On a bench ブログ

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聴いたCD Guerino Mazzola : Dancing the Body of Time

2017年05月26日 | ジャズ(フリー系)
Dancing the Body of Time
 
Cadencejazz Records

 Guerino Mazzola(p)  Heinz Geisser(ds,perc)  Shiro Onuma(ds,perc)

 先日当ブログでも取り上げたCD、「GEISSER/MAZZOLA/ROB BROWN : Orbit」で知り、興味を持ったフリージャズ系ピアニスト、Guerino Mazzola を聴く。

 個人的には、とにかく「Orbit」でのセシル・テイラーばりの爆発するような演奏の記憶が凄まじくて、それで当然ながら他の盤も聴いてみたいという気持ちになったのだが、気づくとこの盤、最近DUでわりとよく見ていた盤で、しかも安かったような記憶があった。

 で、しばらくそれとなく探しているうちに、先日めでたく発見。今回はいつも組んでいるドラムスの Heinz Geisser に加えて、もう一人ドラムスのShiro Onuma・・・って、あれっ、日本人なの? 調べると大沼志朗って方で、しかもこれ、そもそもが新宿ピットインでのライブ(2010年)ということじゃないですか(そういえば、ジャケットの写真も日本っぽいと思ったのだが)。

 それでさっそく聴いてみると、こちらもとにかく凄まじい演奏。しかも、今回はツイン・ドラムでベースなしというパーカッシブな編成なので、一層 Mazzola 本人の個性を前面に出していて、実際にも出ているという感じです。

 で、数日前から繰り返し聴いて、単に聴くだけならそれで満足。以上です。・・・なわけだけど、しかしこの Guerino Mazzola 、ちょっと「謎」というか「ギャップ」を感じるのも事実。というのが、先日からネットでちょっと調べていて、その顔写真の印象がですね、すごく温和なおじさんというか、こんな激しい音楽をやるようには全然見えないのですね。

 実際、彼の音を聴いていて常に思い浮かぶのがセシル・テイラーの顔で、もしも彼がエネルギッシュな黒人でというのなら何の疑問も生じなかったのだが、どうも写真で見るかぎり、それとは正反対というか、むしろ音楽家のタイプでいうなら理知的で優しそうで、保守的なクラシックでもやってそうな感じ。

 それに意外と言うなら、この人、単なるジャズ・ピアニストではなくて、数学者であり音楽学者でもあるらしい、いう点。どうやら、数学的に音楽の理論を研究するようなことをやっているらしい。・・・ということは、どういうことなのか。もしかしてこの人、セシル・テイラーみたいなフリージャズの演奏を研究して、それで自分の演奏に取り入れているということなのか。

 ということは、今こうして聴いている演奏はある意味人工的なもので真の個性ではないのか、という疑問も少し感じたりもしたのだが、しかし幼い頃からクラシックのピアノを学んでいたということだから、根元に音楽家という気質は当然あって、実際に聴いてみた感触も、単なる実験みたいなことには見えないのも事実。というか、こうして目の前の音楽が十分カッコいいのだから、動機が何であれ別に文句をいう気にはならないのだが。

 そしてこの Mazzola。多少ファンになりかけの身から言えばもう一つ腑に落ちないのが、なんでこんなにマイナーなのか、ということ。フリージャズのセッションとしては、スコット・フィールズやマット・マネリ、ロブ・ブラウンら有名どころと共演しているようだが、自身のリーダー作となるとどうもマイナー・レーベルからの発売ばかりで、評価もあまり見られない様子。

 このCDでも、ぼくは何度か聴いてその度に興奮しているのだが、どうもその場にいた人たちは、人数的にも少ない感じだし、雰囲気的にも今一つ「熱狂」みたいなまでにはなっていないところが、自分はこの演奏が気に入っただけに、ちょっと不満にも感じてしまった。

 ・・・というわけで、そんないくつかのギャップを感じつつも、この Guerino Mazzola、今ちょっと興味あり。これからもまた、追っていきたい存在になりました。

*(そして、初期のディスコグラフィーにあるLP「Akroasis - Beethoven's Hammerklavier-Sonate In Drehung (Für Cecil Taylor)」ってのは何なのだろう。ひとつのLPに、ベートーヴェンのハンマークラヴィーアとセシル・テイラーの名前が並ぶなんて、興味深すぎるじゃないか)。


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