっくり聴いていなかったのです・・・ブログにUPだけしていましたが、他の方々がご覧になったら、という気持ちだけで・・・。

最近は佐藤氏にご許可を頂いて時々、氏のブログを転載したりしています。

この「討論」、必ず聴いてみたいと思います。
佐藤氏は大変な天才であり、評論家として西部邁先生とおふたりいつも尊敬しています。
正統の保守 (onecat01)
2017-06-17 12:39:15
ベッラさん。

 思いがけないコメントを頂きました。
佐藤氏につきましては、今回の動画が初めてなので、貴方ほどの深い想いはありません。
しかし、佐藤氏のような、正統の保守を知りましたことを、大きな喜びといたします。保守の中を乱す気はありませんが、本物の保守と、中途半端な保守がいるのだということを、私に教えてくれた人物が佐藤氏であったこと。これだけは、感謝しても足りないものがあります。

 最後に、白状致しますと、この動画は、ベッラさんのブログで拝見したものでした。本当に、偶然ですね。

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