On a bench ブログ

ようこそ、当ブログへ。ジローと申します。
 毎日毎日、たくさんのCDやLPを聴いて過ごしております。

聴いたCD Ferenc Vizi : Voyage

2017年06月15日 | クラシック
Voyage
 
Satirino France

〔曲目〕
 ・ シューベルト: さすらい人幻想曲 ハ長調
 ・ シューベルト/リスト編:「白鳥の歌」より 影法師
 ・ リスト: ソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」
 ・ ワーグナー/リスト編 「タンホイザー」序曲
 ・ シューベルト/リスト編:「冬の旅」より 幻日

 今日は、このCDを聴く。

 「ヴォヤージュ(Voyage)」と題されたシューベルト、リスト作品のロマン派の雰囲気濃い作曲集。かねがね、クラシックのCDでは「〇〇全曲」みたいなものではなく、いろんな作品をコンサートみたいに聴かせてくれるものが好きだと言っているのだが、その中でもこういう何かしらのコンセプトがあるものが、一層好きだ。

 ・・・とはいえ、実はこのCD、1,2年前に買ったはいいがその時は全然気に入らず、何度か聴いて打っちゃってしまっていた。それが今回、たまたままた出てきて何かが気になって再び聴いてみたら、今度は入っていけてしまった。ホントに、具体的な理由なんて全然なかったんだけど。

 で、ピアニストは、ルーマニア出身でフランスを中心に活躍しているというフェレンツ・ヴィジ(Ferenc Vizi)。ネットで見ると、以前浜松のコンクールに出場したりしたこともあったらしい。ルーマニアとハンガリーという差はあるが、同じ Ferenc という名を持つ縁でリストが好きなのかなと思ったりするけど、ちょっと短絡的な推測かな。

 いずれにしても、この盤は19世紀の「さすらい人」的な雰囲気濃厚な、色調としてはいささか暗めなラインアップ。人によっては、この並びだけでちょっと敬遠してしまうかもしれない。しかし今回、個人的にはこれが大変有難かったのは、実はこれまで苦手だったシューベルトの「さすらい人幻想曲」に、初めて開眼できたからだった。

 シューベルトについては、ここ数年ある意味マイブームというか、かつての苦手がウソのように好きになってきているのだが、まだまだ掴めていない曲がたくさんあり、今回のこのCDで、ついにこの大物に到達(そして、シューベルトの場合はそうして開眼するのがとんでもない傑作で、イチイチめちゃくちゃ感動してしまうのが特徴・・・特徴はヘンか)。

 ともかくまあ、これは何といっても年齢にもよるところが大きいとは思うんだけど、しかしここで少し脇道にそれて持論を述べれば、やはりシューベルトに関しては、よく録音している大物ピアニストたちの感情移入の入り方が強すぎるってこともあるんじゃないか、とも思ったりするんですよね、何というか。

 と、ここでジャンルは全然違うけど、つい最近ネットで見た歌手の八代亜紀が言っていたという言葉を思い出すんだけど(以下、ただのあやふやな記憶なので話半分で読んでいただきたいのだが)、彼女は歌を、あまり感情移入しないで歌うようにしているのだとか。

 というのは、彼女がクラブ歌手だったかの当時の経験で、歌い手が主観で感情移入しすぎると良くないと気づいたのだという。むしろ、あまり感情をこめないで歌ったらクラブのホステスたちが感動して泣きだした。つまり、聴き手が感情移入するためには、単純に歌い手が感情移入すればいいわけではない、ということらしい。

 この辺、当然クラシックのピアニストにしても、基本的には自分の演奏をアピールしなければならない必要上、ついつい感情移入過多の方向で行ってしまうと思うのだが、しかしそれと聴き手が感動することは別の話で、むしろ逆効果になることもあるのかもしれない。そういった意味で、例えばあまりテクニックもなく、長くやっているだけみたいに見えるベテラン・ピアニストの何気ない演奏に却って感動してしまうことがあるっていうのも、同じ意味合いがあるのかも。

 ・・・とまあ、それでこのフェレンツ・ヴィジの演奏がダメだと言っているわけではないのだが、少なくともこのCDを聴き始めの頃は誰がピアニストなんてことは全然視野に入っていなかったわけで、今回、このCDを聴いたのは10回前後だと思うが、このフェレンツ・ヴィジその人のことが気になりだしたのはほんの2,3回前。最初、「さすらい人幻想曲」に開眼して繰り返し聴いているうち、当然ながら続くその他の曲の演奏も耳に入ってきてしまい、シューベルトのリートのリスト編曲にしても気づけば渋い選曲や、「ダンホイザー序曲」なんて曲の選択にも、少し興味を持ち始めてしまった。

 そして、少しずつその人となりや普段の活動なんかも気になりだしてきて、そうやってだんだん興味が出てきたせいなのかどうか知らないが(まあ、どっちでもいいけど)、最初に聴いた時に「どうってことない」とかつて自分に思わせた大きな根拠だった、昔から好きな曲「ダンテを読んで」の演奏からしてが今では気に入りかけてしまっているのが、自分で主体性がないように感じてちょっとおかしい。

 ということで、今回、「さすらい人幻想曲」はこれで入り口に入れたので、これから手持ちの録音を聴き直すきっかけもできたし、このフェレンツ・ヴィジも、今やすっかり名前を憶えてしまった。

 当然、今度またCDを見かけたらチェックするだろうし、また今回のようにいろいろな発見があったら、嬉しい限りだ。

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 聴いたCD Frode Gjerstad tr... | トップ | 聴いたCD シューマン:「... »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。