個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

チャレンジテストの問題点②~具体的に

2017-06-01 16:34:02 | 教育問題
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

前回で大阪の高校入試の仕組みを説明しましたが、今回はチャレンジテストがどのような問題点があるのかについて書いていきます。

① たった1回のテストで1年間の内申点が決まってしまい、日常の授業や取り組みで頑張っている子どもを正当に評価できない可能性があること。
やはりこれは大きな問題です。チャレンジテスト導入前の内申点は中学校で多少の違いはあったでしょうが、基本的には定期テストの点数・提出物・授業態度などの総合的な評価で決められていました。そういった評価で内申点が「5」だった生徒が、もしこのチャレンジテストで、たまたま体調が悪い中テストを受けてしまい、結果が20点になったとするとこれだけで内申点は「2」に下げられてしまいます。1年間定期テストを頑張って勉強して良い結果を出し、提出物も期日までにきちんと仕上げ、授業もまじめに受け頑張ってきた生徒が、この1回のミスでこれほど大きく評価を下げられてしまうのです。

② チャレンジテストを受けなかった生徒は、チャレンジテストの影響を受けないこと。
それではチャレンジテストを欠席してしまった場合どうなるかといいますと、チャレンジテストの影響を受けずに、学校が評価した内申点がそのまま入試での内申点になります。ということは、学校の内申点が良い生徒は、わざわざ下がる危険性のあるチャレンジテストなんて受けたくなくなりますよね。実際に今年の1月に実施されたチャレンジテストでは、いくつかの中学校で半数以上の生徒が受験しないという事態が発生しました。ここからは憶測になりますが、おそらく学校の先生がこのチャレンジテストの仕組みを生徒や保護者に伝えてあげたのではないでしょうか。もちろんチャレンジテストを受けるという規則があるのですから、それを受けさせずに悪く言えば「ずるい」ことをしているという批判もあるでしょうが、、気持ちはものすごくわかります。いずれにせよ、チャレンジテストを受けた生徒と受けない生徒がいることによにより、公平性は保てなくなっています。

③ チャレンジテストの信頼度
入学試験は高校であっても大学であってもカンニングなどの不正行為は絶対に許されないですよね。大学受験であれば、入学試験ではないですが、大学の合否に大きく影響を与えるセンター試験は不正ができないように、試験中の監視はもちろん問題の流出などのないようにしています。一方、同じく高校受験の合否を大きく左右するチャレンジテストは、どこかの会場で実施するわけではなく、各中学校で行われます。ある中学校では日常的にカンニング行為をしている生徒がいて、チャレンジテスト当日もカンニングをしていたという話を聞きました。事の真偽はわかりませんが、そういった不正行為は防ぎにくいのは確かだと思います。

④ 1年生から受けなければならないこと
大阪の高校受験に必要な内申点は、以前は中3になってからの成績だけでよかったのですが、このチャレンジテストが導入されてから中1からの成績が内申点に反映されるようになりました。学年ごとの内申点の比率は、中3:中2:中1=3:1:1となっています。中3の比率が高いものの、中1からの成績が入試の内申点に関わってくるようになったことで、クラブ活動などをやめてしまう子どももでてきています。さらに、中3の受験の時期に学力で上回っていても、中2までのチャレンジテストの結果が良くなければ、いい内申点がもらえないため特に進学校に合格するのは困難になってしまいます。「それなら中1から勉強しとけばいいやろ」という人もいますが、小学校を卒業したばかりのまだまだ幼い子どもに特定の高校を目指して受験勉強させるのはあまりにも酷でないでしょうか。私が今まで指導してきた生徒の中にも、中3になってから志望校が決まり、そこから猛勉強して進学校に合格した子どもはたくさんいます。中3になった段階で、内申点の約半分がすでに決まっているなんて、私はおかしいと思います。

もう少しありますので、次回に続きます。

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