風土記:持田社
延喜式:―
雲陽誌:大宮大明神(天太玉命・縣大宮姫命・天鈿女命)
様 式:大社造変態
御祭神:大宮比賣命・天鈿女命・猿田彦命・天太玉命
合 祀:天御蔭命(青蔭神社)・高降姫命(高野社)・別雷命・木花開邪姫命(加茂神社)・忍穂耳命(丸山神社)
誉田別命(若宮神社)・金山彦命(金比羅神社)・国常立命(国司神社)・大物主命(日吉神社)
伊弉冊命(熊野神社)・護国英霊九十五柱
松江市内から旧島根町に至る主要県道21号線沿い、県の主導にて進められたソフトビジネスパークの東口から右手(北東側)に境内を見つけることができる。亀尾・日吉集落の中心にあり、古くは風土記にも社名を見つけることができ、この地の氏神として丁重に祭られてきた。境内正面は田園が広がり、鳥居と隋神門をくぐれば、一壇上に拝殿と大社造の立派な本殿を見ることができる。境内は全般に掃き清められ、紅葉の朱は本殿と見事な対比を成していた。
当社の由緒を遡ると、創建の詳細は不明といえども風土記に所載の持田社され、『雲陽誌』には文永年間の棟札を見ると記される。主祭神の大宮比賣命に因み中世は大宮大明神として崇められ、天鈿女命、猿田彦命とともに天照大御神岩戸篭り、天孫降臨に所縁ある神が祀られている。ことに岩戸に舞を奉じた両女神の縁があることから亀尾地区では今日でも神楽の伝統を受け継ぎ、当社の例祭他、近隣各社の例祭にも舞を献ず。
明治期に旧持田村内各社を合祀しており、鳥居脇には丸山神社合祀の碑が見える。これは戦国期に頭痛にて苦しみ落命された丸山権太左衛門の霊を祀ったことに始まり、頭痛に悩む遠近の多くの祈願者があったと伝わる。明治六年に賀茂神社に合祀され、明治四十一年に持田神社に合祀されるに及んでも、丸山神社としての崇敬が篤く続いた。
〈境内社〉
本殿左に歳徳神を祀る。本殿背後に石祠および幣を数多供える。
〈所在地〉
島根県 松江市 西持田町 亀尾
参拝日:平成23年11月25日