On a bench ブログ

ようこそ、当ブログへ。ジローと申します。
 毎日毎日、たくさんのCDやLPを聴いて過ごしております。

聴いたCD Schumann : Papillons, Carnaval (Stefan Vladar)

2017年07月27日 | クラシック
PAPILLONS OP.2/CARNAVAL O
 
HARMONIA MUNDI

〔曲目〕
  「蝶々」Op.2 「謝肉祭」Op.9 「ウィーンの謝肉祭の道化」Op.26

 

 ひさしぶりに1枚全部シューマンのCDを聴いてみる。ピアニストは、初めて接するステファン・ヴラダーというドイツのピアニスト。ジャケットのデザインが美しいです。

 ところで、前にも書いたかも知れないけど、実はシューマンは個人的になかり苦手だった作曲家のひとり。最近では室内楽などで少し聴くようになって、好きな曲も出来始めたけど、でもまだ根本的に「つかめていない」というか、好き嫌い云々の前に正体自体が分かっていないといったほうが正しいかも。

 この点、昔同じように苦手だったシューベルトのほうは大分改善されて、今ではものすごく好きな作曲家になったから、そういう意味でシューマンはずっと自分のなかでいつまでも「理解が遅れている」というような意識にもさいなまれてきた。

 なので、こうしてたまに目についた色んな音源を少しずつ聴いてみることは、自分にとってある種のチャレンジ的な意識もあるわけだけど、今回このCDを繰り返し聴いてみて、やっとひとつ、変化があったかなと。

 というのが、今回のこの Stefan Vladar というピアニストの演奏がすごく素晴らしくて、これまでになく引き込まれてしまったのが最初だったんだけど、何回か聴きながらいつものようにネットをちょこちょこ調べていくうちに、「躁鬱」という言葉に何度も出くわしたのだった。

 そう、「躁鬱」。言われてみれば、シューマンを語る際には昔からしばしば目にしてはいた言葉だけど、しかし今回、それが初めてハッと自分の目に留まったというか、「そうか、そういうことか!」と、何だか一気に霧が晴れるように腑に落ちてしまった。

 そう、これまで昔から自分がシューマンの何が苦手だったかというと、それは第一に、「何だか始終ウルサい」(このCDの収録曲でいうと、例えば「謝肉祭」がまさにそうだったが)ということであり、また「細かい曲を連ねる曲が多く、それらの繋がりに脈絡がない」ことや、「音数が多い割りにバシッとキマらず、その結果音の塊りの圧迫感があって暑苦しい」、そして「音数が少なく静かなところでも場の空気の密度が濃いというか、精神の爽やかさや開放感みたいなものを感じない」みたいなことだった。

 そして、そんなマイナスの色々な印象が邪魔をして、シューマンの持っている美点に目を向けることができず、その結果、なんだかいつまでも工事中の道路を前にイライラとフラストレーションを抱えたままというか、待っていてもラチが明かないからしかたなく道を引き返すみたいな、例えるならそんな感じでもあった。

 しかし、そんなシューマンの自分にとっての諸々の印象が、この「躁鬱」という言葉一つを与えられたことですごくスッキリと飲み込めたというか、特に自分は、音楽の受け手としてどちらかというとアンビエント的な志向が強く、あまり暑苦しい音楽が得意でないので、こういうきっかけで「ウルサさ」「圧迫感」というものを分離して考える手段でも得られなければ、いつまでたってもシューマンの他の要素にたどり着けなかったのではないか、というようなことまで思ってしまった。

 もちろん、この「躁鬱」がどのくらい的を得ているかは別の話で、というか根本的に自分の中での話にしか過ぎないわけだけど。しかしともかくとして、自分がこれからシューマンをまた聴いていくうえで、これまでとは全く違う気持ちで聴けることは確かで、ちょっと新しい世界が拓けたみたいな気持ちにも、今多少なっている。

 ・・・、

 というわけで、今回言いたかったことは以上が全てで、今ちょっとした興奮状態でもあるわけだけど。

 でも、しかしですね、一方で、シューマンを最初に聴いてモヤモヤを感じ始めてから約30年、たったこの一語に気づくのにこれだけ時間がかかるかなあ、と少し空しい気持ちになったのもまた事実。

 う~ん、まあ、人それぞれに、いろんな面でこういう「壁」みたいなものはいくつも抱えていると思うし、大事なのはきっかけで、どういうきっかけがいつ訪れるのかも分からないという面があるとは思うけど。

 でも、やっぱりこの件は、かなり時間がかかってしまったかなあ。

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 聴いたCD Troy Pierce : Go... | トップ | 聴いたCD Beethoven : Piano... »

コメントを投稿

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。