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ノルウェイの森 こっちはネタばれ

2010-12-15 02:10:03 | いろいろ
久しぶりにきちんとした文章、それも、映画評を書いた。まとまって満足。
こっちはネタばれ。ごちゃごちゃ口を出したいことについて。
ちなみに、興行的には期待されるほど成功しないと思うから、ちょっとかわいそう。こういう映画にたくさんの人が共感できるなら、世の中もっと生きやすくなると思うんだけど。

以下、キャストとスクリプトについて。主に、私の認識と映画のギャップについて。原作を読んでいない人は絶対読まない方がいいし、映画を観ていない人も観る前に映画の内容を知りたくなかったり、洗脳されたくなかったら読まないで。



■キャスト
・ワタナベ。松山ケンイチは、キャストの中で間違いなく自分の役をいちばん理解している。完全燃焼したと思う。だから彼が、自分の出演作でありながら『ノルウェイの森』を絶賛するのは理解できる。話し方に癖があるのがたまに傷。
・直子。菊池凛子はもともと私の直子のイメージとかけ離れている。けれど、彼女がすばらしく演技力のある役者であることはわかった。それでも、彼女の直子は私にはワイルド過ぎた。直子はもっと静的。控えめ。staticで受け身。どんな時も、アグレッシブにはならない。病気になって混乱しているときとはいえ、彼女があのように叫ぶことができたなら、感情を内に内にため込んでいくような子でなかったなら、死までは進まなかったはず。
・緑。偶然「情熱大陸」で水原希子をみて、この子はいけそうだなぁと思っていた子。絵的にはあってる。長いセリフをうまく自分のものにして話せていなそうなところも時々あったけれど、初演技だし仕方ないかなぁ。あと、そもそも小説で原作で描かれた会話や言葉をけっこう忠実に使っているから、緑に限らず言葉が浮いた感じになるところは端々にあった。
・永沢さん。玉山鉄二はけっこうあってるイメージ。けれど、永沢さんの複雑な人間性が排除されてしまったのは非常に残念だ。主役ではない登場人物の魅力を描き切れていないには、批判するに値するのだだろうか。
・レイコさん。HPで写真をチェックして、顔と雰囲気的にうまく合いそうだなぁ思っていた一人。けれど、彼女の魅力はスクリプトに殺されてしまった。原作を読んでいなければ、彼女は意味不明な人物でしかないと思う。あんなに重い雰囲気をまとってはいけない。終盤は彼女にあまりに多くを言葉で語らせ過ぎた。
・ハツミさん。ワタナベと永沢さんと食事をするシーンで、ハツミさんはあんなに感情を表に出した話し方はしない。もっと淡々とピュアなニュートラルさをもって話す。タクシーでのシーンもしかり。ピュアにニュートラルに話す。ピリピリした雰囲気をずっと保つのではなくて、激しくきつい口調がたった一度だけあればいいのに。

■スクリプト
・飛行機に乗るワタナベは一瞬も出てこない。ワタナベの語りがどきどきあるのだけれど、時を経たワタナベと当時のワタナベが入り乱れていて、混乱を招くし、以上に当時のワタナベを大人びた感じにしてしまったりもする。
・ワタナベとハツミさんのビリヤードと、「ハツミさんみたいなお姉さんがいたらよかったのに」と言うシーンがなかったのはいただけない。
・ワタナベとレイコさんが2人で話すシーン。このシーンが全くないから、2人の間に信頼関係が生まれなくて、ずっと距離が遠すぎる。
・レイコさんのギターと歌のお葬式シーンがなくなった。余計にワタナベとレイコさんの心が通う機会が失われて、後のぎくしゃくした雰囲気につながってしまった。レイコさんのセリフでカバーしようとしゃべらせつつ、それも微妙過ぎる。


だけど、スクリプトは春樹がOKを出したはずだから。。もっとも、人の手に預けたものに、あまりたくさん口を出しそうなタイプではなさそうだけど。
あと、キャストの演技について、役者の理解と演技力の問題なのか、監督の要請なのかは不明。村上作品にでてくる人々は、表情と言葉で多くを語る人々だから、スクリーンいっぱいに動きまわってもいい映画には、不向きだと思った。表情と言葉と話し方だけで全てを繊細に語れる日本人の役者なんて、いったい何人いるのだろう。

とりあえず、そんなところかな。
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