遺体屋の仕事

日常生活では見ることも聞くこともない「遺体屋の仕事」とは・・・

人を見る話

2007-12-20 08:34:19 | Weblog
仕事の移動中、同僚と差し障り無い会話で動物ネタなどよく話します。
自分のペット自慢とかご葬家にいたペットの話とか。
片道2時間かかるところなども行くので完全なる暇つぶしです。

でもご葬家とペットにマツワル事も時々あります。
今回は叫び続けるワンコがいました。
室内犬でシーズーっぽい犬です。
ご親戚も沢山あつまっていて湯灌をするのにワンコがちょっと邪魔になり
別室へ追いやられていました。
すると湯灌の儀式のご案内の一言を話すたびに
「ワンワンワンワンワン!」
何か大きく動作をするたびに
「ワンワンワンワンワン!」
あまりに鳴くので喪主様が切れて
「うっさい♯!!!」と一言
遠くにいるのにそれで鳴き止むワンコ
ご親戚のおじさんは「まぁまぁ、わかってるんだよ。仕方が無いよ」と喪主様をなだめます。
家族関係とそのワンコの位置付けがどうであれ
「オレもそっちに行きたいワン!」って吠えていたのかもしれません。

鳴かれる事・吠えられる事はよくあるのですが
なつかれ過ぎても困る事もあります。
大きな庭のあるご葬家なので犬をつなぐ鎖が異常に長いワンコがいました。
ぱっと目「おっ!友好的ワンコ」と判るほど
なんだかニコニコした感じ?
でも長すぎる鎖と友好的過ぎるワンコなので、ご葬家から帰るときに車で轢いてしまいそうで非常に危険なのです。
「車を移動するか、犬を押さえてるか?どっちがいい?」と同僚に聞きました。
その時の同僚は車の運転も不慣れで、犬も苦手。
「うーーーーんっ。犬」
犬を押さえつけているはずの同僚は、逆に犬に押さえつけられているかのようで
一緒にチークをしているようで。
同僚は「イヤぁーーー」と雄叫んでいましたが、犬は非常に楽しそうでした。
たしかに私から見てもこの同僚はイジりたいタイプの人なので、犬も人を選んだのでしょうか?

そして大変だったのがガップリ咬まれた同僚もいたことです。
私はその場にいなかったのですが、ご葬家入りしたときから
その子の事を眼光鋭く睨んでいるかのようだったそうです。
そして ガブッ!と足だかお尻だかを咬まれてズボンが破けたそうで・・・。
ご葬家は平謝りで、その子も心身ともに傷ついたそうですが
やはりお客様なので大ごとにしないで帰ってきたそうです。
「やっぱ怪しい人わかるんだよー」とその場にいた別の子は語ります。
たしかに怪しげな職業ですが仕事柄というよりも
犬が好きか嫌いか?で判断しているような気がします。
「敵意発見!」と言う感じでしょうか?

ある動物特集番組で獣医の先生が
「犬は群れを成す生き物だから本来なら外の犬小屋で犬を飼うのは
犬が家族から離されているという疎外感を感じて残酷な事なのです」とのこと。
たしかに犬は家族に対していつでも無償の愛を捧げます。
でも大型犬を室内で飼うのは各ご家庭の事情的には難しいものもあるでしょう。
でも間違いなく“家族”として認識しているなら
「オレもそっちに行きたいワン!故人の側に行きたいワン!」って思うのは当然なのかもしれないですね。






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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-12-21 09:00:52
>一緒にチークをしているようで
ウケました(笑)
犬ってなんだか、笑っているようにしかみえない顔、してるときありますよねえ。あれってほんとに笑ってるわけじゃないんでしょうかね?

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