Gone Astray by Troy Pierce (2007-08-21) | |
Minus |
これは、久しぶりに出てきて何気に聴いてみたら気に入って、ちょっとハマってしまったアルバム。
Troy Pierce というDJによる、自身のファースト・アルバムだったという盤です。
ただ、いつも言うんだけど、DJとかテクノというか、そういう界隈の音楽用語ってとにかくものすごくコアで素人には難解で、ぼくなんかの万年門外漢はずっとケムに巻かれているような感じ。
しかもこの人は多分、有名な RICHIE HAWTIN なんかの系列の人で、いわゆるミニマルテクノってカテゴリーに入る人だとは思うけど、普段ぼくがよく聴くエレクトロニカみたいな「聴く」ほうに特化した音楽とは対照的に、ずっとフロア向きなので、一層身近とは言えない感じなのでありますね。
で、そういうフロア向きの音楽って、例えばたまに動画などで現場の様子を垣間見ても、やはり根本的に求めるものが違うというか、それをただ「聴く」ために聴いてしまうと、あまり旋律もなければ変化にも乏しいということになってしまって、なかなか興味を持って聴き続けることが難しかったりもするわけです。
そう、それは確かにそうなのです。しかしですね、これは当然ながらやや例外的にはなるんだけど、そんな単調なトラックも、ある種「肌合い」みたいなものさえ合ってしまえば、一転してその人にとって「聴く」対象に変化してしまうことがあるというのも、また事実。
そういう意味で、この Troy Pierce の音ってちょうど自分の嗜好にフィットするくらいのダークさがあって、ビートも太めで変化があって存在感があるし、雰囲気的には冷やかさの中にも何かモゾモゾと神経にからみつくような感触もあったりで、そんなところが個人的にかなり好感触。つまり、聴けてしまうのです。
しかもこのCD、繰り返しっぽくなるけどたしかにフロア寄りとはいえ、やはりCDとして作られている関係上、かなり「聴かれる」ために練られてもいて、普段のライブよりはずっと「聴ける」トラックになっているような気もする。いやあ、やっぱり気づけばこれは中々いいCDだったんじゃないかなあ、と思ったりもして。
で、ここらへんが自分のうかつなところなんだけど、このTroy Pierce 、前回聴いた時(1年くらい前?)にもほぼこんな感じでちょっと気に入って、以来ちょこちょこ別の音源を探していたのですが、その時ネットで動画をあさってみようとは、なぜか思いつかなった(他の知らない人の動画はどういう経緯でか多少は見ていたのに)。
で、今回初めて気づいてYoutube で検索してみたら、何だ、長めのライブの録音とかがいくつも落ちているじゃないですか。で、ためしに聴いてみたら、やっぱりいい感じだしけっこう気楽にも聴けるし、ネットしながらとか本を読みながら聴くのにも適しているのかも。
いやあ、やっぱりYoutubeって便利だなあ、とアホのように感心してしまいました。そして、これじゃあやっぱりCDますます売れないよなあ、とも。
というわけで、下にひとつ、今日聴いてけっこういいなと思った動画を貼っておきます。
Troy Pierce - Les Loups - Feb 2015 Mix